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夕遊の紀実文学・記録片

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映画のドキュメンタリーや書籍のノンフィクションが大好き。実話ベースともまた違う、おもしろさがあります。おすすめです。
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#読書

中国の恐竜事情がおもしろい。『恐竜大陸中国』安田峰俊(田中康平監修)

子どもにとって、恐竜の話題はいつだって人気コンテンツ。夏休み限定だった番組が、先生たちの…

夕遊
4日前
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『東洋の至宝を世界に売った美術商ーハウス・オブ・ヤマナカ』朽木ゆり子

京都の泉屋博古館にいくと、とんでもなく古い青銅器がたくさんあって、しかもそのうちのいくつ…

夕遊
3か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
6か月前
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心のよりどころを求める人たちの暮らし。『信仰の現代中国』イアン・ジョンソン

最初、この本は著者のイアン・ジョンソンが、外国人の目で見た不思議な、理解しにくい中国を書…

夕遊
1年前
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日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
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糸を引くおもしろさ。『幻のアフリカ納豆を追え!』高野秀行

定期的に読みたくなる高野さんの本。今回のテーマは、納豆。この本より先に『謎のアジア納豆』…

夕遊
3年前
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もうひとつの中国とオリンピック『北緯43度の雪 』河野啓

1971年、中華人民共和国(中国)の国連加盟に反対して、国連から脱退した中華民国(台湾)。翌年、蒋介石(1887-1975)は札幌オリンピックのために8人のスキー選手を送り、中華民国の名を宣伝して、中国に傾いている国際社会の関心を再び台湾に引き戻そうとしました。 でも、選ばれたメンバーは在日中華民国国籍の若者や台湾原住民のアミ族の若者、そして両親が中国から逃れてきた台湾生まれの若者と多様で、大半が雪さえ見たことのない未経験者でした。この本は、政府の都合で無理なミッションを押

夏が近づくと思い出す。『スローカーブをもう一球』山際淳司

ものすごく有名なスポーツ・ノンフィクション。大昔、野球を見るのが好きだったときに読んだの…

夕遊
3年前
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有名な作家さんとその家族の物語。『星新一 1001話をつくった人』最相葉月

星新一『明治の人物誌』がおもしろかったので、評判の本書も読んでみました。そして、期待通り…

夕遊
3年前
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よりよい未来を求める中国の女性たち。『現代中国女工哀史』レスリー・T・チャン

通勤電車で読みましたが、結構時間がかかりました。なんせ、400ページ以上というボリュームだ…

夕遊
2年前
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ニンゲンの根源的欲求からみる隣国。『性と欲望の中国』安田峰俊

安田峰俊さんはBlog時代からのファン。書かれた本はだいたい読んでいます。その中でも、他の中…

夕遊
2年前
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あるカンボジア人の人生。『淡淡有情』平野久美子

この本は、平野久美子さんが、第6回「小学館ノンフィクション大賞」を受賞した作品です。平野…

夕遊
2年前
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移民焼き畑国家、日本『「低度」外国人材』安田峰俊

安定の安田峰俊さんのノンフィクション。悪名高い「技能実習制度」で騙されて、日本に来てひど…

夕遊
2年前
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「天安門事件」から香港デモへ『八九六四』完全版、安田峰俊

ゴルバチョフのペレストロイカがあって、ベルリンの壁が崩れて、社会主義の国は多くが別の体制をとるようになりました。けれど、中国は中華人民共和国のまま、中国共産党の体制が続いています。1989年の6月4日におきた天安門事件について、50才以上の日本人は山ほどTVや新聞のニュースを見たせいで、大体知っていますが、若い人は知りません。 中国でもそれは同じで、若い人は天安門事件なんて知りません。そして、知っていても話しません。なぜなら、中国では天安門事件はタブーで、「なかったこと」に