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夕遊の紀実文学・記録片

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映画のドキュメンタリーや書籍のノンフィクションが大好き。実話ベースともまた違う、おもしろさがあります。おすすめです。
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記事一覧

中国の恐竜事情がおもしろい。『恐竜大陸中国』安田峰俊(田中康平監修)

子どもにとって、恐竜の話題はいつだって人気コンテンツ。夏休み限定だった番組が、先生たちの…

夕遊
12日前
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『東洋の至宝を世界に売った美術商ーハウス・オブ・ヤマナカ』朽木ゆり子

京都の泉屋博古館にいくと、とんでもなく古い青銅器がたくさんあって、しかもそのうちのいくつ…

夕遊
3か月前
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ホームドラマみたいなドキュメンタリー映画『◯月◯日、区長になる女』2024年。

たまたまSNSで宣伝見つけて、家族で見に行きました。久しぶりの大阪十三の第七藝術劇場は、別…

夕遊
4か月前
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ダサいけど無視できない。『戦狼中国の対日工作』安田峰俊

今から50年ほど前、当時国交のなかった中国と交渉するために訪中した田中角栄は、ホテルの部…

夕遊
6か月前
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静かな強いドキュメンタリー映画。『燃えあがる女性記者たち』インド、2021年

先日、大阪民博の特別展『交感する神と人』を見に行ったんです。とってもエキゾチックなのに親…

夕遊
7か月前
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草原の魅力が満載。『まんぷくモンゴル! 公邸料理人、大草原で肉を食う』鈴木裕子

保育園の調理室勤務だった鈴木さん。保育園の仕事を18年間続けながら勉強し、日本、西洋、中…

夕遊
8か月前
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心のよりどころを求める人たちの暮らし。『信仰の現代中国』イアン・ジョンソン

最初、この本は著者のイアン・ジョンソンが、外国人の目で見た不思議な、理解しにくい中国を書いたノンフィクションだと思っていました。でも、読んでみたら全然違って、道教の道院や仏教の寺院、そしてキリスト教の教会で活動する普通の人たちを何度も訪問して、根気強くインタビューして、彼らの活動を記録した本でした。 この本は全部で七部(章)に分かれているのですが、それぞれのタイトルは月の暦、啓蟄、清明、芒種、中秋、冬至、閏年と文学的です。そして、第一部の「月の暦」から始まり、全て二十四節気

女性たちのクラフト・アート ドキュメンタリー映画『YARN 人生を彩る糸』アイスラン…

記憶の中の祖母は、いつも編み物をしていました。色やデザインは正直、ダサかったですが、純毛…

夕遊
1年前
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日本生まれの台湾人で、北京放送のアナウンサー。『陳真』野田正彰

私が初めて、NHK中国語講座をみたときに、穏やかな笑顔で発音を担当されていた陳真さん。て…

夕遊
1年前
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糸を引くおもしろさ。『幻のアフリカ納豆を追え!』高野秀行

定期的に読みたくなる高野さんの本。今回のテーマは、納豆。この本より先に『謎のアジア納豆』…

夕遊
3年前
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もうひとつの中国とオリンピック『北緯43度の雪 』河野啓

1971年、中華人民共和国(中国)の国連加盟に反対して、国連から脱退した中華民国(台湾)…

夕遊
3年前
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夏が近づくと思い出す。『スローカーブをもう一球』山際淳司

ものすごく有名なスポーツ・ノンフィクション。大昔、野球を見るのが好きだったときに読んだの…

夕遊
3年前
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有名な作家さんとその家族の物語。『星新一 1001話をつくった人』最相葉月

星新一『明治の人物誌』がおもしろかったので、評判の本書も読んでみました。そして、期待通り…

夕遊
3年前
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よりよい未来を求める中国の女性たち。『現代中国女工哀史』レスリー・T・チャン

通勤電車で読みましたが、結構時間がかかりました。なんせ、400ページ以上というボリュームだし、いろんな話題をつめこんでいるので。 タイトルが『女工哀史』というのは、いつもの中国本にありがちなミスマッチ(というか、販売戦略上の都合?)原題は、『ファクトリー・ガールズ』。東莞市に出稼ぎに来た中国人のたくましく、したたかで、でもそれだがらこそ苦労を重ねる若い女性、中年男性たちの話。映画『女工哀歌』からわずか数年しかたっていないのに、中国の社会は大きく変化して、出稼ぎ労働者たちもか