見出し画像

十分楽しめた久しぶりのナンバリングタイトル【FF16】

長々と前置きを書く前に先に個人的所感を。

私にとって久々のナンバリングタイトルであるFF16は――モヤモヤは少し残るけど普通に楽しめたFFだった。

まず最初に――。

既にネット上では賛否が入り乱れているが、正直ゲームに対する印象など人によって千差万別だ。
昨今、ゲームでも何でも、どこぞの誰かの評価を世間の総意と受け取る人が多いが、やはりゲームは個人がどう思うか――自身のメタスコアこそが重要で、それが全てなのだと思っている。 
そこだけは決して間違ってはいけない。 ゲームとは、自身の体験があってこそなのだから。

ではさっそく感想をば――。
今回のFF16、スケジュールを調整してぶっ通しでプレイするつもりが私生活で紆余曲折あって、サブクエコンプ含めて約一週間でクリア。

事前情報は特に仕入れず、体験版くらいで完全初見にてプレイ。

その体験版からして、導入、BGM、世界観のどれもが高水準だった。

特にゲーム音楽を愛好している自分にはドストライクのBGMだったから即予約した。(やっぱ祖堅さんの音楽は最高)

で、実際プレイして――序盤からしてどんどんと物語にのめり込んでいった。

それで、本編をクリアして個人的に良かった点を上げるとするなら

・ストーリーに関しては普通にRPGの王道的な感じて十分楽しかった。 ところどころで「ん?」と思う部分がなかったわけではないが、それでもちゃんとファイナルファンタジーでしか出来ない世界を楽しませてもらった。

・BGMが本当に素晴らしい。 特に召喚獣との戦闘BGMと、主人公が覚醒する時の壮大なオーケストラBGMが鳥肌ものだった。

・声優陣の感情を揺さぶるほどの演技力。 外画が好きな自分にドンピシャな声優が多数出演しているので超満足。

・米津玄師のテーマソングが本編で流れるタイミング……ズルい……。

とまぁ、個人的には非常に楽しめた作品だった。

……で、モヤモヤした点なのだが――。

ストーリーの導線や展開の盛り上がりが中盤辺り(バハムート戦以降)から徐々に右肩下がりとなっていった印象だった。
(ある主要人物への復讐を遂げたから――というのが原因ではない)
序盤は本当にFF16の魅力を最大限に打ち出している展開をジェットコースターのように楽しむことが出来た。
特にアクションゲーム好きの自分には召喚獣バトルは本当に楽しかった。 まぁ、正直バハムート戦に関しては「長ぇ!!」と思うくらい展開目白押しで、若干冗長な気もしたが、後半はバハムート戦ほどの召喚獣バトルがないので、物足りなさを感じる一因となった。

通常戦闘面に関しても、召喚獣が揃ってくると有利に戦っていけるのはもちろんなのだが、それによって得られるアビリティの攻撃力が高すぎてごり押しが利くようになっていき、こちらも中盤以降難易度が下がっていき、物足りなさを感じた印象だ。
敵によって各々の召喚獣のアビリティを活かせるような展開があればまた違ったのだが、大体使用するものは収束していく。
これに限っては、アクションゲームに不慣れな人への配慮からくる弊害ともいえるだろう。

その難易度の低下によって、戦闘中に回復アイテムを使うことは殆どなく、強化アイテムを使うこともない。 よって、買い足すこともないからギルが普通にあまりまくる。 なんなら、武器や防具の作成、強化素材も超余る。

そして、これが一番気になった点なのだが――。

FF16はサブクエをこなしているかどうかで後半の物語への印象が大きく変わってくる。
しかも、最終決戦からエンディングまでの考察には、それこそ完全にメインシナリオに入れなきゃでしょっていうのが多いから、なおさらプレイした方がいい。 
ただ、ここで問題なのはこれらのサブクエは最終決戦の直前に解放され、しかもいくつも回る必要があるため、進行のテンポが非常にダレる。
なら無視して進んでも別に構わないかというと、見るのと見ないのとでは世界観の理解度とエンディングへの解釈が相当変わってくるので、マジでなぜサブクエに回したんだと言いたくなるものばかりだ。

そして、これはモヤモヤとか不満とかではないのだが、中盤以降で、真の敵の目的や主張、世界の真実などが明らかになるにつれて良くも悪くも「王道のファンタジーRPG像」のレールに乗ってしまったように感じた。
つまり、FF16独特の世界観やストーリー展開から、よくあるファンタジーゲームへとスライドしていった結果、FF16が掲げていたバックグラウンドがもはや関係なくなってしまったような気がしたのだ。
ただ、そもそもファイナルファンタジーとはもとよりそういう物語なわけで、今までのFFや他メーカーのRPGも世界系ともなれば大体こういう形に落ち着くので、そこまで気にはならない。
一応サブクエやゲーム中で読めるテキストで複線の回収などはされるが、やはりここでもサブクエが重要となってくるので、本作を十分に楽しみたいのなら、サブクエは欠かせない。

とまぁ、ここまで気になる点を挙げてきたわけだが、本作の総評としては、個人的には十分満足できる作品だった。
もともと自分はFF14もやっていて、吉田Pの作る新しいファイナルファンタジーならやってみようかなという印象だった。

そして、体験版をプレイし、本編をクリアし終えた今、自分は新しいFFシリーズを堪能出来たと心から思えた。

もちろん、先にも書いたように思うところがないわけではないが、そんなものが一つもない作品なんてそれこそ一つもない。
傑作と名高いウィッチャーにもデスストにもフォールアウトにも、サイバーパンクにだって、個人的に気になる点はあったくらいだ。
それを思えば、今作で気になった点なんて今となっては些細なことだ。 そもそも自分はサブクエも完全にクリアした身なので、それらに纏わる不満は無い。
エンディングも米津玄師のテーマソングが反則級にドンピシャリだったのもあり、十分に心を揺さぶられた。
本作はクリア後のやり込み要素もあるし、これからもまだまだ注目される作品となるだろう。

PS5限定という限られたプラットフォームで勝負するFFの最新作。
吉Pのインタビューでも、現在のプレイヤーの情報をフィードバックしてシステムを最適化していくという旨の話をしていたので、もしかしたら時間が経つにつれてさらにやりごたえのあるゲームへと変わっていくのかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?