ボカロ曲紹介01: 「閻魔さまのいうとおり」
はじめに: 自己紹介
はじめましての方ははじめまして、船橋ひなたと申します。
新学期も始まって、なんか新しいことしたいなと思って、手始めにnoteを始めることとしました。唐突ですね。
こういった文章を書く機会が、大学のレポート作成などに生きてくれれば、などといった希望的観測を持ちながら、自分の好きなボカロ曲などについてつらつらと書き連ねていく予定です。
どれくらい続けられるかはわかりませんが、ぼくの気まぐれにお付き合いいただければ幸いです。
1曲目: 「閻魔さまのいうとおり/ピノキオピー feat. 初音ミク」
紹介の前に少し余談を。
まずみなさん、特に音楽が好きな方にお尋ねします。
友達から、「一番好きな曲ってなに?」って訊かれたとき、なんて返しますか?
すぐにぱっと、「この曲!」って挙げられますか?
ぼくの場合ですが、一番好きな曲を決めるなんてもう不可能で、好きな曲がすぐに脳内で溢れかえってしまって、「一曲に絞って!」なんて言われようもんなら熟考タイムに入ること間違いないのです。
そんなわけで、「一番好きな曲は?」と訊かれたときはこの曲って答えよう!と、あらかじめ自分の中で答えを用意していたわけです。(そんなこと訊いてくる友達が自分にいるかという問題は置いておいて)
その、一番好きな曲はこれ!と自分の中で決め打ちしていた曲が、今から紹介する、「閻魔さまのいうとおり」になります。
自分が大学で受講した「ボーカロイド音楽論」の最終レポートでこの曲を取り上げるくらいには、この曲のこと大好きです。
・・・
閑話休題、ここから曲の話に移ります。
(とはいえ、ぼくは音楽の専門知識を持っていないので、音よりも主に歌詞に注目することになると思います、ご了承ください)
YouTube:https://www.youtube.com/watch?v=Tg5z_8286ms
ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/watch/sm33721009
記念すべき一曲目はこちらです。
まずサムネから、かなりカオスな世界観が描かれているのがわかると思います。都市の中心街にあるような高層ビルと一緒に、戦車や卒塔婆、ひっくり返った車、右側からひょっこり見える大きなアイマイナちゃんなどなどが描かれています。
さらに中央の男女二人組の口が真っ赤に塗られて、口から赤色が垂れている。すこし怖いです。
さらに歌詞の歌い出しもなかなかに奇妙です。
……ん?どういうことだってばよ?
少なくとも現代社会ではなかなか見かけることのない、変わった世界観のようです。拷問部屋ってなんだよ。
その後も、バックパックに武器を突っ込んだり、キリストを騙るペテン師にだまされたり、やっぱり少し変わった状況が、でも歌っていて気持ちのいい詞が、連続するのですが、ここからサビへと一気に盛り上がります。
サビ前半の歌詞です。
逢魔が時、夕方6時頃のことらしいですが、文字通り「魔」と「逢う」「時」という読みもできないでしょうか。爆撃の雨が降っていて、平穏な日常は破壊され、人間がおおよそ住める場所ではない、「魔」が蔓延るようなディストピアと化してしまった、といった気持ちです。
そしてその「逢魔が時」の到来を決めたのが、閻魔さまなのではないでしょうか。
これはピノキオピーさんの曲の特徴の一つだと思っているのですが、歌詞の繰り返しが出てきていますね。曲名にもなっている「閻魔さまのいうとおり」というフレーズが、サビの後半では何回も繰り返されています。
さらにMV中でも、「閻魔さまの いうとおり」と、画面いっぱいに文字が何度も表示されます。それはもう洗脳のように。
しかし、最後には、ほんとに小さく(文字通りです。MVだと小さい文字で表示されています)ですが、「なの?」と、洗脳に対して抵抗を示しているように感じられます。
サビ前半の歌詞も含めると、閻魔さまの判断により日常が壊れてしてしまい、周りは「閻魔さまのいうとおり」だからと、この状況を受け入れているものの、「失敗作」である二人だけは疑問を呈しており、「行き場のない」存在になっている、とも考えられるかもしれません。
・・・
曲紹介というよりは、自分の考察の披露みたいになってしまいました。これでいいんでしょうか、ダメな気がします。ネタバレにも比類する重罪ではないでしょうかこれ、怖いですね…。
ダメな気がするので考察の披露はここら辺でやめにしますが、本当に、本当に考察しがいのある、考えさせられる曲だと思っています。
曲で描かれている独特な世界観の細部を突き詰めていくもよし、この曲は現代社会の風刺であると考えて、ピノキオピーさんの発信するメッセージを読み取ってみるもよし、さまざまな楽しみ方があると思います。
ぜひ聴いていただけたらと思います。
もう知ってたよって方も、もう一度歌詞を読み直すなどしてみてはいかがでしょうか。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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