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江田島荘、滞在記_3/3

「ロカヴォーレ」で素晴らしい時間を過ごしたあとは、お楽しみの温泉だ。
海沿いなので潮っけがあるお湯で、時間的に外湯の客がいないので、ゆったりと楽しむことができた。
僕は温泉の質についてはあまり知見がないけれど、しっかり温まることができた。

温泉を出たところに「Kei´s Bar」というバーがあり、訪れた時には年配の男性がカウンターに立っておられた。
常にいらっしゃる訳ではないとのことだったので運がいい。

大浴場を出たところの寛ぎスペースにバーがある

せっかくだから、お風呂上がりの一杯ということで、オリジナルカクテル山をお願いしたら、江田島らしく今年獲れたばかりのオリーブの新漬けが入っていた。
「昨日、もらったので使ってみました」とのこと。
こういうフレキシブルさが嬉しい。
瑞々しい新漬けは当然旨かったし、ホワイトラムに柑橘を効かせたロングドリンクは僕の好みだった。

オリジナルカクテル山

さらに「こんなものを作ってみたのですが、お召し上がりになりますか?」と運んできてくださったのがこれだ。

バケットに射込んだレーズンバター

懐かしい!レーズンバターですね!と言うと「ご存知でしたか、私の若い頃はこれが大人気で、クラッシュした氷の上にダイス状のレーズンバターをのせて出すのが定番でした。
でも今の若い人には脂っぽいようなので、バケットと合わせてみたのです」とのこと。
レーズンバターは僕がギリギリ覚えているくらいの古い酒肴だ。
しかしバケットと合わせると、こっくりした油脂感をパンが吸い取り、レーズンの甘味とバターの塩味が合わさって、古い組み立てだが、今でも十分旨い。
懐かしくて旨かったですと伝えると「ラウンジにはお夜食をご用意していますのでお召し上がりください」と送り出してくださった。
いや、もうお腹いっぱいなんだけどなと思いながらラウンジに向かうと、多くの人が夜食を食べおり、釣られて僕も食べてしまった。

ちりめんと柚子胡椒のお茶漬け

ほうじ茶をベースとしたさらりとしたお茶漬けで、薄味なところがいい。
寝る前に濃い味付けはほしくないからだ。

そして、部屋に戻って肌触りの良いシーツでぐっすり眠った。
僕は自宅でも麻(リネン)の洗いざらしをシーツに使っており、アイロンをかけたツルツルシーツよりも、吸湿性の良い材質を好む。
以前から、夏は汗を吸い、冬は温かな、アイロンをかけないざっくりした素材がいいのにと感じていたので、このシーツには大賛成だった。

肌触りが柔らかいシーツは、島内の障害者支援施設に洗濯をお願いしているとのこと

起床してカーテンを開けると、朝日が登ろうとするところだった。
昼の景色もいいが、朝の景色もいい。

部屋から見た朝焼け

せっかくなので朝もお風呂に入ってさっぱりし、お楽しみの朝食に向かう。
夜は小竹シェフ渾身のフレンチだったが、朝は一転して島のお母さんの朝ごはんになる。
朝食もシェフが料理していたらすぐに身体を壊してしまうので、これは正解だ。
メインは自家製ベーコンか、瀬戸内海で獲れた干物のどちらかで、前日の夕食が終わった時に確認される。
僕は自家製ベーコンを選んだが、カリカリベーコンではなく、しっとりと温めた、噛みしめると脂身がじゅわっとほとばしるタイプのベーコンだったので、ちょっと重かった。
若者にはこちらが喜ばれるだろうが、朝を軽めにしたいならば干物が正解だろう。

島のお母さんの朝ごはん

ご飯は南部鉄器で炊いてあり、一組ごとに炊きたてを持ってきてくれる。
おかずがたくさんあってどれもおいしいし、ご飯もおいしいので、ついおかわりして、お腹いっぱいになった。
ご飯のあとは散歩したり、部屋でゆっくりしてチェックアウトまでの時間を過ごす。
そろそろ時間が迫ってきたので、名残惜しみながら荷物をまとめていると、地元の人達がビーチを清掃されているのが見えた。

ホテル前のビーチを地元の方々が清掃されていた

きっとホテルのためだけではない。
自分たちのビーチだから清掃されているのだと思う。
この美しい景色はホテルだけでなく、地元の方々の努力によって保たれているのだと胸を打たれた。

江田島の素晴らしさを体験できる場所として、コアとなる施設がこのホテルだと思う。
遠方から訪れるのもいいが、地元の素晴らしを見直すきかっけになるので、県内の人にもたくさん訪れてもらいたいと感じた。


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