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台湾に籠もっていた2020年と最近のこと

決算月をグローバルに合わせて12月期に変更してから弊社の株主総会は3月に行っている。ちょっと前までは社内にそのような担当もおらず、自分で定期的な報告などをしていたけれど、生意気にも経営企画という名の僕のあーだこーだに対応してくれる優秀な担当ができて、僕の代わりに連絡してくれるようになった。少しさみしいし、株主総会はルールもあり形式的な形になることが多いので、事前に自分の言葉で共有するためにも文章を書いておこうと思う。

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2020年Q1ごろから台湾でコロナ拡大が始まった。様々な案件がキャンセルまたは延期となり、用意していたリアルイベントも中止になっていった。やばいなあ、、潰れるかなあ、、っていうのも頭によぎり、いろんな費用に手を付けた。○○までに○○でなければこの費用削減を実施するというもので、最悪の場合は人件費を1/4くらいまで落とすシミューレーションも会社経営陣で行っていた。費用の多くは人件費なので、残酷な言い方で言うと「いつ誰を切るか」みたいなものだった。これまで多少局所的な費用削減はしてきていたが、ほぼ成長しか経験してなく投資を受けるとともに拡大し続けていた組織と僕個人にとって苦しい出来事だった。株主に出していた予算も下方修正してしまった。

大きく費用をかけつつ売上成長で黒字を目指すという経営から、部署ごとの損益管理を徹底して費用を抑えつつ投資もしながら黒字を目指す、という経営方針に変わった。数字のみで振り返ると投資(主には新規人材加入と適切な昇給)をしながら固定費は順調に落ちている。繰り返すが数字のみで振り返ると固定費は順調に落ちた。数字以外のいろいろな出来事と思いがあったが、結局のところ経営者は数字でしかなく、短期をコントロールしつつ長期も成長を目指す。外部要因あれど、できなければ全て経営者に責任がある。

よかったのは費用削減を継続的にリーダー陣とディスカッションしたが、そこまで雰囲気は悪くなったりせずに繋がりは強くなった気がする。

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コロナが影響し始めた2020年Q1, 2では、これまで伸び続けていた注力事業が減少している。ただこちらも1年を数字で振り返って一言で言うと「苦しかったが振り返ると何とかなってた」というのが率直な感想。前年比全体でも伸びたが、ここ3年注力している事業は30%以上の伸びだった。伸びているという感覚はなく苦しかったが、数字だけで振り返ると悪くもなかった。色々迷惑をかけたが、様々な人に助けてもらった結果だと思う。

Q3, 4の注力事業の上昇は台湾コロナの落ち着きが大きいはずだ。リバウンド消費というのがどのくらい影響しているのか不確かではあるが、日本でまだ先が見えない方々もどこかでリバウンドに転じることがあるかと思う。我々も耐え忍んでいる間に他社はもっと厳しい状況になっていて残存者メリットを享受できたのかもしれない。弊社は元々インバウンド(外国人に日本に観光に来てもらう広告)予算が売上に繋がっていたところもあり、そこもこれからのリバウンドを期待してる。昨年はそういった売上はほぼなくなっていて逆にアウトバウンド(外国にいる人に日本のことを知ってもらう広告)関連で越境EC関連が伸びた。インバウンド関連で収益があったクリエイターにも代替になるような収益を多少育て始めれた。クリエイターに価値を提供できる用に今後も随時リソース配分を見直していく。


会社のホームページを新しくした。マネージャー陣はほぼそのまま残ってくれていて、市場の黎明期から今までを経験しているのは頼もしく、大きなバリューになっていると思う。

上記のようなソフト面の肌感も株主総会で伝えたいところなのだが難しい。部署ごとの損益管理を徹底した際に、部署単体でもミッションの設定とMPI(Mission and Performance Indicator)という言葉を作り売上や利益以外を合わせた指標の浸透も目指した。KPIという単語は何となく受動的に上から振られるイメージが僕の中にあり社内で使う気にならず、数字と合わせて会社の方向性と部署の一体感を熟成できないものかと考えたが、今の所機能して結果が出ている。ちょうど直近のクオーターで部署異動を行ったところ、異動になった社員から「この新しい部署のミッションはなに??この新しい施策は会社のミッションに沿ってるの?」と言われ「お、、、おう。。さすが鋭いな。それを一緒に考えようと思ってたぜ。(やべー、そういうの考えるの忘れてた)」としどろもどろになってしまった。その場は何とか受け答えしてしのいだが、後に考えてみるとすごくありがたいことである。一時期に会社のミッションとビジョンを浸透させよう、とウザいと思われてるだろうなあ、、という頻度で僕から発信していたのが、社員全体に浸透しつつある。

未来を想定通りに進めるのは難しい。ただ想定して、それをできるようにしなければ長期的に信頼を得られる会社にはできない。これまでは多少ずれていっても何とか人材で対応できるようにして予算に何とか合わせてきた。人材の対応力という面では強くなっているので、これから更に不確定要因も乗り越えれるよう事業面も力強く構成できるチャレンジをしていく。きっと未来は明るいはず。

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