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「生理」についての日中考察

※できるだけ自分の思いを明確に伝えたいので、隠喩はなくかなり具体的に書きます。その点、ご了承下さい。

私の中で未だに覚えているシーンがある。

小学校5年生の担任はクソジジイで、故に彼の見せるものもクソだった。
あれは確か道徳の授業。NHKの道徳のTV番組があのクソジジイはえらく気に入っていた。
そのTV番組のワンシーン。

おばあちゃん「いい、〇〇ちゃん。あれはね、汚物入れに捨てるのよ」
女の子「なんで日本では“汚物”っていうの?」

おばあちゃんがなんて答えたのか、覚えていない。
唯一、私は経血の付いたナプキンは“汚物”(汚いもの)であるとあの時認識した。

その一年後、初経が来た。
以来私はほぼ毎月、汚物を捨てている。

※※※

2018年12月、私は青海にある青海民族大学にいた。
以前青年海外協力隊を派遣していた学校(現在は派遣していない)で、出張講座をするためだ。
私と西安で日本語教師をしていた隊員の二人が、話をした。私は派遣先である中日友好病院の話をした。西安で日本語教師をしていた彼女は、日本生活のマナーや人との距離感、日本の生活における注意点について話をした。
出張講座が無事に終わり、夜は先生方が青海の名物料理をおごって下さった。先生方は日本の留学経験もあり、日本語での会話は問題なし。その中で日本の生活についての話になった。

「細かい話だけど、例えば使用済みのナプキンを包まずに捨てるとか、そう言うので中国人は〜って言われちゃうのよね。だから日本語がどんなに上手でもだめなの。その国のマナーみたいなのも学ばないと、学生が留学して困るのよね。」

その時、なるほど、と思った。
そうか、中国ではきっと「汚物」ではないし、隠す必要はないんだな。だから中国のトイレでは使用済みのトイレットペーパーと同じ様に、経血の付いたナプキンが堂々と捨てられている。もちろん、丸まったりしていない、そのまま、だ。

中国では生理のことを大姨妈と呼ぶことが多い。姨妈はおばさんの意味。医学的には月经と言う。大姨妈が来ると、お湯を飲めだの、コーヒーやミルクティーは飲むんじゃないだの、色々と言われる。隠すことは一切ない。
彼氏だろうか、夫だろうか。ナプキンを何食わぬ顔で購入する男性を中国では何度か見たことがある。

中国ではスーパーでもコンビニでもドドーンと色々なナプキンが並べられている。めちゃくちゃ目立つところに。迷う必要はない。買っても、日本の様に黒い袋には入れられない。
先日私が日本でナプキンを買ったときは、簡単に見つけられず、見つけた棚は子ども用と大人用のオムツの間に挟まれていた。隣にはコンドームが並べられていた。購入した私のナプキンは、律儀に中身が見れない紙袋に入れられた。

※※※

別にどうでもいい他人に、私の月経周期を知ってほしいとは思わない。寧ろどうでもいい男性から生理の話などふられたら、即座にセクシャルハラスメント認定しかねない。生理前や生理中だからといって、全員が全員イライラする訳でもない。何でもかんでも生理にしていい理由は女性側にも男性側にもないと思っている。

でも、私は自分のパートナーには私の生理周期を知っていてもらいたいし、2日目の「子宮取りたい...腰痛い...無理...」という気持ちは伝えている。

それは私の生理は“汚物”ではなく“生理現象”で、強いて言うなら“とても厄介な生理現象”なので、出来れば気心の知れた人に辛さや大変さをわかってほしいと思うからだ。異性だから分からないのではなく、大切な人にはわかってほしいという願望だと思う。

その「わかってほしい」願望の敷居を低くしているのが日本と中国の生理の認識の違いなのではないだろうか。



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