人のやる気を引き出すムチ、人の成長を殺すアメ
こんにちは、Xhowieです。
本日は教育現場で使えるテクニックとして「アメとムチ」について持論を語ります。
有名なテクニックですが、タイトルの通り、実は諸刃の剣だと考えています。正しい加減で正しい使い方を使わなければ人の成長は止まります。
1.前提
大前提として、人の成長にはやる気が不可欠です。ここでいう成長は技術的な成長を表します。
eSportsにしろ、サッカーにしろ、プログラミングにしろ成長に必要不可欠なものに「やる気」があります。この「やる気」を引き出すためにアメとムチを上手く使い、成長に繋げなければなりません。
次のチャプターから上手い使い方、下手な使い方について解説します。
2.人のやる気を引き出すムチ
恥ずかしいことですが、私自身これには最近気付かされました。私は新卒でIT企業に務めているのですが、配属されて激詰めの日々を過ごしていました。決して上司が悪いというわけでなく、私の品質が悪く毎日激詰めの日々です。
しかし、最近は詰められることも減り、寧ろ褒められることが多くなりました。そして、自信を持って配属時より成長出来た、と言えるようになりました。成長できた1番の要因は「上司がアメとムチの使い方プロだった」からだと考えています。
そこで私は激詰めの日々を過ごす中で「人を成長させるムチの使い方」を学びました。
上手いムチ
・結果について詰めるのではなく、報連相の不十分やフィードバックが不十分な事に関して掘り下げるように尋ねる(本人に自覚させる)
・同じミスを繰り返さないように本人に考えさせ、不十分な場合は詰める(本人に答えを出させる)
下手なムチ
・結果に関して責める
・ミスに対して対処方法を押し付ける
・バカにするような言い方をする
このように、上手いムチは詰める人が主体ではなく、本人が主体となり考えさせる・気づかせる教育をすることです。対して下手なムチは詰める人が詰めて気持ちよくなって終わり、本人の思考を停止させ、考えを尊重しない。これだと成長は愚か、本人のやる気を削いで終わりですよね。人間関係悪化のタネになることも多いでしょう。
コーチや教育者はあくまで「本人に気づかせ、本人に考えさせる手助けをし、原因解明の手助けをする」という意味でお尻を叩いてあげてください。私も上司に激詰めを何度も食らいましたが、上司の機嫌が悪く、筋違いなことや死体撃ちのように詰められたことは1度もありません。
2.人成長を殺すアメ
これは、アメを与える事がダメだ、というわけではありません。私も最近アメ沢山貰ってます。
ここでも上手いアメの与え方と下手なアメの与え方をお伝えします。結論、「タイミング」に違いがあります。
上手いアメの与え方
・良い悪い関係なく結果を出した時
・本人のメンタルが死にそうな時
下手なアメの与え方
・嫌われることを恐れて毎日アメ
・本人が甘えてくるようにアメ
アメの良いところは直接的に本人が喜び、やる気の向上に繋がりやすいということです。逆に悪いところは、本人を甘やかして終わり、ということです。
(ムチの悪いところは、ある一定時間経たないとムチの有難みに気づきにくい、ということです。私もそうでした。なんで激詰めされるねん。。としょぼんとした時もあります)
アメの良いところが逆に悪いところにも繋がりやすい、ということですね。先述した通り、本人のやる気を上げやすく、精神的に辛すぎそうな時や良くも悪くも結果(大会で優勝した、Best4で負けちゃった)の後に与えることによってやる気を引き出し、アメは本人には成長・これからもっと成長したいという気持ちを引き出せます。
3.アメとムチのバランス
これに関しては人によりけりです。本人の現在のやる気や精神状態、性格や環境等も考慮して慎重に見定めなければいけません。でもそこが選手に出来なくてコーチができる部分だと考えていますので、場数を踏み、やる気を引き出す訓練もしてください。私も何十人とコーチしてきて最近分かってきました。焦らず数をこなしていけばいずれ分かります。大事なことはチーム単位でアメとムチの割合を決めるのでなく、個人単位で割合を決めることだと考えます。先述した通り、個人の性格や精神状態によって個人、もっと言えばそのタイミングでアメとムチの割合は大きくかわってきます。
(以下余談です、興味なければ「終わりに」まで飛ばしてください)
余談ですが、スラムダンクに出てくる陵南高校の田岡監督をご存知でしょうか。天才型の仙道を褒めて褒めてアメをしこたま与え、逆に努力型の福田に対し、厳しく接していたそうです。しかし、福田自身は監督に認めて欲しくて、褒めてもらえることによってさらにやる気を出すタイプでした。その事に気づいたのは県大会の決勝リーグでした。
このように、ベテラン監督でさえ適切なアメとムチの割合やタイミングを見極めるのが難しいって話です。色んな人と話し、教育し、教育され身につけてくだされば幸いです。(私もまだまだですが。。)
4.終わりに
私事ですが、一時期は激詰めが辛すぎて部署異動を考えていましたが、今になって上司のムチによる成長やアメを頂ける機会が増えました。他のeSportsコーチを見ていて、ゲーム理解度ではなく、教育の理解度が足りていないと思い、今回の記事を書かせて頂きました。
私の記事が正解ではありませんし、私自身成長途中ですが、選手より先にコーチが成長すべきだと思います。是非一緒に頑張りましょう。
Xhowie
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