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短編小説#A

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世界観が共通のもの
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2019年11月の記事一覧

真実はどこにあるでしょう?

 わたしの気になる彼は周囲からよくまるで猫みたいだと表現される。それは何か頼まれたときに決まって「気が向いたらやるよ」と返すことだったり、ゲームとかドラマとか流行りに飛びついては誰より詳しく、他は何も目に入らない様子で熱中するのに一番飽きるのも早いことだったりする。それと特にお金持ちではないらしいのに、どこか品があるというかさり気ない仕草がきれいなところも、とても目を惹いた。かといって近寄り難くも

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探偵のあるべき姿とは

 コホンと隣に立つ青年が咳をしたのが聞こえる。殺人事件の容疑者が集められたこの部屋には私の部下を含め七人もの者がいるが、そうと思えないほど静まり返っていた。滔々と語るのは有名大学の大学院生で協力者でもある、推理小説における探偵役の彼だけ。が、誰かが生唾を呑み込む音に続いた発言に私は度肝を抜かれることになるのだった。

「では、肝心の犯人ですけど……それは警部殿にお任せしましょうか!」
「……はあ!

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当たり前にそこにあるモノ

「……あ?」

 とそんな間抜けな声が俺の口をついて出る。秋なんて初めから存在しなかったかのように暑さはすぐに寒さへと置き換わって、必要に迫られない限り朝出かけるのは勘弁だと、そう思って昼前にアパートを飛び出した平日。電車に乗るのさえも億劫だが仕方ないと割り切って、上着のポケットに手を突っ込みながら歩道を歩く。ただ久し振りに浴びる陽が眩しくて手を翳したら、視界の端に当たり前だが青空が映り込んで、そ

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目には目を、歯には歯を

 その一言はいつものように、散々もったいぶった上で吐き出された。これはとっておきの秘密だ、他の奴には内緒という前振り後に。いつも通りアタシも何々と目を輝かせてソイツを見返した。

「実はオレ、お前のこと好きなんだよね」

 そう耳打ちされてアタシはへぇと頷いた。

「おいこら、へぇって何だよ、へぇって!」
「もう、その手の嘘には乗りませーん」

 アタシは言いながら嫌々と頭を振り、耳を塞いで聞こえ

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