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東京近郊の交通の便を数値化したい(ルミルミ指数による自由が丘=新小岩仮説の証明)

複雑に絡み合った交通網を持つ、大都市東京。東京の各駅の交通アクセスの良し悪しを数値化できないだろうか。

この記事では、自由が丘駅と新小岩駅のアクセスの良さは同等である、という仮説を出発点に議論を進めていく。

1.東京駅・新宿駅からの所要時間で数値化してみる

東京の二大ビッグターミナル駅と言えば、東京駅と新宿駅だ。両駅に朝8:30に到着するように、ヤフー乗換案内で検索をかけてみると……

1番目の経路はちょっと遠回りのような……
御茶ノ水で対面乗り換え

東京駅へは、新小岩15分>自由が丘35分で、新小岩の圧勝。新宿駅へは、自由が丘24分>新小岩29分で、新小岩がかなり健闘している。
東京駅+新宿駅を足してみても、新小岩44分>自由が丘59分だ。
お金より時間の価値が高くなっている首都圏の会社員にとって、通勤時間の少しの差は大きな損失だ。この結果だけ見ると、新小岩駅のほうが自由が丘駅より交通アクセスが良いように見える。一方で、自由が丘駅にある渋谷や港区などのエリアに行きやすいというメリットが考慮されていない。つまり、(東京駅+新宿駅)指数は、交通アクセスを正しく評価できていない

2.赤坂見附駅からの所要時間で数値化してみる

うまく都心と副都心の間の駅を選べば、その駅からの所要時間で交通アクセスを評価出来そうである。
ここで、赤坂見附駅(銀座線・丸ノ内線)を指標に採用してみる。銀座線と丸ノ内線はできたのが古いため東京の主要エリアを通っていて、深さが浅いため地下鉄だけでなくJRや私鉄との乗り換えも便利な路線である。そんな2路線が対面乗換できる赤坂見附駅は最も便利な地下鉄駅と言えるだろう。(ただし永田町駅への乗り換えは、階段の細かい上り下りがあったり、やたら長い動く歩道があったり少し大変ではあるが……)

ここで、自由が丘・新小岩の赤坂見附への所要時間は……

Tips: 半蔵門線を一度挟むことで、乗換がとても楽になる
2番目の経路の方が自然か

28分で等しい。自由が丘=新小岩であるから、赤坂見附指数は良い指標のように見える。
しかし様々な駅で試算してみると、赤坂見附指数は欠点があることに気づくだろう。沿線から赤坂見附駅に出やすい、混雑ぎゅうぎゅうの田園都市線を過大評価してしまうことと。そして、都心・副都心へのアクセスは良いが、山手線の内側へのアクセスは弱い赤羽方面や池袋方面を過小評価してしまうことだ。自由が丘・新小岩と同等の交通アクセスを持つ、桜新町駅(田都)と川口駅(京浜東北)の赤坂見附駅の所要時間は……

実際はもっとかかる(?)
乗換がいっぱい

もちろん田園都市線沿線は住環境が評価できるから良いではないか、という意見もあるかだろう。赤坂見附駅は、ブランド価値の高い東京の南西部へのアクセスが良いので、家探しをするときは赤坂見附駅からの所要時間を考えてみるのも良いかもしれない。
しかし、住環境を考慮せず、純粋に交通アクセスだけを評価するにはどうしたらいいだろうか。

3.ルミルミ指数の導入

(東京駅+新宿駅)指数がうまくいかなかった理由は二つある。
一つ目は、地下鉄の利便性を無視したことだ。特に都心において実際の移動は、ターミナル駅から地下鉄で移動することが多い。東京駅は地下鉄アクセスが良くないのだ。
二つ目は、東京駅・新宿駅や、東京駅・新宿駅を短絡する中央線快速は実際の都心より少し北に偏っていることだ。東京駅や新宿駅より南に位置する、新橋〜渋谷間や、新橋〜品川間にオフィス街は広がっている。品川駅を発着とするリニア中央新幹線の開通や、森ビルによる大胆な再開発によって、港区の発展は今後も続くと思われる。

平日夕方の東京の姿(Yahoo!マップより)
休日午後の東京の姿(Yahoo!マップより)

ここで、都心の代表地点として東京駅より少し南側、都心を代表する商業地・銀座の玄関口にあたるルミネ有楽町を採用する。JR有楽町駅・東京メトロ銀座駅が最寄り駅で、JRアクセス・地下鉄アクセスがともに良い。JRの速達列車(上野東京ラインや横須賀線)が停車しないため、遠方の駅が過大評価されることも無い。
対して、副都心の代表地点として、副都心を代表する商業地・新宿東口のルミネエスト新宿を採用する。JR新宿駅が最寄り駅で、私鉄からのアクセスが良い新宿三丁目駅からも歩ける距離である。京王線・小田急線新宿駅からは東口へ移動するため、新宿駅をターミナルとする私鉄の過大評価が緩和される。(都営新宿線ユーザーとしては、毎回長い長い京王モールの中を歩かされた積年の恨みも、徒歩の時間として数値化できそうだ。)
平日朝8:30に到着する電車の、ルミネ有楽町へとルミネエスト新宿への所要時間の合計を、ルミルミ指数と定義すると

ルミルミ指数は、自由が丘駅は34+24=58分、新小岩駅は23+34=57分、とほぼ同じになった。
ルミルミ指数が60分前後となる駅の、東京新宿指数、赤坂見附指数、ルミルミ指数を並べてみると
蒲田    63、29、25+33=58
自由が丘  59、28、34+24=58
成城学園前 49、24、33+22=55
吉祥寺   52、28、39+22=61
練馬    51、30、39+24=63
川口    48、36、32+27=59
北千住   50、30、26+33=59
新小岩   44、28、23+34=57
南砂町   55、28、24+39=63
と、ルミルミ指数が説得力のある評価であることが分かるのではないか。

4.まとめ

平日朝の、ルミネ有楽町とルミネエスト新宿という二つの駅ビルへの所要時間の合計=ルミルミ指数で交通の便が数値化でき、自由が丘駅と新小岩駅の交通の便が同等であることが分かった。新小岩駅におしゃれなパチンコ屋が開店するのも時間の問題かもしれない。

自由が丘駅前のおしゃれなパチンコ屋

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