大晦日に関東中の狐が集まる?
『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』
王子には古くから大晦日になると関東中の狐が装束を整えて集まり、稲荷神社を詣でる風習があるという。
その光景は歌川広重の浮世絵、『装束稲荷』にも鮮明に描かれている。
狐が詣でる稲荷神社というのが王子稲荷神社だ。
この古くからの風習に基づき、王子では大晦日になると狐の行列が開催されるとのことだ。
このイベントを知ったのはまだ大晦日もほど遠い季節であったため、早速早朝散歩に王子稲荷神社を参拝することにした。
そんな古くからの風習が続く稲荷神社ということなので、京都の伏見稲荷のような大きなお社を期待していたのだが、それほどでもなくむしろ普通サイズのお社である。
しかし小山に位置するこの神社は鳥居を潜ると明らかに神域に入ったと思わせるピリッとした緊張感のある空気に変わる。中には狐の風習に関連するかのような祠が点在し、まさにお稲荷様のちょっとしたテーマパークのような体である。
コロナ禍の中大晦日の狐の行列はいつ再開されるか解らないが、いつかは装束稲荷の姿を見物したいモノだ。