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祇園の脇道、粋な道。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

北関東で生まれ育った昭和の中高生の修学旅行といえば決まって奈良・京都が相場である。
今のように飛行機を使って九州やら北海道、果ては中国・韓国等海外などの選択肢は無いと言って良い時代だった。
なにせ『修学』である。日本の礎となった古都奈良・京都を学ばずして何をか学ばんや!ということである。

というワケで私の修学旅行というものも中学三年春と高校二年の秋の2度とも奈良・京都ということになる。しかもほぼ同じコース。
中一年で同じ所を廻るという経験もなかなか無いと思うが、今にして思うともっと街並みを調べて廻っておけば良かったとも思う。

社会人になり、京都にお客さんを持つようになると何気に京都に詣でる機会も増え、その都度ちょっと足を伸ばして徘徊する機会を作ったりもしたが、なにせ京都は千年の都、さすがに懐が深すぎる。

何度も京都に詣でたワリには祇園という有名どころに足を踏み入れたことがなく、年末挨拶周りで京都詣でをした際に初めて祇園のホテルに宿をとった。
この写真はその際に祇園を朝ン歩したときのモノである。

お酒を飲まない私には祇園の夜は縁が無いが、朝の祇園は誰でも受け入れてくれる。
中でもこの脇路地の小袖小路に魅了された。
人が二人行き来できるかくらいの細長い路地が伸びている。
歩いていると所々でなにやら視線のようなものを感じる。
上に視線を移すと町屋の屋根の上にガーゴイルのような置きモノが鎮座坐して在らせられるのだ。

これは京都の町屋では『鍾馗さん』と言われる守り神なのだそうだ。
こういう江戸東京にはない文化に触れられるのも、旅先のお散歩がやめられない理由の一つでもある。

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