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活きたイカって半透明であることを知る。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

そんなこんなで寝台特急「北斗星」に乗り、我が家としては初の北海道上陸となった2012年の夏。
そもそもこの年の夏になぜに旅行先を北海道にしたのか?というと東京が暑かったからである。
北へ向かえば都内よりは確実に涼しいだろうし、このジメジメした湿気ともおさらばできるであろうということだったのだが……

北海道に上陸するやいなや、近年まれに見る猛暑!?という天気予報。
「猛暑」と報道される通り東京の猛暑と何ら変わらない夏日ッぷりで、全然北海道に来た意味の無い天気が続き、落胆ぶりからの復活の兆しがなかなか見えてこなかったのだが、気分上々にはご当地の旨いモノが最適である。

長崎生まれ長崎育ちの妻は小さい頃から玄界灘の海産物を口にしていたからか、イカが好きというのだが、わたしにはいまいちその気持ちがよくわからなかったのである。
なんであのむにむにくちゃくちゃと歯切れの悪いイカが好きなのだろうか?と。
そのイカの魔力に取り憑かれたのが猛暑日が続く中逃げ込むように入り込んだ函館の「元祖活いか釣堀」であった。

観光地としても有名な場所ではあるが、釣堀というかほぼほぼ100%近く入れ食い状態で、仕掛けをいけすに浸けるだけでいかさんが自ら飛び込んで来てくれる(笑)
この釣り上げたばかりのいかを活イカ造りでそのばでいただけるのである。
まずこの時はじめてわたしはイカの刺身というモノはほぼ透明であることを知る。
少なくとも近所のスーパーや回転寿司ででてくるイカというモノはほぼほぼ白く白濁しているが、ついさっきまで活きていたイカというモノは透明であり、歯切れも良く、噛むと甘味が湧き出してくる。

こんなに美味しいネタであったのかと改めてイカの旨みを理解した北海道旅行なのであった。


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