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画一化された空間での集団生活。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』


散歩先で白くて四角い建物が並んだ団地を目にするとついつい吸い込まれていってしまう。
昭和の中盤にあちこちに建設された団地はどこもかしこも同じような造りではあるが、わたしの記憶を掘り起こすとそこには同級生や同じ小学校に通う子供が大勢暮らしており、団地の公園にいけばいつでも友だちと遊べるという、一戸建て暮らしの私とは異なる生活ぶりが楽しそうで憧れていたのである。

その後、バブルの頃には昭和の団地は古くさいダサいモノというレッテルを貼られ、建物も居住者も年々歳を重ねる一方、世間からは忘れ去られていくような位置付けであったと思うが、あのどこもおなじような間取りで画一化された空間で、同じようなスーパーで買い物をして、同じ最寄り駅から通勤・帰宅を繰り返すという生活はとても楽なのではないか?と思うようになってきたのだ。

個性がないといわれればそれまでだが、でももはや団地は昭和遺産であり、それが一つの個性にもなり得る。
団地もこの数十年の間に様々な入退が繰り返されており、そこで暮らす人の属性も昭和のニューファミリーのなれの果てばかりではない。
いつしか、団地は画一的なモノから味わいのある生活空間に変わっているように思うのだ。



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