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水窪川の上を歩く。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』


生まれてこの方、長い間『歩く』ということになんの興味も沸かなかった。
なにより効率を重視して、歩くことよりも自転車、車、電車を利用して早く目的地に到着することが優先すべきことであり、なぜトボトボと歩くのか?と。
なぜ人は『散歩』などという非効率なことを趣味とできるのか?と不思議でならなかった。

それが犬を飼うことがきっかけとなり、必然的に犬の散歩に付き合うことになったのだ。
散歩する以上、有意義に過ごしたいと靴元を履きやすく歩きやすいNEW BALANCEのスニーカーに履き替えると、これが明らかに足下が軽快になる。
せっかく犬を連れて散歩するのだから、犬の写真でも撮るかと常にカメラをブラ下げて歩くようになると、これまで観てるようで見えてなかった街の様々な景色を感じられるようになる。

いつしか、散歩するならどこを歩くかと考えるようになり、その中の一つに今は蓋をされてその存在を隠されてしまっている『暗渠』に興味を持つようになった。
そもそも散歩好きが高じると地形に興味を持つようになるらしいが、暗渠好きもその一環であろう。
たまたま散歩コースの谷端川緑道がそもそも谷端川で暗渠になって緑道になったと知ってからは路地の景観から暗渠を探すようになる。

いつもなんてこと無く歩いていた場所が実は水源だったと知ったのは、水窪川暗渠を巡ったときだった。
現在は蓋をされてアスファルトの道であるところが、半世紀前には水が流れていた。そんな光景を思い浮かべながら散歩するのが暗渠の楽しみである。



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