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週に一度の墓参り。

『ランダムに選んだ過去の写真からインスピレーションを受けた小咄、コラム、戯言などを書き留める写真で二言三言。』

これまで特に信心深い人生を送ってきたわけではない。
ご先祖様のお墓参りをするくらいのいわば普通の無神論者である。

それが歳を重ねると共にいつの間にか験担ぎをするようになっていた。
散歩コース上にある神社が主な参拝場所だったが、ある日犬の散歩ルートのすぐそばに雑司ヶ谷霊園があると知り、さらにその入口の近くに『断腸亭日乗』『濹東綺譚』等々で有名なかの永井荷風のお墓があると知ったときから、毎週末の少々ロングな散歩の際には墓参に伺うようになった。

特にコロナ禍に至ってからはほぼほぼ週一のペースで荷風散人のお墓参りを週課としている。
自分の実家のコレまでの生涯のお墓参りよりも、一ファンとして作家の墓参をしていることにご先祖様から叱られやしまいかと多少の危惧はあるモノの、一度習慣化してしまうとなかなか止められない性癖なのだ。

雑司ヶ谷霊園は都電荒川線の都電雑司ヶ谷電停が一番最寄りとしては近い駅となるが、すぐ近くに豊島区庁舎が聳え立つ再開発真っ最中な東池袋周辺に隣接しているにもかかわらず、この写真のような売店を始め、街全体が故き善き佇まいを残している貴重な街である。

普段池袋の喧騒の中で生活を営んでいる身としては、この穏やかな時を感じられる雑司ヶ谷に浸れることが週に一度の楽しみナノだ。

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