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ニコワンを楽しむ;Nikon 1 V1とマウントアダプター

おつかれさまです.近頃はコンパクトなニコンのミラーレスカメラNikon 1 V1を入手して楽しんでいるのでご紹介します.

入手の経緯

メインで使っているカメラがNikon D600で,カメラバッグを持っているときは良いのですが,日常のちょっとした外出の際に持ち歩くのは現実的じゃありません.そこで,オーバーホールしたニッコールレンズが使えるコンパクトなカメラが欲しくなり,マウントアダプターが使えるミラーレスカメラの導入を検討しました.

予算が限られている中で,なにが良いかと考え,当初はSONYのNEX-5シリーズを考えていました.しかし,オークションで検索すると,安いものはバッテリー・充電器のないものが多く,それらを別途新品で買うと高くつくことが気になりました.そこでさらに調べていくと,ディスコンになっているNikon 1シリーズ(愛称ニコワン)の中でNikon 1 V1のみD600に使用しているEL-EN15というバッテリーが使えることがわかり,これならバッテリー・充電器なしのジャンクでも良いことがわかりました.

早速この条件で検索すると,ちょうど画面が真っ黒になるというジャンク品が出品されていて,ボディのみ3千円くらいで落札できました.あとでわかったことなのですが,ニコワン用の初期の1 Nikkorレンズは,絞り機構に使われているギアが破損しやすく,絞りが全閉で動かなくなって,カメラのほうが故障したと勘違いするようです.入手した個体も,カメラ自体はなんら問題なく正常動作しました.

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まあコンデジ(Nikon P5100)と比べると一回り大きいですが,レンズ交換式の1眼カメラとしては,かなり小さいと思います.外装が金属でできていて,カメラを手に取ってみると,冷たくてずっしりとした重さが感じられます.

マウントアダプター

当初アマゾンから,Nikon Fマウントレンズ用のマウントアダプターを購入しました.マウントアダプターではメジャーなメーカーの製品だったので安心して注文したのですが,届いて装着してみるとカメラとの接続がユルユルのガタガタで,ロックもすぐ外れてしまうような不良品でしたので,すぐに返品してしまいました.その後,Pixco(パシュポと読むらしい)のマウントアダプターを入手しました.こちらは問題なく使えました.

ところが,これもカメラを入手してから分かったのですが,ニコワンでは,ニコン純正のマウントアダプター(Nikon FT1)以外では,自動露出ができない仕様なのです.マニュアルモードは使えるのですが,絞り優先オートモードにしても.シャッターは切れません.苦肉の策としては,動画モードかつマニュアル露出にしてシャッターを切ることもできるのですが,何だかなあというありさまです.ちょっとストレスになってしまいました.

タンポポチップ

しばらく悶々としていたのですが,ネットで検索するとどうも自動露出ができない問題を解決する,ニコワン用のいわゆるタンポポチップが存在することがわかりました.タンポポチップは,カメラにレンズの情報を伝達する電子回路と電気接点が内蔵されたパーツで,これを付けたレンズをカメラに装着すると,カメラはCPUレンズだと認識します.

Nikon Fマウント用のタンポポチップは以前から知っていましたが,ニコワン用があるのは知りませんでした.お値段がカメラの入手金額よりお高いですが,まあ趣味のネタですので思いきって注文しました.これで,絞り優先自動露出とフォーカスエイドが利用できるようになるはずです.

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オレンジ色の治具が付属してきたので,これを使って位置合わせをします.とりあえず,強力な両面テープで取り付けました.

注文して約20日間でロシアから届けられました.早速Fマウント用のマウントアダプターに取り付けてみたのですが,なかなか動作が安定しません.どうやら,取り付けの剛性が足りないようで,接点の接触が安定しないようです.

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FマウントNikkorのマニュアルフォーカスレンズで自動露出とフォーカスエイドが使えるようになりました.右上に見える丸がフォーカスエイドです.

さて,ここでニコンFマウント用のマウントアダプターにタンポポチップを取り付ければ一件落着かと思ったのですが,どうもFマウントレンズは口径が大きくて持ち歩くのがたいへんです.もう少し口径の小さいライカMマウントレンズや,M42マウントのオールドレンズも使いたくなりました.そこで,MマウントからNikon 1マウントへのマウントアダプターを導入して,これにタンポポチップを装着することにしました.こうすれば,Mマウントレンズはそのまま装着できますし,FマウントやM42マウントの場合は,それぞれMマウントへのマウントアダプターをさらに取り付ければよいことになります.これでタンポポチップは1つで,絞り優先自動露出がすべてのマウントで利用できるはずです.

1 Nikkor交換レンズ

マウントアダプターを使いこなすところからはじめたのですが,カメラを触っていると,やはりコンパクトな純正レンズが欲しくなりました.といっても,レンズ交換式システムなのにズームレンズは楽しくないので,単焦点レンズをそろえることにしました.絞り不良の10mm f/2.8と,カビ玉の18.5mm f/1.8をオーバーホールしてそろえてみました.特に18.5mm f/1.8は優秀で,とても良い写りをします.

広角側は1Nikkorレンズに任せ,望遠が必要なときには,マウントアダプター経由でフルフレームのNikkorレンズを装着すれば事足ります.50mmの標準レンズは135mmの中望遠になりますし,200mmの望遠レンズなら540mmの望遠レンズになります.

まとめ

ちょっと苦労してコンパクトなニコワンとオールドNikkorレンズが使える環境が整いました.いま振り返るとかなり出費してしまい,最初からSONYのNEX-5Rや評判の良いFUJIFILMのX-E1なんかを導入していたほうが良かったかもしれません.まあそれでも,D600とバッテリーが共用できるのは助かりますし,Vシリーズにしかないメカニカルシャッターは,電子音ではなく本当のメカの音がして.スマホや廉価版のコンデジとの違いが感じられます.なによりNikonの製品は,使っていくうちにじわじわと愛着がわいてきて,悪くなかったかなあといま思っています.


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