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長居公園の競馬場

のどかで楽しい馬の散歩


大阪の東住吉区に長居公園がある。今ではあまりリアリティがないのだが、かつてこの公園には長居競馬場があった。確か、併せて競輪場があったような記憶があって、どちらが先かは私の記憶にはないが、当時の子供たちの印象では、あまり健康的な公園ではなかったと思う。競馬場とはいっても小さなもので、競馬場の周辺には競馬場を囲んだ高い立木があったような気がする。

土曜日や日曜日となると、競馬場の周辺の立ち木には、近在の時間を持て余しているような人々が必死で競馬を鑑賞していた。私たち子供も一応ゲームを見ようとするのだが、実際はゲーム内容は少しも見えず、やがて競馬を見に行く子供たちも少なくなっていった。そのころ競馬場の周辺では、馬の世話をしている人たちが、しきりに馬の散歩をしていて、散歩も時には公園内だけではなく、一部市道にまではみ出して、歩道や公園内で私たちのすぐそばを歩いていた。確かにのどかで楽しい経験だったが、そのころ私の一家は急に大阪郊外の町に引っ越すことになって、私たちもその後の長居競馬場のその後は知らない。

牧場で味わった牛乳の幻想

東住吉の競馬場周辺から離れ、新聞やテレビのニュースで、長居公園にサッカーのスタジアムができるとか、スポーツ公園としての発展を耳にしていたが、何十年ぶりに長居公園を訪れてみると立派な運動公園になっていた。この公園にはいろいろ思い出があって、公園の周辺をぐるっと見回してみると、懐かしいものが目に入った。それは公園の中央部にあった小さな牧場で、牧場の叔母さんに牛乳を飲ませてもらった懐かしい思い出だった。そのまま、何十年も乳牛を育てていたとは思えなかったが、何かの間違いでそんなことあったのかもしれない。都市の風景はどんど、、変化していくが、何か置き忘れていたものがあれば、それはポット立ち現れてくる都市の変貌の一瞬でそれは懐かし思い出につながる。


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