見出し画像

旅行、もしくは旅の欲求を取り戻す(小さく、何度も)

旅行、もしくは旅がしたい。

「旅行」と「旅」という二つの言葉の使い分けについて。私はある目的地(観光地やお店、宿など)を巡ることを「旅行」、目的もなくフラフラと馴染みのない土地で時間を過ごすことを「旅」と称する。

働き始めて、旅行や旅をしたいという欲求が減った。その原因は私に体力が無いからだろう。平日に夜遅くまで働いて、土日に外に出る体力・気力はもう残っていない。度々発生する休日出勤の存在も、旅行の欲求を削ぐ。半年前から沖縄旅行を計画していたのに、直前に出張の予定が食い込んできて、わざわざ旅程を短縮したあの日から、旅行する気力が削がれている気がする。

仕事から離れてみると、どこかに行きたい欲求が沸々と湧いてきた。本当は、自分はどこかに行きたいのだ、と自分の欲求を見つめ直した。仕事によって抑圧されていた欲求を取り戻すかのような感覚。

休職期間に、どこか旅に出れば良かった。休職直後は体力・気力が無かったけど、体力が元に戻りつつある時に、せっかくだしどこか行けば良かったかもしれない。体調不良を理由に仕事から離れているのに、まるで遊びに行くかのようにどこか遠くに出かけることに負い目を感じていたのかもしれない。会社に自我を囚われ過ぎていていないか?自分で自分に反吐が出る。

復職してしまったら、旅行や旅に出かけることができなくなるのだろうか?それは嫌だ。今すべきことは、休日出勤がなく、気軽に有休が取れる会社に転職すること、それと、体力をつけることだ。どちらも一朝一夕で達成できるものではない。もう一つ、旅行や旅の欲求を絶やさないことが必要である。そのために本が役に立つと思う。旅行記や旅に関する本を読んで、欲求を小さく、何度も取り戻すのだ。

最近は『歩くこと、または飼いならされずに詩的な人生を生きる術』という本を読んでいる。著者はノルウェーの作家らしいが、全く知らない。最近、私は「散歩」に関心を寄せていて、ほぼ本の題名だけで購入してしまった。この本は私にとっては独特の文体で、エッセイなのか、詩なのか、小説なのかすら分からないのだが、旅への憧れをもたらすことは確かである。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?