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ギラヴァンツ北九州は変化系能力者


連戦も終わり1週間空くので両チームほぼベストメンバーで来ると予想されます。多分上記の画像のメンバーと大きく変わらない可能性が高いと思います。

ギラヴァンツ北九州を約10試合ほど見てだいだいチームの輪郭が分かってきて、ギラヴァンツ北九州が変化系に属することが分かったのでその理由を書いていこうと思います。

【変化系能力者とは】

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変化系能力者をみてみると、
性質を変える、気まぐれで嘘つき(ちょっと語弊がありますが)とあるように
何だか掴み所のない感じに見えます。
そうです。北九州のサッカーは掴み所がないんです。
相手の予想を外してくるというか、あまり強引なことはせずに
相手の逆を突いてくるイメージです。

そして北九州のおとまかな特徴はこんな感じかと。。

【北九州の特徴】

・試合開始からハイプレス
・CB、ボランチから1本で裏をついてくる
・ショートパスとサイドチェンジを織り交ぜた繋ぎ
・両サイドバックが高い位置を取る
・全員上手い。特に控えも含めた前線。
・全体的にミスしていけない所でのミスが無い
・スタメンにレフティーが4人、控えにも2、3人
・セットプレーの失点が少ない
・CBも含めてさほどあまり高さがない

北九州のCBは岡村が180cm、村松が171cmと
CBとしては決して高いとは言えません。
普通190cm近くあるCBならば自らの高さとパワーを前面に出した守備をしがちで、自分を相手よりも優位だと誤認しがちです。

そして自分のフィジカル能力を必要以上に過信しポカをやったりします。
対する村松はCBとして高さが無いことを十分に理解しており、
高さの無さ故に他の部分で高さのなさを補っているように見えます。

「正直、他の(CBの)選手が羨ましいと思う時もある。“高さ”っていう、俺にはない武器をすでに持ってるんだから」
https://joy-soccer.com/special-kota-muramatsu-20200109-1/


高い相手には常に体をあてて自由にさせなかったり、
素早いカバーリングや不用意なパスミスがない正確なフィードと高さのなさが逆にスキのないプレースタイルに繋がったとも言えると思います。本来のCBの弱点とも言えそうな高さの無さから独自に変化させたスタイルと言えます。

「生き残るためなら、自分次第でどんなキャラクターにでもなれると思うんです。」

適者生存というやつです。
それが1試合平均失点数1.0という数字に表れていると思います。

そして4~5歳の頃から空手をやっていたそうで、
それが当たり負けしないタフなボディバランスに繋がったのだと思います。

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こんな感じでとれつもない修行をつんだに違いありません。


【北九州が苦手】

・ワンツーでラインの裏を取られる
・442の相手には段差が生じない為、割と手こずる印象
・セットプレーからの得点少ない

【北九州のサイドチェンジはバンジーガム】


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北九州のビルドアップは両サイドバックが高い位置を取り、
ショートパスもですが、割と逆サイドへのサイドチェンジをワンステップで打開しグラウンドを広く使ってきます。相手を散らして密集密接密閉空間を作らせないというコロナ対策に非常に熱心に取り組んでいるJ2屈指のクラブと言っていいでしょう。

もう一度言います。

ワンステップです。

北九州が一番やっかいなのはこれだと思っています。
山形が前線からブレスをかけてもサイドチェンジで簡単に剥がされてしまう可能性があります。特にここ最近の山形は今、密集密接密閉空間を作り出し奪い取るというコロナ対策なんてなんぼのもんじゃい喧嘩上等パターンが結構多く、当然北九州もこれをスカウティングしているはずです。

サイドチェンジをさせないのを第一にするのであれば、
前線から激しくプレスをかけ、押し込み両サイドバックを上げないようにする位しか対応策はないでしょう。

中途半端になれば間違いなく北九州のショートパスとサイドチェンジを織り交ぜたパス回しの餌食になるでしょう。

そう、ヒソカの伸縮性抜群のバンジーガムのように。

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【北九州の要注意プレーヤー】

基本的に全員と言いたいところですが、
北九州の試合を見て一番最初に気になったのは左サイドバックの永田でした。攻撃時に高い位置をとり運動量も豊富でキックの質も高く、そしてレフティー。なんとなく北九州のサッカーは彼がキーマンかなと、そんな感じでした。

しかしこの過密日程だと当然ターンオーバーを行い、代わりに右サイドバックの福森が左サイドバックの位置に入って右サイト時と同様に自然にプレーすることに気がつきました。そして何試合か福森が左サイドでプレーしているのを見て俺はこう思いました。

「福森の効き足はどっち?」

高確率で右利きなんだろうなと思いましたが、
右利きのプレーヤーが左サイドバックに入ると、やはり効き足である右足でボールを扱う事が多いのが普通です(リヴァプールでいうとミルナー)。

ですが左サイドに入った福森を見ているとCB、ボランチからパスを受ける時にごく自然に左で扱っています。福森はその状況に応じて扱う足を替えれる非常にクレバーで変化に対応出来るプレーヤーなのかも知れません。

自分の利き足を悟らせない、状況に応じて変化させるまさに変化系能力者という感じです。

そしてこの疑問は前節の新潟戦でやはり問答無用の右利きという事が分かりました。



こんなのが山形戦で決められないように、
ゴール前での無用なファールには気をつけたいものです。
(熊〇とか松〇とか…)


【対する山形は強化系?】


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今年から石丸監督に変わった山形はパス回しに比重を置いているとは言え、やはりプレスとハードワークを長く信条としており、単純一途な強化系に属すると思っています。

ヒソカも

「変化系と強化系は性格が正反対で惹かれあう」

と言っているように変化系の北九州と強化系の山形のサッカーは何となく噛み合うと思われます。
対するモンテディオ山形もここ数試合、結果こそ出ていないもののビルドアップからシュートまでの流れは北九州、徳島らと遜色ない繋ぎを見せていると思います。(点を取れるとは言ってません)

特に山岸、ヴィニシウスが絡んだフリック祭りを止める事は難しく、ゴール前のコンビネーションにやや弱さのある北九州に効果を発揮する可能性は高いと言えそうです。(やはり点を取れるとは言ってません)

そして六性図からも分かるとおり、強化系と変化系は隣りに位置していることから、強化系も変化系の能力を修得し易い事を意味しています。

これが山形が最近開花したフリックという変化を加える技を習得出来た理由なのかと思います。

【山形の今のパスサッカーはメモリの無駄使い?】


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ヒソカは自身の系統に合わない能力を使っていた敵に対して
「メモリの無駄使い」と評して妙に納得させらせる名言を残しています。
(強化系のカストロが放出、操作、具現化系で自身の分身を作った)

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ここ数試合の山形はシュートまでの繋ぎは非常に目を見張るものがあります。ただ最後のフィニッシュに精度と大胆さを欠き得点を奪えず勝ち点を落としている状況です。この状況に一部のサポーターからは今のパスサッカーを止めて、去年までの堅守速攻スタイルに戻した方がいいのではないか?という声が聞こえてきます。

これは恐らくパスサッカーによって本来の山形の良さも消えてしまうのではないかと考えなのではないかと思います。ヒソカが言っている事と同様に「メモリの無駄使い」と感じているのではないかと思います。

しかし俺は今のパスサッカーを最低今年1年はやった方がいいと思います。
確かにサッカーは得点が全て、いくらパスを回そうが得点が取れなければ何の意味もないことは十分承知です。

ですが内容を見るとビルドアップは過去最高と言っていいレベルまで到達しており、約半年でこのレベルまで引き上げた石丸監督はもっと賞賛されていいと思います。(選手交代策は除く)

これまでの強化系というスタイルから、少しずつ軸足を移しつつある山形、勿論簡単に上手く行くなんてことはあり得ず今は試行錯誤の段階です。その中でも負けたとは言えあの徳島と互角に殴り合い、その他の試合でも複数得点するなどその片鱗を見ることが出来ました。

その中でフリック祭りが機能したのも、パススタイルに変更したことで全体的に押し上げる事が出来て前線でパスコースが増えたことが要因としてはありそうで、去年までの堅守速攻スタイルでは到底開花しなかった事だとも思います。

このパススタイルを継続していけば、もしかしたら今までになかったモンテディオ山形の新しいスタイルに到達するかもしれません。

そのためにはフロント、サポーターを含め「凝を怠らないように」試合を見てもいいかも知れません。

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そしていつかはこんなセリフを自然に言えるようになるかも知れません。

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【モンテディオ山形の勝ちのシナリオ】


■最初からフルスロットル

ここ数試合の山形の立ち上がりと同様に、いやそれ以上のギアを上げて行った方が良いでしょう。というのも北九州も最初から飛ばして来るのですが、前節の新潟戦の立ち上がりで北九州がゴール前でふられてゴールに押し込まれるという事が起こりました。これはオフサイドで取り消されたものの、やはり立ち上がりはどのチームにも隙というものが生じます。

変化系能力者はやや気分屋的な気質があるので、
付け込めるとしたら立ち上がりでしょうか。

■北九州の両サイドパックを上げさせない

そのままです。

福森と永田を上げさせず、北九州のバンジーガムサイドチェンジを封じる。


■石丸さんが交代策を誤らなければ…

これが勝負を左右するような気もします。
これまでの試合(というかここ数シーズン?)を見ていると下位チームには弱く、上位チームには割と強いという謎の強さを見せるモンテディオ山形。
これをざっくり分析すると引いてスペースを消してくる相手には交代策で更に自らのスタイルを崩してしまう。
前から来る、繋いでくる相手にはスペースが生まれるため、
崩そうとする交代策叉は戦術そのものが機能しやすいという感じでしょうか。

恐らく最低でもの3つを完璧に遂行しないかぎり、
今の山形が北九州に勝つ術はないような気がします。


【ギラヴァンツ北九州の圧勝のシナリオ】

■上記の山形の策が機能しない場合

山形の記録的大敗の可能性もあり得ます。
山形にとっての過去の徳島以上(1―5、1―6負け)に嫌な記憶となるでしょう。一足早い、ほんとにあった怖い話の夏の特別放送として非常に怖い体験談となるかもしれません。

こんな感じで踊り狂わされて無残に葬り去られるかもしれません。

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【試合予想】

恐らく点の取り合いとなるでしょう。
試合内容も噛み合う事が予想され、
シュートシーンの多い点の取り合いとなりそうな予感がします。

2ー2、3ー2(勝敗は不明)あたりがあり得そうかなと思っています。

そしてなんといっても山形サポーターにとっては
小林伸二監督にノスタルジーを感じる人もいるかも知れません。

ですが今、小林監督で北九州でやっているサッカーは2008~2011年で山形で見せていたサッカーとはかなり質の違うのものと感じています。

大卒や二十歳前後の若い足元のあるプレーヤーを集め、
前線からの激しいプレスと長短織り交ぜたパス回しは
最早J2屈指の変化系能力者集団と言っていいでしょう。

J1で得点が取れずに成す術なく降格した2011年が余程心に突き刺さったのか、それを忘れなかったから今の北九州のサッカーがあるのかななんて思ったりもしています。

そんな小林監督とパスサッカーへとスタイルを変えつつある山形、
互いに10年前とは異なる立場とスタイルで合間見えようとしています。

北九州が勝てば自動昇格に弾みがつき、
山形が勝てば昇格へ息を吹き返すきっかけとなるでしょう。

好ゲームを期待して。

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