見出し画像

静岡市初のオープンファクトリー「静岡工場博覧会2023ファクハク」に参加しました!

静岡市で開催中の「静岡工場博覧会2023」の初日に参加してきました!
とてもよい取り組みだと実感しましたし、個人的にも良い体験ができたと思っていまして、レポートを残しておこうと思います。


静岡工場博覧会2023『ファクハク』とは?

「オープンファクトリー」という、ものづくりをしている企業が生産現場を外部に公開したり、来場者にものづくりを体験してもらう取り組みが、現在全国各地で行われています。

オープンファクトリーを静岡市でもやるということで、今年初開催されました!詳細は公式サイトをご覧ください。現在まさに開催中で、2023年11月17日から11月19日までやっているので、気になる方はぜひ!

私は「最先端産業(医療・ロボット・プラント)コース」というツアーに申込をして、今日参加してきました! ①平垣製作所→②IAI→③東海テクノの3企業をまわらせていただきました。

①平垣製作所

平垣製作所さんは、「丸もの」と言われる、円柱状の金属を切削して作る精密部品を製造されていました。産業機械や家電などに使われている部品です。

円柱状のものを加工して右側に置いてある部品へ

元々は丸ものに特化されていて、「丸もの」を連呼するCMを作っていたほどだったのですが(愛着がわく雰囲気で個人的に好きでした)、現在では医療用器具の製造の事業も大きくなっていました。

「静岡で医療用器具なんて作っているんだ〜」と呑気なことを思っていたんですが、なんと静岡県は医療機器の生産金額が日本一、全国シェアの15%を占めます!初めて知りました…。

さらに平垣製作所さんでは、医療器具の製造・開発を行う協同組合まで立ち上げられており、組合に加入している企業達がそれぞれの得意分野を活かせし、得意な工程を担当することで、組合を通じて製造を行う仕組みができていました。すごいです。

プラスチックの3Dモデルで試作品作成→材料を切り抜く→精密機械加工で組み立てパーツを作る→パーツを組み立てて完成!

ちなみに、平垣製作所さんの場所は、興津川のやや上流の方にありまして、周辺は山に囲まれている場所に工場がありました。大自然!

若手社員の方が一定数いたり、女性社員の比率も高かったり、働く環境も良く、「良い会社だなあ」と小学生の感想文に出てきそう単純な感想を持ちました。社長の人柄含めて、本当に良い会社でした。

目の前にキャンプ場があり、今日もテントが張ってありました

(余談)お昼休憩

今回はツアーということでお昼も準備していただきました。
清水駅近くにある、河岸の市へ行きました!

実は以前家族で河岸の市へ行こうとトライしたことがあったのですが、土日ということもあり、各店あまりの大行列で諦めたことがあったので、リベンジできてよかったです(自分だけリベンジできたことは家族には言えていません…)。

②IAI(アイエイアイ)

新幹線で静岡から東京方面へ向かうとき、静岡駅を出て少しすると左手に赤字のロゴで「IAI」という大きな看板とビルが目に入ります。大手製造業であることは何となく知っていましたが、今日はついによく目にしていたIAIさんの建物に入ることができました。

自分が詳しく知らなかっただけでご存じの方が多いとは思いますが、IAIさんは小型産業用ロボットの単軸・直交ロボットと言われる分野では、販売台数のシェアが約60%で国内トップの会社です。単軸とは1つの軸(直線上)で動くロボット、直交は2軸が直交するロボットです。

画像だけだとわかりにくいのですが、手前のレーンに流れてくる部品を右手のロボットが掴んで、奥のレーンへ持っていくようなロボットなど、シリンダーという2点間移動に特化したパーツを組み合わせたロボットを製造されています。

ロボットの動きがめちゃくちゃ早かった

ショールームで実際に機械が動いているところを見せていただいたのですが、非常に面白かったです。こういう部品を作っている、という話しを聞くだけだと、どうしても最終的にどのように使われいるのかイメージが湧きづらかったりするのですが、実際に見ると理解も進みますし、何よりも動いている機械オモシロイ!

例えばAmazonの倉庫で使われているような、自動で荷物が運ばれていく機械もIAIさんが作っていると(↓)。めちゃくちゃすごい。

黄色の箱を積み上げたり、1つずつばらしたり、運んだり・・・
こうやって倉庫内の自動化が進んでいるのですね

また、IAIさんで面白かったのは「mini Robo」という、小学生や中学生にものづくりへ興味を持ってもらうために作られた小さなロボットです。自分で組み立てて、ラジコンのような感覚で簡単に操作できて遊べます。
実際に触らせてもらい、mini Roboによるサッカーゲームをやりましたが、完全に童心に戻り楽しんでしまいました…

もちろんサッカーゲームには勝ちました

③東海テクノ

最後に訪問した東海テクノさんは、主にプラント設備や工場で使う機械を製造する会社です。1946年の創業当時は船舶用のエンジン修理などを行っていたようで、長い会社の歴史の中で事業も日々移り変わっていました。

会社のキャッチコピーに「派手な会社ではありませんが、意外と、役立っています。これからも、誰かの役に立ちたい。」というものがありました。行く前にこれを聞いた時点ではピンと来ていませんでしたが、工場見学終了後には、そのとおりだ!と思えるようになりました。

「プラントとは??」という知識レベルでしたが、やはり実際に工場を見させていただくとよく理解できてきました。

工場で油や薬品などを入れておく大きなタンクやそれに付随する設備の製造を主に行っていました。ここまで大きなタンクの製造をできる会社は静岡では限られているようです。

タンクの作り方は、すごく簡単に言うと、大きな金属の板を丸めて接合して繋げ、上と下に蓋をして完成です。実際には、所謂職人と言われる方が行う溶接作業もあり、完成までに1〜2ヶ月かかることもあります。

こちらは小さな部品の加工を行っている場所です

東海テクノさんの場合、溶接など人の手が必要な作業工程が多く、職人さん達に支えられていることをすごく実感できた工場見学でした。

行ってよかったファクハク

本当に「行ってよかった」の一言に尽きます。
とても貴重な経験をさせてもらいました。

私が普段行っているシステムコンサルティングの仕事は、業務改善して生産性を上げるためにITシステムを活用するというもので、改善するためにはお客様の業務を深く理解する必要があります。

製造業のお客様と仕事をする機会も多く、製造業の場合、できるだけ工場を見させてもらうようにしています。というのも、実際に現場を見ないと、業務の話しを聞いてもピンとこないからです。

例えば「DXの波に乗り、工場現場で使っている大量の紙をなくしてペーパーレス化だ!」と言って検討することはできますが、実際に工場現場を見ると、紙でなければならない理由がいくつも見えてきます。この環境でタブレット使うのはさすがに無理・・・というシーンを何度も目にします。

そうは言ってもデジタル化による恩恵もあるので、一概には言えませんが、少なくとも「机上の空論」を言うことはダメだと思っているので、そうならないためには現場を見ることが重要です。

そのため、今回は大変有り難い機会でした。

あとは、ものづくりの現場は面白い!ということも実感しました。ものができていく過程を見ていると「なるほど、こうやって作っているのか〜」と、知らないことを勉強して知っていく感覚を久しぶりに実感しました。

実際に工場の中を見れて、かつ社員の方から直接話しを聞ける機会というのは本当に少ないので、こういったオープンファクトリーの取り組みはもっと広まって欲しいと感じました。

参加企業の皆様、運営・ボランティアスタッフの皆様、貴重な機会をありがとうございました!!

この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?