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熊本県阿蘇市|内牧温泉の旅館が取り組んでシステム導入事例、残業時間を13%削減

少し時間が空いてしまいましたが、また再開します!

「地方×IT」のニュースを取り上げて、少しでもIT活用事例を広めていこうということで記載しています。


今回は熊本県阿蘇市にある内牧温泉の事例をご紹介します。

阿蘇市は、良質で豊富な湯量を誇る温泉地として知られています。温泉街の一つ、内牧温泉の旅館で取り組まれた事例です。

転記と伝達ミスをなくすシステム

旅館業で大変な業務の一つが、様々なルートから入ってくる予約情報を元に、各持ち場の担当者へ情報を伝達することです。

予約が入ってくるルートとしては、じゃらん・楽天トラベル・Yahooトラベルといったネット予約サイト、JTB・HIS等の旅行代理店、旅館のホームページや電話による直接の予約、などなど。

いろいろなところから入ってくる情報をもとに、まずは部屋割を決めます。その後、フロアスタッフへ情報を共有したり、食事の情報を調理場へ伝達したり、と業務間でのデータのやり取りが多く発生します。

今まではこれらの業務を手書きのメモを渡していたため、転記作業に手間がかかってしまうことと、記載ミスや受け渡しミスによって誤った情報が伝わってしまう、という課題がありました。

そこで、旅館業で必要となる情報を一元管理して、業務間のデータ連携をシステムで行うことで業務効率化と正確性向上を図りました。

※実際に導入されたシステム「支配人くんNEXT」はこちらです。株式会社クリップサイトさんが提供されているシステムです。


IT導入補助金を使ったシステム導入

今回のシステム導入に際して、IT導入補助金を活用されていました。意外と知らない方も多いのですが、中小企業・小規模事業者の方は絶対に知っておいたほうが良い制度です。

簡単にご説明すると、システム導入にかかる費用の半分以上を国が負担してくれる、システム導入による生産性向上を目的とした制度です。

弊社のホームページでも今年度のIT導入補助金について解説した記事がありますので、ご参考までにどうぞ。IT導入補助金で補助される金額は毎年若干変わりますので、ご注意ください。


各業務のデータが連携し効率化することで残業時間が13%削減

「支配人くんNEXT」のシステム導入によって、業務間のデータ連携が自動化されました。

例えば、予約内容に基づきシステムが自動で部屋を割り振り、フロントでは来館予定顧客の情報をすぐに確認できるようになりました。
また、調理場でもデータを確認することができ、宿泊客別のメニューと予定時間、アレルギーなどの注意事項もリアルタイムで確認できます。

こういった効率化によって、前年同時期と比べると残業時間が13%削減でき、生産性が上がったようです。


今回のポイント

(1)業務間のデータ連携を一元化するシステムを入れたこと

かなりの企業で直面している課題が、個別最適でシステムを導入した結果システム間のデータ連携を手動で行っている、業務間の情報共有が上手くできず結局手動でExcelで共有している、といったものです。

昨今では、全く何のシステムも導入していない会社はほとんどいないと思いますが、上述のようにシステムを有効活用できていない、という例は非常に多いです。個別業務で見ると活用できているけれど、会社全体で見ると効率よく活用することができていないという課題です。

しかし今回の事例では、一つのシステムで情報を一元管理し、フロントスタッフ、調理場のスタッフ、会計担当スタッフ、など、異なる業務を行う担当者が全員同じシステムを確認することでリアルタイムに情報共有できる仕組みを作ったことが成功の一因と考えられます。


(2)館主自らが使って見せて現場で慣れさせていったこと

新しいシステムを導入すると、「使いづらい」「今まで使っていた慣れたシステムの方が良かった」という声が必ず起きます。

そこで粘り強く使い方を指導していく必要があるのですが、それをトップの館主自ら行ったという点も成功のポイントです。

館主が自ら使って見せたら、使ってみようと思うためです。

それに、無理やり使い勝手の悪いシステムを薦めているわけではなく、生産性を上げられるシステムを薦めているので、新しいシステムに慣れてもらうための努力を続けた点がよかったのではないかと思います。


参考・・・旅館・ホテル経営をITで改革した「陣屋」

同じ旅館業でのIT活用事例としては以前ご紹介したので、リンクを貼っておきます。こちらもご参考までにどうぞ。


元にさせて頂いた媒体

IT経営マガジン「COMPASS」さんから一部抜粋させて頂きました。
いつも読ませていただいています。ありがとうございます!

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