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奈良県葛城市|テレワークを活用した施設で年間1,250万円の母親の雇用を創出

奈良県葛城市は、奈良県中西部に位置し、大阪府と境を接する市で、人口は約3.7万人います。

奈良県葛城市では他の都道府県と比べて、結婚や出産を機に離職する割合が高いのですが、その一方で就労を希望する女性も多く存在していました。

テレワークを活用した母親の雇用創出に関する事例をご紹介します。


母親が負担なく働ける環境を

出産後に働くことができない理由についてアンケートを取ったところ、子育てに伴う財政的負担、身体的負担、精神的負担が多く挙げられました。

そこで、育児を行う母親が負担なく働ける環境として「ママスクエア 葛城店」がオープンしました。

ママスクエア葛城店では、子供達が遊べる「キッズスペース」、母親が仕事をできる「ワーキングスペース」、休憩のできる「カフェスペース」の3つの部屋が隣接した状態で同じフロアにあります。

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※出典:ママスクエアHP


キッズスペースとワーキングスペースについて

オフィスのワーキングスペースには、パソコンなどの通信機器20台分を整備するとともに、情報セキュリティ対策のための入退室管理システム、勤怠管理システムを構築するなど、一般的なサテライトオフィスと同じ施設内容です。

キッズスペースは、保育士の資格を持つスタッフを配置して、子供を預けられるようにしました。

また、キッズスペースとワーキングスペースの間をガラスで仕切り、母親が業務の合間に子どもの様子を確認できるレイアウトになっています。母親が子どものそばで安心して働けるような配慮がなされています。

なお、ワーキングスペースでは、株式会社ママスクエアが都心の企業から受注した主にBPO業務に従事し、テレワークを行う仕組みになっています。

※BPOとは、Buisiness Process Outsoucingの略で、企業が自社の業務プロセスの一部を外部の専門企業に委託することです。戦略的に実施することで、コスト削減と品質向上のメリットを得られます。

昨今の人材不足により都心では高単価となっている仕事を、比較的単価の安い地方で働く母親に提供することで、発注する企業はコストを抑制できるメリットがあり、ママスクエア社としては母親の雇用を創出できるというメリットがあります。

都心部よりも低単価で提供できる理由の一つは、地方に施設を作ることで、オフィスの賃借料を抑制できることが挙げられます。


年間1,250万円の所得を創出

ママスクエア葛城店ができたことで非常に大きな成果を生み出しました。

◯ これまでは育児に専念していた母親約30名を新たに雇用

◯ 平均で1勤務日当たり3.69時間(10.11日/月、37.31時間/月)勤務、テレワークを通じて子育てと両立可能な柔軟な働き方が実現

◯ 店舗全体で約100万円/月の給料を支払い
→年換算約1,250万円の所得を新たに創出


ポイント

子供を預ける施設と母親が仕事をする施設を一緒にしたというのは目から鱗でした。実はちょうど先日、静岡にあるコワーキングスペースへ訪問したのですが、そこもママスクエアと同様のコンセプトで、1階が保育園、2階がコワーキングスペース(母親仕事場)になっていました。

いちぼし堂という場所ですので、気になった方はぜひご覧ください!

今回はママスクエア社が請け負ったBPO業務に従事する仕組みにした、というの点がポイントだと思います。BPO業務を母親たちに任せることによるポイントは2点あります。

1つ目はリモートワークで対応できることです。
BPO業務は、例えばオペレーターの仕事や事務作業などのノンコア業務(業務自体で利益は生まれないものの、企業のコア業務遂行をサポートするために必要な業務全般)が多いので、場所の制約を受けません。そのため、どこでも働ける業務内容であるという点は大きなポイントです。

2つ目は企業側が発注しやすいことです。テレワークを活用して母親の雇用を創出しよう、というアイデアはすぐに浮かぶと思いますが、実際にやる仕事はどうやって取ってくればよいのか・・・というところで止まってしまうケースも多いかもしれません。企業側としては、必ず発生するノンコア業務はできるだけコストを抑えて対応したいという思いがあります。そのニーズを拾って、テレワークで対応する仕組みにしたというのは上手い仕組みだと思います。

ママスクエア社が行う取り組みがさらに広まっていくことを願っています。

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