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群馬県川場村|地理情報システム(GIS)を活用し、年間1,920時間の業務を削減

群馬県川場村は、群馬県北部に位置し、人口約3,500人の村です。道の駅「川場田園プラザ」(本記事のトップ画像)が有名で、自然・体験・グルメ・宿泊・温泉と一日中遊べます。都心から2時間以内で行くことができるというアクセスの良さもあります。

■本記事のまとめ
・地理情報システム(GIS)の「White Map」というシステムを導入。
・国勢調査や国土交通省等のオープンデータ、川場村が持っている行政データに基づき、地図上に情報をプロットして集計結果を表示できる仕組み。
・手作業を70%削減、年間1,920時間の業務を削減。

災害や鳥獣被害により業務が年々増加

川場村では、森林面積は村土の83%を占めているため、大雨・台風による土砂災害等の自然災害や、野生鳥獣による農作物への被害が拡大しています。

しかし川場村の人口はそれほど多くないため、限られた人員で様々な課題へ対処しなければいけません。災害や鳥獣被害への対策は、現地(森林の中)へ行って対応する必要があるので非常に時間がかかってしまうので、業務効率の向上が必要でした。

鳥獣被害対策については以前長野県塩尻市の事例も取り上げました。

地理情報サービスを活用した業務効率化と働き方改革の実現

阪神淡路大震災をきっかけに、地理情報システム(GIS:Geographic Information System)への取り組みが各地で広がっています。

地理情報システム(GIS:Geographic Information System)とは、地理的位置を手がかりに、位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術です。

川場村でも地理情報システム(GIS)の「White Map」というシステムを導入し、業務効率の向上を実現しました。

いままでは、数年に一度外注して航空地図を作成し、撮影した写真やデータを手作業で集計して資料を作成していました。ところが、White Mapを使うことで、国勢調査や国土交通省等のオープンデータ、川場村が持っている行政データ(災害時の被害箇所・消火栓位置等)に基づき、地図上に情報をプロットして集計結果を表示できるようになりました。

行政側からデータを入力できるだけでなく、地域住民が写真等の情報を登録できるようになっているので、データの登録や資料作成業務が効率化できました。

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手作業を70%削減、年間1,920時間の業務を削減

システムを使って簡易にデータや画像の登録が可能になったため、資料の枚数・作成時間ともに約70%が削減されました。

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また、一つの資料作成に約3時間かかっていたものが約1時間で終了できるようになりました。一人あたり4件/月の資料作成をした場合、8時間/月を削減できます。20人が使用すると160時間/月、1,920時間/年の削減となります。

こうして業務を効率化することで、新たな行政課題へ対応できますし、残業時間が減ることにより働き方改革にも繋がります。

ポイント

低コストでGISを導入し、費用対効果を数値で算出したことがポイントです。

今回導入した「White Map」は年間のシステム利用料が132万円でした。これは非常勤職員1名の年間人件費の約70%とのことです。つまり、非常勤職員を1名雇うよりも低い費用で継続的にシステムを利用することができる、ということです。

導入効果として、「一人あたり4件/月の資料作成をした場合、8時間/月を削減できます。20人が使用すると160時間/月、1,920時間/年の削減」という数値が算出されています。月間160時間ということは、20営業日×8時間=160時間なので、だいたい1名分業務を効率化できるということです。

まとめると、年間人件費の70%の費用で1名分の業務を効率化できるシステム、ということになりますので、費用対効果は十分あります。
(単純作業や手作業に時間を使わなくて良くなるので、職員が働くモチベーション低下を防ぐという数字に表れない効果もあります)

システムを導入するとき、漠然と効率化できるから、と言って進めたものの、実はそれほど効果が出なかった、ということはあります。そうならないためにも、しっかりと効果を数値化することは重要ですね。

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