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徳島県神山町|地方創生の聖地、sansanなどのIT企業が集まるIT秘境

コロナウィルス拡大によりリモートワークが強制的に広まっています。リモートワークが広まると、働く場所の選択肢が増えるので、個人的にリモートワークは選択肢を増やす良い手段だと思っています。

コロナ前から、地方にサテライトオフィスを置くIT企業がちらほらと出てきていました。その中でも「地方創生の聖地」「IT秘境」とまで呼ばれている徳島県神山町の事例をご紹介します!

人口約5,400人の町にIT企業が集まる

徳島県神山町は、人口約5,400人の一見日本のどこにでもありそうな山間部の町です。しかしここは近年で移住者が増え、起業家やIT系ベンチャーが古民家を利用したサテライトオフィスを相次いで開設することで注目を集めています。

名刺ソフトのSansanをはじめ、約16社がサテライトオフィスを設置しています。

※サテライトオフィスを設置している企業

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Sansanの会社HPでも、Sansan神山ラボが掲載されています。

IT企業が集まるきっかけ

最初のきっかけは、町内全域に光ファイバーが敷設されたことです。まずはネットワーク環境が整備されたことが大きな転換となりました。

その後、Sansan社プラットイーズ社(渋谷本社、番組配信などの映像コンテンツの会社)が神山町にサテライトオフィスを設置したことがきっかけとなり、続々とIT企業が訪れるようになりました。

プラットイーズ社では、サテライトオフィスやテレワークに興味のある企業向けに、新しい働き方を体験できる滞在拠点になる宿もつくっています。それが2015年7月にオープンした「WEEK神山」で、この滞在拠点となる宿を作ったことも注目される大きなきっかけとなりました。

周りを巻き込んで、いかに"任せられるか"

最後にシステムコンサルをやっている立場から少し解説します。
と、その前に神山町の関係者の方のインタビューをご紹介します。

「地方創生は、県が主体で進めるのではなく、民間が主導することが成功のポイントになると思います。自治体は民間に寄り添って最小限の支援をしていくほうが本当は良いのです。100%お膳立てした状態では、企業も自分事として考えられなくなりますし、自由にやれません。やはり産学民官が協力し、知恵を絞り合い、織物を紡ぐように作りあげねばなりません。鋼1本で地域を盛り立てることは難しいのです」

この内容が全てで、僕が言いたいことがなくなってしまうのですが…苦笑

ポイントは「自治体と民間が手を取り合ったこと」だと思います。

こういった地方創生のプロジェクトでは、どうしても自治体の思惑や想いが強くなってしまい、県外から来る人を拒みがちな傾向にあります。ただ、「昔からこの地にいる自分たちが一番良くわかっているのに、県外から来た人たちにとやかく言われたくない」というのは当たり前の感情です。

しかし、当事者だからこそ、近くにいるからこそ、見えにくくなっていることや言い出しにくいことがあるのも事実です。

それに、単純に考えて民間企業が持っている技術力や豊富な成功事例といった資産は活用すべきです。

第三者の民間企業の手を借りることができた、ということが大きな成功の要因ではないかと思います。自分たちだけに固執せず民間企業へ任せることができた、という点は真似しておくべきポイントだと感じます。


(おまけ)
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