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【1972年レコード】25)五輪 真弓 : 少女


■データ

・リリース : 1972/10/21
・レーベル : UMI/CBS-ソニー
・プロデュース : ジョン・フィッシュバック
・チャート : 6位(オリコン)
・スタジオ : クリスタル・サウンド・スタジオ
・所有ver : SOLL-13-UM

■トラック・リスト

[SIDE-1]
1. なわとび
2. 朝もやの公園で
3. 少女
4. 雨
5. 汚れ糸

[SIDE-2]
6. あなたを追いかけて(Part1)
7. 枯葉の舞う時
8. はと
9. 空を見上げる夜は
10. あなたを追いかけて(Part2)

■メンバー

・五輪 真弓(ボーカル/ギター)
・キャロル・キング(ピアノ)(3,8)
・チャールズ・ラーキー(ベース)
・ローレン・ニューカーク(ピアノ)
・クリス・ダーロウ(ギター)
・バグス・ペンバートン(ドラム)
・クラーク・アーミン(ギター)
・ダナ・リース(チェロ)
・ケヴィン・ケリー(オルガン)

■LINK

Discogs
Wikipedia

ギター凄い!

■メモ

  • 「和製キャロル・キング」こと五輪真弓のデビュー・アルバム。

  • 「たくろうと並ぶ日本フォーク界の最重要人物!」というキャッチ・フレーズからしてCBS/SONYの期待の高さが伺える。

  • 1971年から邦楽に進出したCBS/SONYが吉田拓郎に個人レーベル:odysseyを作ったように、五輪真弓にはUMIという個人レーベルが用意された。

  • 本作はクリスタル・サウンド・スタジオで録音されており、五輪真弓の楽曲を気に入ったキャロル・キングが参加している。

  • キャロル・キングは2曲のみ参加だが、「CITY」の頃から行動を共にしている2番目の夫である、チャールズ・ラーキーが全面的に参加、ベースを担当している。

  • 60年代後半にそれまで裏方として活動していたキング(子供を育てながら亭主がドラッグに溺れていたのでそれどころでは無かった)がチャールズ・ラーキーと出会い、安定した環境でシンガーソングライターとしての実力を遺憾無く発揮したこの時期に、五輪真弓がキングと創作が出来たのは幸運だったと思う。

  • アイズレー・ブラザーズやアレサ・フランクリンもキャロル・キングの曲を歌うなど、このこの頃のキャロル・キングはデヴィッド・ボウイと同じくらい影響力があった。

  • キングが居を構えていたハリウッド近辺のローレル・キャニオンにはミュージシャンや芸術家が集まり、本作の収録スタジオ、クリスタル・サウンド・スタジオでも幾つかの名盤が生まれている。ここまで紹介したアルバムでは、スティービー・ワンダーの「Talking Book」、ジャクソン・ブラウンの「ファースト」が挙げられる。本作もこうした才能の磁場に引き寄せられて完成したアルバムだと思う。

  • 海外で現地のプロデューサーを付け、レコーディングというスタイルで成功を収める先鞭を付けた作品であり、以後多くのミュージシャンが海外レコーディングを行うようになった。のちにインタビューで「レコーディングの最中にミュージシャンのみなさんが「あなたはどう思うの?」と、私の意見をとても尊重してくれたことがとても印象に残っています。」と述懐している。

  • 当時の日本は作詞、作曲家、プロデューサーが圧倒的な決定権を持っていた(いわゆる先生がた)スタイルから、歌い手自身が自分で考えて作品を作り上げていくというスタイルは、吉田拓郎、五輪真弓あたりから出来るようになったのかも知れない。個人レーベルという形と五輪真弓が挑戦した海外レコーディングが大きく寄与したように思う。

  • とかく「恋人よ」が有名な五輪真弓だが、本作「少女」の聴き応えは素晴らしい。ここまで紹介して来たどのアルバムにもひけを取らない傑作である事は間違いない。

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