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私の日課

人生の中には方向づけされた時間とそうでない時間がある。例えば睡眠のあいだは方向づけされていない。何もしていない。なぜならば、意識や注意が無い時間だからである。一方、例えば過去私が実際にそうしていたように、あなたが工場で単調な作業を何時間も毎日やっていたとしたら、あなたには意識や注意、頭のなかで目の前の作業を考えるだけのことを超えた余裕があるにもかかわらず、その余裕を生かすために手足や目を与えられた作業とは別のことに使うわけにはいかないはずである。そういうヒマな時間の頭脳に何がしかの方向性を与えられれば、人生を豊かにしたり、他の時間を犠牲にせずに成長できたりするのではないだろうか?

例えば、これは或る天才数学者の学生時代のエピソードだが、彼は数学の問題を完全に暗記し、なおかつそれを頭の中だけで解くことができたそうだ。そして、友人に誘われて遊びに行くときも「問題を解きながらでよければ……」といってつきあい、友人と観光やゲームなどをしつつ、ときどき頭の中で問題が解けたときは「……あっ」などと小さく叫んでいたそうである。友人との時間はもちろん大切な時間であるが、そのときに彼のように膨大な知的リソースの余白があれば同時並行で数学の課題を解決することができるということだろう。おそらくそれ以外の時間はさらに問題に没頭していたはずで、彼が数学書を読むのが圧倒的に速かったのも、そもそも数学書に書いてある内容を考える時間の絶対量が多かったからであろう。

私の人生も多くの無駄な時間によって埋め尽くされてきたし、これからもそうだろう。何もすることが本当になくて単にぼーっとする時間にはまた別の意味もあるのだが、暇つぶしにスマホアプリやSNSをいじっている時間などは非常にジャンキーである。そんな「暇つぶし」をするぐらいなら、あらかじめ定めておいた小さな習慣 habits を何も考えずに実行する方がずっとよい。ここで「小さな」というのは重たい作業だったら何も考えずにできず、暇つぶしにもならず、したがってそもそも実行しようと思わず、継続できないからである。

実際に私がここ1年弱継続している習慣は、各種サプリの摂取(ビタミンC、ビタミンD、老化細胞除去のためのケルセチンなど)、医薬品の服用(処方箋、目薬、オキシトシンなど)、数分程度の散歩、瞑想、腕立て伏せ3回、英語発音矯正アプリ、英語例文音読、中学生用の数学計算ドリルなどである。これらの中では重たい習慣ではあるが、このようなnote記事を毎日書くのももちろん習慣に入れているから毎日実行している。そして習慣を実行した日はカレンダか専用の習慣化アプリに実施したことを記録している。

これらの習慣を1日やったからといって何が起こるわけでもないし、気分が乗らない日は本当にお座なりである(実際、腕立て伏せをテキトーに3回やったからって何になるのか?と思うだろう。私もそう思う。ただ、何もしないよりはいい)。ただ、お座なりな気分の日でも実行できてしまうような身体と脳に自分をアップデートすることが或る意味では目標なので、まず継続できるミニマムな習慣、いわゆるベイビーステップを設定してそれを超えればヨシ!としている。それが本当に楽に忙しいときでもできるようになって長らく経ったなら、底上げをはかっていってもいいだろう。

とにかく着手したら即完了させられるような習慣を最初は設定すべきである。なぜならば、私も年齢だけでなく経験も重ね、完璧主義やら自分に対する期待感やらで継続に失敗した経験は計り知れなかったからだ。

「暇つぶし」の時間はこれで埋めて、言わば「守りの習慣」のポートフォリオをつくって健康や気分、生活を安定化させ、さらなる余裕を生み出していきたい。

そしてそれでできた余裕を使って、対人関係や家計の改善、資格や学位の取得、語学の学習、知的なアウトプットをもっともっと増やすといった本当に達成したいその都度の目標に向かって「攻めの習慣」を期間限定で設定するといった方向に持っていければ理想である。

(1,668字、2024.06.16)

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