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【展覧会レポ】ミロ展 日本を夢みて@Bunkamuraザ・ミュージアム

こんばんは、whipです。

現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中のミロ展に行ってきました。


【ミロとは?】

ジョアン・ミロは、スペイン出身の画家でシュルレアリスムや抽象絵画のアーティストとして有名です。今までそれ以上のことはあまり知らなかったのですが、本特別展を通じてミロが日本に魅了され、自身の作品に大きく影響を与えていたことがわかりました。そして、絵画だけでなく、彫刻や版画など様々なジャンルに積極的に挑戦し生涯を作品制作に没頭していたのです。本特別展では、活動初期の作品から二度の日本来日を経た晩年の作品まで実に多くの作品を一同に集めた過去最大級の回顧展となっています。


【日本LOVE】

ミロがどれほど日本を愛していたのか。それは、彼の作品に浮世絵が描かれていたり、日本に纏わるコレクションの品々からもわかります。ゴッホもそうであったように、日本美術や文化からのインスピレーションを受けて西洋のアートが今日に至ったということがよくわかります。本特別展では、ミロや彼の知人が集めた様々なコレクションも展示されています。それらは、日本の民藝品であり、柳宗悦とも関わりを持っていたというので驚きです。

関連した特別展のレポは以下ご参照ください。
※すでに閉幕しています。

今も日本のアニメや漫画は人気ですが、当時から形違えど日本文化、コンテンツが人気だったのが最近実感としてわいてきました。日本人として誇らしいです。


【女と鳥】

ミロの作風は本当に面白いほどに歳を重ねるごとに変化していきます。初期はまるでゴッホやゴーギャンのような筆使いと色使い。そしてみなさんもイメージする抽象的な細い線と青い絵画たち。きっとそれらのモチーフには日本の埴輪などがあったのかもしれません。それらを文字と混ぜ合わせた作品では、現代でいうポスターのようなレイアウトや構造の美を生み出します。その後、陶芸や版画などを経て、ミニマリズムのような作品に到達したのです。晩年の作品には、おそらく来日した際に影響を受けたであろう『書』のイメージが強く映ります。

彼の主題は何か?私の展覧会レポでは、作家の主題に注目することが多いですが、今回は『女と鳥』だったのではないかと思います。作風が変化する中でも、さまざまな形で女性像と鳥を多く描いているように感じました。ぜひ注目してみてください。


ミロは90歳でこの世を去るまで、生涯作品制作に没頭しました。家族や友人にも愛され、画家特有の病みもあまりなかったように思えます。だからこそ、貪欲にさまざまな作風と手法を編み出し、当時のアートに影響を与えたのかもしれません。日本を愛した彼を、日本もまた愛していたのですから。

特別展は、4月17日まで開催中です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

※チラシや解説パネルを参照しています。

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