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【展覧会レポ】民藝の100年

皆さん、こんばんは。

whipです。

東京国立近代美術館で開催している「民藝の100年」展に行ってきました。

現在、美術検定の試験に向けて勉強をしているのですが、日本の近代美術の作品を試験前に実際に観ておきたいなと思い、急遽来館を来ました。

近代美術館には何度か来たことはあるのですが、やはり知識を少しでも入れて行くと見え方が全然変わりますね。

「あ~この作者知ってる!」とか「テキストの絵だ!」など親近感がわきます。



目的は常設展だったのですが、せっかくなので開催している特別展も観に行くことにしました。

現在開催している「民藝の100年」展は、日本における民藝「民衆的工芸」の略で、柳宗悦が中心となった1920年代の民藝運動から約100年、柳宗悦の没後60年を記念した展示会となっています。

当時の日本にはまだ根付いていなかった「民藝」という考え方を提唱し、全国各地の民衆的工芸を収集しながら「出版」「展示」「流通」という民藝運動3つの柱「民藝の樹」を構築した柳らの活動を6つのセクションで見ていく展示構成です。

様々な民藝品の収集を通じて、日本全国の分類表を作成するなど、現在の技術がまだない昭和以前の時代にこれだけの成果を残した柳らの活動は本当に圧巻でした。

何よりも感銘したのは、民藝の収集のみでなく、それらをどのように展示したり人々に伝えるかという現在でいう展示会やイベントの企画手法も考案している点です。

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展示の中でも個人的に面白かったのは、5つ目の展示セクション「ローカル/ナショナル/インターナショナル」です。このセクションでは、日本国内における「琉球」「アイヌ」、そして隣国の「朝鮮」「中国」などの民芸品も展示されています。また、当時の日本の民藝運動が欧米などでも注目され「MINGEI」の名で取り上げられていたことも知ることができます。

それはまるで、ドイツのバウハウス、北欧フィンランドやデンマークのデザイン性に並ぶような独自の文化として世界に映ったのでしょうか。

美術史を勉強していると、所は違えど人々は同じことを考え、そしてそれらを独自の方法で発信してきたということがわかります。日本における民藝運動もまさにその一種だったのかもしれません。

どういった切り口で何をまとめてみるか。本格的に探究していくのか、それを深く考えさせられる展示会でした。柳らには、この時代での民藝がそうであったように、今を生きる私たちにもきっとそれぞれに何か切り口があるのではないでしょうか。そんなことを考えてみると、日常が少し楽しく、そして興味深くなるかもしれませんね。そこに眠る民藝の精神が見つかるかもしれないのですから。


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特別展のグッズショップでは、本特別展のオリジナルグッズのほか、全国各地の民芸品が並んでいます。勝手ながら感じてしまう民芸品の郷土感はそのままに、とてもスタイリッシュになっているデザインのものも多く見ているだけでも楽しかったです。ぜひお気に入りの民芸品を探してみてください。


本特別展は、来年2月13日まで開催中です。ぜひ足を運んでみてください。

◆公式サイト


最後まで読んでいただきありがとうございます。



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