「新生活、なにを買う?」 食器編
新生活がはじまって2ヶ月が経とうとしています。本来であればいろいろなことが落ち着いてくる時期ですが……。まだ生活のリズムが掴めていないという方も多いのではないでしょうか?
日用雑貨を揃えようにも、不要不急の外出は憚られる状況ですので、店舗に行くのはむずかしいですよね。そこで今回は、食器選びでお困りの方のために、おすすめのテーブルウェアブランドを紹介します。
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こんな方におすすめの記事です
「これから雑貨や道具を買い揃えようと思っている」
「ものに(ある程度は)こだわりたいが、選び方が分からない」
「シンプルで実直なプロダクトが好きだ」
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僕はむかし、インテリアショップで働いていました。日夜、お客様の悩みを聞いていましたが、特に食器選びで迷われている方は多かったですね。
なぜ食器選びがむずかしいか? それは、ほかの雑貨と比べて考えるべき要素がたくさんあるからです。
デザインや素材、重さ、機能性、収納性、価格、コンセプト……。ざっと挙げただけでも10以上は思いつきます。当然のことながら、それが増えれば増えるほど難易度は高まっていきます。
そこで僕が提案するのは要素を3つに絞るという考え方です(ほかの要素をないがしろにするわけではありません。念のため)。
具体的にはシンプルであることとバリエーションが豊富であること、そして気軽に買い揃えられることを重視します。
研ぎ澄まされたシンプルデザイン
最初の選択としておすすめなのが〈Common〉のプロダクトです。
器という概念をそのまま形にしたかのような、ニュートラルなデザインが最大の魅力。どんなシーンやシチュエーションにも調和し、また、ほかのメーカーのプロダクトとも合わせやすくなっています。
趣味や嗜好はどんどん変わっていくものです。いまは北欧デザインが好きでも、5年後には違う方向に関心が向いているかもしれません。だから、ことにベースとなる食器は、できるだけ普遍的なアイテムを選ぶべきだと僕は考えています。
世界中のどんな料理にも合うCommonのテーブルウェア。デザインを担当したのはプロダクトデザイナーの角田陽太さん。この造形を生み出すために、「驚くほどの時間と手間をかけ、緻密な検証を重ね」たそうです。
さて、ベーシックな食器は、どこか冷たい印象になってしまいがちです。しかし、このCommonのアイテムからは、どこかやわらかい表情を感じることができます。
なぜそう思うのでしょうか? ——などと掘り下げていきたいところですが、趣旨から外れてしまうので今回はここで留めておきます。
形がシンプルなぶん、カラーリングでキャラクターを表現。「色が唯一の装飾である」とはカイ・フランクの言葉ですが、どこかそれに通じるものがある気がします。
豊富なバリエーション
ちょっとたとえ話をしましょう。あなたは新社会人で、一から日用雑貨を探しているとします。
はじめての休日。ふと立ち寄った雑貨店で、素敵なプレートを見つけました。コンセプトや価格も申し分ありません。ところが、ボウルやマグカップはすでに廃盤になっていて、大皿と小皿しか入手できないようです。まあ、とりあえず買ってみて、ほかのブランドのアイテムを買い足していけばいいか。
こんな具合に揃えていった結果、どうもテーブルの上がチグハグに……。いままでこういう経験はないでしょうか?
こういう選び方ってとても楽しいし、それが悪いわけではありません。しかし、なるべく失敗したくないのであれば、メインのテーブルウェアはひとつのブランドで統一するのがベターです。
「では、Commonのラインナップは?」とお思いになるかもしれませんね。
バリエーションの豊富さもCommonの魅力で、たとえばボウル系は6種類、プレート系に至っては12種類もあります。さらにグラスやタンブラー、マグカップ、ポット、カトラリーなどもあり、基本的なアイテムはすべてまかなえると言っても過言ではありません。
ものえらびに不安がある方は、まずはCommonで基礎を固め、それから気に入った食器を買い足してみてはいかがでしょうか(もちろん、最初から最後までCommonでもまったく問題ないです)。
グラスも3種類あります。僕が特に気に入っているのがワイングラス。ステム(脚)がどっしりとしていて日常使いしやすいです。
必要なときに気軽に買い足せる
食器は毎日使うものです。もしも自分の感覚からして高すぎるとしたら、気軽に日常使いはできないですよね。
気軽に購入できる価格設定もCommonの美点で、たとえば一番小さいプレートは税抜で400円。これは文句なしにリーズナブルだと思います。
具体的な数値はなく、あくまでも販売員時代の感覚となりますが……。生産体制や流通が安定しているのか、欠品や廃盤が極めて少ないという印象がありました。家族やパートナーが増えるなど、ライフステージの変化にもしっかり対応してくれそうです。
確認したところ、ブランドがはじまった2014年から現在までで、廃盤はひとつもないとのことでした。常に流動的な雑貨業界において、この安定感は特筆すべき点です。
磁器の食器は西海陶器、ガラス製品は東洋佐々木ガラス、カトラリーは燕振興工業株式会社が製造を担当。その端正な佇まいは、長い歴史と経験に裏付けされた技術力によって生み出されています。
コーディネートの提案
・プレート 120mm(副菜、お菓子など)
・プレート 180mm(主菜、パンなど)
・ボウル 120mm(ご飯、サラダ、スープなど)
・ボウル 210mm(カレーライス、パスタなど)
・ウォーターグラス 350ml(冷たい飲みもの)
・マグ 250ml(スープ、温かい飲みもの)
あまり自炊をされない方であれば、これだけ揃えればだいたいのメニューに対応できると思います。料理が好きな方は、よく使うサイズのオーバルプレートやオーバルボウルを追加するとグッド。
強いて言えば丼ものやラーメンを食べるときに困るかもしれません(ボウルの120mmではちょっと小さいし、210mmでは大きすぎる)。
茶碗や丼は別のブランドで用意するのも手でしょう。KINTOのRIMシリーズとか合いそう。あとは80mm程度の豆皿もあると便利ですよ。
ちなみに、茶碗や豆皿などは違うテイストのものを混ぜてもけっこうしっくりきます。ベースがシンプルなので、多少は外してもまとめてくれるというわけです。このあたりはファッションと一緒かもしれませんね。
最後にカラーリングについてのアドバイスを。
食器はホワイトとグレー、イエロー、ネイビーの全4色展開(ポットやマグは全6色展開)。ホワイトとグレーはどの色とも合いますし、イエローとネイビーも相性がいいので、基本的には好きな組み合わせで大丈夫です。
不安な方は「大きいものは寒色、小さいものは暖色」というルールを意識するときれいにまとまりますよ。白で統一するのもいい選択です。
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一日も早く、みんなでテーブルを囲める日が来ることを祈っています。
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