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#91 本流か傍流(異端)か【書評】ソニー再生 変革を成し遂げた異端のリーダーシップ

◾️はじめに

3週目は企業。世界のソニーです。何回かの再生の中で、直近の平井さんの本です。

◾️要約

ソニーアメリカ、SCE、ソニー本体と三度ターンアラウンドを成功させた経営者は幼少期に日本とアメリカで育った異端の人物だった。
異端ゆえに感じる違和感を持ちながら、超えなければいけない壁を負けん気で超え、成功に導いた。
現場から、独りよがりにならず、チームを信頼する。それが異端のやり方。

◾️感想

異端であるがゆえのやり方。ということでへー、と思いました。
確かにど真ん中でエースとして切り盛りしてそのまま上に行くパターンとそうでないやり方があるんだろうなとは思います。
とはいえ現場からであるとか、チームでことをなすということは変わらないなぁとも思いました。
本流だろうが、異端だろうが本質は同じということかな。
自信を与え、目標に一丸となる組織に変える。文字にするのは簡単だが実際にやるのはかなりの辛苦だったと。三回も成し遂げた平井さんはすごい。

◾️要約(詳細)

◆第1章 異邦人
父の転勤で海外と日本の生活を繰り返す。
どこでも違う場所から来た人扱い。どこへ行っても苦労の連続。
理不尽なことが多いな、なんでこんなことを言われないといけないんだ、そんな感情・視点を持って育った。
インターナショナルスクール、ICUを経て、CBSソニーに入社。
なぜかアメリカへ行けとの辞令がでる。ここでの経験がその後の転機となる。

◆第2章 プレイステーションとの出会い
プレステとの出会いは運命的。軽いノリでサポート役をひき受ける。
任天堂での反発とソニーアメリカの傍若無人ぶりを遠目にみながらどんどん巻き込まれ、自分がトップとして切り盛りすることに。
まずは現場の話をちゃんと聞いてから始めた。
ゲーム部門が本流のエレクトロニクスを売上で上回る。

◆第3章 ソニーを潰す気か!
ソニーアメリカをオートパイロット(自走)状態にした後、ソニーエンタテイメントのCEOに。
クタラキさんから引き継ぐ。そのころはプレステ3で大赤字状態。
3200億円の赤字、売れば売るほど損をする逆鞘状態。
諦めることなく、プレステ3はゲーム機と定義し直し、コストカットを続け三年半かけて逆鞘を解消。
理想と現実のギャップを埋める作業を苦労しながら実施した。

◆第4章 嵐の中で
ハワードストリンガーから次を担う候補として四銃士の一人になり、東日本大震災、サイバーアタックを経験してCEOを打診される。三度目のターンアラウンド。
やってやるぞと決意。いつも通り現場の声を聞くことから始める。
その中で組織としての方向性を示せていないと感じて自ら現場を周り、タウンミーティングを開き、声を聞き、発信する。
KANDOを。
もう一度ソニーの原点に立ち返って、いい製品サービスでKANDOを、と。
その際上から目線ではなく、自身が現場目線で関わり、なんでも話せる、ちゃんと見てくれていると思ってもらえるように。
自身が会社のファンであることを示しながら現場が協力してやろうと思わせるように腐心した。

◆第5章 痛みを伴う改革
痛みを伴う改革としてマジソンビルの売却を実施。
決めたらやる男だと示す。
責任者として今の現場中心にどの事業が必要かを見極めていく。ノスタルジーは不要。
リチウム電池事業もかつての象徴だったVAIO事業も。
マネジメントチームに異なる見解を言える人を招き、意見をぶつかり合わせながらやり切っていく。

◆第6章 新たな息吹
映像事業のテコ入れを行う。東京を信頼できる吉田さんに任せて。
また事業を分社化。それぞれのROICを目指す体制にする。
規模を悪戯に求めない。
そして未来への種。
SSAP,aiboそしてEVへと。
質を求めながらもソニーってこんなことできるんだを実現させていく。
社長が積極的に関わりながら社員の声、こんなことでKANDOを与えたい、を実現。

◆エピローグ 卒業
自分は逆境にこそ力を発揮するタイプ。ある程度の見込みがついた段階で次にバトンを渡す。
今度は子供の貧困、教育格差に取り組みたい。

◾️アクション

(異端のリーダーシップとしてリーダーシップをまとめたのがこの本であるのだが)
自分のリーダーシップの取り方を方法論としてまとめてみる。

◾️読みやすさ

★★

◾️ハッシュタグ

#世界のソニー
#平井 一夫
#盛田昭夫
#井深大
#プレステ
#本田しずまる

◾️

「ど真ん中つまり本流か、それとも傍流か、新庄監督はどっち?」
「え?なにいきなり?新庄監督?なら傍流なのかな」
「本流なら稲葉監督だったよねー。ともかく傍流に託すのは勇気がいるよね」
「そうだね、賭け的な要素が大きい感じするよね。本流に託すのは既定路線ってことで。」
「そうだね。ただ傍流だからこそやれることあるよね」
「失敗を恐れずチャレンジ、ってのはできそう」
「もちろん大変な覚悟や入念な準備があってのチャレンジなんだろうけどね。傍流だからなんでもありってわけでもない。」
「だよねー」
「本流には本流の苦しみが傍流には傍流の苦しみがある」
「そうね、そして経営者には共有の苦しみもある」
「経営者は(傍流だろうが本流だろうが)孤独」
「豊田章男さんに共感していたね、平井さんも。同じ大企業のトップとして。」
「あっちは本流っちゃ本流?」
「いやそうでもないと思うけどGAZOOレーシングとか、創業家であり、血筋は本流でも、歩んできた畑は傍流。」
「あっちはあっちで御曹司の娯楽って新しいことやると言われたり。」
「ひゃー、それは大変」
「こっちの平井さんは燃えるプロジェクト立て直して結果出しても続かないとエレクトロニクス(本流)からバッシングあったみたいだし」
「どこでも同じ構図だよね、今日の飯の種と明日の飯の種の共存」
「過去の栄光はいつまで続くか分からないからね」
「トップでい続けるために変わり続けなければならない。」
「アリスのお話だね。同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走っていなければならない。ちょっと違う?」
「いや、あってる。全力で走る、つまり変わり続ける、走り続けなければならない。」
「この不確定な世の中で」
「あーなんか歌詞みたいになってる」
「やってることは地道なことだよね。ビジョンを示す。現場の信頼を得る。社員を活き活きさせる。」
「そう簡単ではないことだね」
「この人についていきたいと思わせる何かが必要だ」
「腹を割って話できる仲間もね。この本にも異見を言ってもらえる人を近くに、というのが書いてある。」
「議論して深めて行動に、ということだね」
「一人でできることは限りがあるからね」


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