#88 この世界を生きるということ【書評】答えのない世界を生きる

◾️はじめに

第5週はテーマは決めずになんでもアリ。
ということで今回は哲学の本。
小坂井 敏晶さんの”答えのない世界を生きる”です。
ひえ〜、難しい。


◾️要約

知識とは情報を持つことでなく自分の頭で考えること。そのためには型を知った上で破ることと感情含めて物事を捉えることが大事。
文化系学問は全体主義に陥らないために必要。人間の限界を知ることが一番の意味である。世の中の規範に照らして正しさが形成され、規範は可変なので正しい世界は存在しない。

◾️感想

レベル高ぇ。けどたまにはこういうのもいいかも。いつかまた戦おう。

◾️要約(詳細)

◆第一章 知識とは何か
・多くの本は情報、つまり答えを提示するが、そのアプローチこそ我々の目を曇らせるものである。
知識は常に絶対的に正しいとは限らない。新しい知識はこれまで常識を否定して生まれてきた。
※天動説→地動説が最たる例。

・発見のために全てを投げ打ってもいいわけではない。少し離れて見ることも大切。
※これは見つめる鍋は煮えないという思考の整理学と同じことを言ってると思う。

・常識に捉われず、そのまま受け入れるのではなく自らとして納得のいくものを持つことが大切。
※考えろ、ってこと。他人が言うことが常に正しいとは限らない。

・答えを知っていることより問いに対して自分なりにアプローチして自らの答えを持つことが真の知識につながる。博識だけでは何もできない。人が言っていることを鵜呑みにするな。
※答えを出すより、どう取り組むかのほうが大切。答えのない課題だらけなので。

◆第二章 自分の頭で考えるために
・正言若反。真理は偽りのように響く
・型のある人が型を破ると型破り、型のない人間が型を破ったら型なし
・単に頭で考えるだけでは答えに到達できない。実際に体を動かし、積極的に努力して初めて悟りが開く

◆第三章 文化系学問は役に立つのか
・世の中に役立つ人を生み出す、というこの役立つ、はあくまで今の基準に沿った考え方である。
この考え方自体間違っている。なぜなら普遍的な価値というものはなく、役立つ人とは将来の変わった後の価値基準では役立たないかもしれないから。
※あくまで今の価値観での世の中に役に立つということ

・近代人間が社会規範に基づいて評価を法や道徳という形で生み出しており、それが正しいかどうかはその社会規範に照らして判断される。つまり正しい世界という考え方自体が間違っている。解は原理的に存在しない。
※社会規範自体が変化しうるので。

・文化系学問はそのこと、つまり人間には限界があり、普遍的なものなど、生み出すことはできない。能力ではなく、社会システムとして規範が生まれ、そこから異端が生まれ、肯定的なものは創造的とされ、否定的なものは悪とされ排除される。そういった、考えることの意味を問い直すこと、全体主義から抜け出すためにこそ文化系学問の意味がある。
※論理だけですべては決まらないということ

◾️読みやすさ

★★★

◾️アクション

たまにこの(レベルの)本を読み返してみる。

◾️ハッシュタグ

#哲学
#答えのない世界を生きる
#守破離
#小坂井 敏晶
#難しいと感じるのは何故だろう
#読みきれなかった本
#再読すべき
#いつかまた読み返そう

◾️ちょっとしたお話

「本ってさ、レベルあるよね」
「え?レベル?読む人のレベル、本としてのレベル」
「後者の方。読みやすさ、というか。難読な文章、言葉が使われていて、読んでも読めないというか」
「読んでいるけど読めない」
「何が伝えたい文章なのかがわからない。伝わってこない。難しすぎて」
「なるほど」
「読んでみないとわかんないんだよね」
「経験がないからその背景なんかがうまくわからないということなのかなぁ」
「しかもそれは表現されない」
「帯とかに書いてないってこと?」
「そう、この本はレベルいくつの人向けですよー、そうじゃないと読めませんよーなんて書いてない。」
「ま、そうだよね。本うりたい人がそんなこと書いても売れなくなるだけだし。で、これ(この本)は、そう(難しくて読めない本)なの?」
「うん」
「これはレベル高いなーって感じた」
「なんで?」
「なんだろ、読んでて、その著者が言いたかったことが塊としてこう飛び出てくるとするじゃん」
「はい?ま、いっか」
「うん。そこはいいのよ。そうだとしてそれがガシッと受け止めれたーってちゃんと読めると感じるとする。」
「ほう。ちゃんと読める場合は塊を受け止めれる(ような気がする)ってことね」
「そうそう。なんだけどこれはなんかその塊が見えない、掴めたなんてとても思えない」
「ふーん」
「文字は文字として読んでるよ、けどなんかなー。羅列以上のものとして捉えられてないというか」
「何回も読んだり、意味を調べたりしながら読むしかないね、それは」
「そうなの。けど・・・」
「けど?」
「これ借りてる本だから。期限があり。。。返却しました。」
「また借りろよ」
「そうします。。。けど、もっかい読んでみて、前より少しでも理解できたら、それはなんか自分が成長したんじゃないかって思えるような気もしている。」
「それはそうかもね」
「前読んで理解できなかったことがわかるようになったかと。わかるように、が正しいかは誰にも判別できないんだけど」
「読み手がどう感じるか、人それぞれですものね。感じたものをどれだけ言語化できるか、ということもあるし。」
「著者がこれを読んで、こう感じてもらいたい、ってことも書いてないわけで」
「そうね」


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