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#55 どう、が大切。【書評】君たちはどう生きるか

◾️はじめに

第二週はベストセラー。
名著、君たちはどう生きるか。
何度でも読み返すべき本。

◾️要約

人はそれぞれが影響し合い、生きている。それは人間分子、網目の法則。
人として立派に、正しく生きよう。
時に人は誤ちを犯す、がそこからも学び、立ち直ることが大切。


◾️感想

大切な本。
おじさんがコペルくんに語りかけているが
大人もこの本に書かれていることに感銘を受けることができる。

本当に色々な気づきを与えてくれる。
古くなんか全然ない。
人としてどう生きるか、は永遠のテーマだから。

回想の丸山さんの話も素晴らしい。
これが詰め込み教育と対をなす道徳教育、考えさせる教育を示唆していることでもあるとは。
深すぎる作品。


◾️要約(詳細)


◆一、へんな経験
百貨店のビルの屋上から人間を見ていると不思議な気持ちになる。
歩いている人は屋上から見られていることに気づいていない。
海の満ち引きのように昼に来て夜には帰る人々。みんな分子のよう。

・ものの見方について おじさんのノート
地動説。これが信奉されるまで数百年かかった。
宇宙の真理を知るために自分たちが中心の考え方を捨てなくてはならない。
それは世の中についても同じことがいえる。

※うんうん、上から人を眺めているってある意味へんな気持ちだね。
見ろ、人がありのようだ。

◆二、勇ましき友
北見くんは頑固だが自分の間違いを認めることのできる、
そして山口が浦川くんの事を油揚と馬鹿にしてたとき卑怯だ、と山口に立ち向かえる勇ましい友人。
浦川くんは自分をいじめた山口であっても許してやってといえる優しい友人。

・真実の経験について おじさんのノート
本当に感じたこと、心をうごされたことから出発してその意味を考えていくことが肝心である。
よく考えると、その時にとどまらない意味のあることがわかってくる。それが本当の君の思想になる。
常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ、ということ。

※思想を形作るために日記をつけるという手段やノートという道具があるんだな。

◆三、ニュートンの林檎と粉ミルク
ニュートンの凄さはリンゴを見て引力のことを思い、
それを月まで広げて考えて、月が落ちてこないのは引力と遠くに行こうとする力が均衡しているからだと考え
それを努力で証明して見せたこと。

ニュートンに刺激を受け、色々考えたコペルくんはその考えを人間分子、網目の法則と名付ける。
なぜだか浮かんだ粉ミルク。これが彼の手に渡るまで実に様々な人が関係している。
けれどそれぞれの人はそのこと(誰が最終的に関わったものをどう使っているか)を意識しない。この不思議。

・人間の結びつきについて おじさんのノート
コペルくんの考えは生産関係とよばれ、はじめから外国の市場に売り込むことを目当てに、人間同士の世界的な繋がりを土台にして仕事をしている。

人間は経験を言葉にして伝えることができる。そして書物に残せる。
学問は人類の今までの経験をひとまとめにしたもの。
だから学問を修めて経験から教わり、まだ解くことが出来ないでいる問題のために骨を折るべき。

本当に人間らしい関係とはどういう関係だろう。
人間が人間同志お互いに好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことはない。
それが本当に人間らしい人間関係。

※経験を言葉にして書物に。それが人類の経験に。これにこのnoteも少しは役立っているのかな。これも考えると、網目の法則みたいに、世界中の人がSNSで発信してそれが増えてって・・・、あぁ考えると難しい。

◆四、貧しき友

浦川くん、おうちが貧しくそれでも頑張っている。若い衆が風邪ひいて、浦川くんがお手伝いしている。
そのために学校を休んでいた。彼のうちに様子を見にいったコペルくん。
彼は家業を手伝っていた。その器用さと言ったら。

・人間であるからには おじさんのノート
素直で思い上がった風がないことに感心した。
自尊心を傷つけてはならない。
自分の人間としての値打ちにしっかりと目をつけて生きてゆく。

人間であるからにはすべての人が人間らしく生きてゆかなくては嘘だ。
そういう世の中でなくてはならない。
恵まれた人はどんな事をしなければならないか。
世の中のために本当に役に立つ人になってくれることを!

※貧しいことに引け目を感じている、それが卑屈な根性という点で軽蔑に値する。そうか、人として堂々としていかねば。

◆五、ナポレオンと四人の少年
ナポレオンは天才的な進軍を遂げて、晩年ロシア遠征で敗北した際も英雄的に振る舞った
ここでみんな北見くんが上級生に殴られることとか問題がある場合は皆いっしょだと約束した

・偉大な人間とはどんな人か おじさんのノート
どんな困難でも不屈の闘志と王者に相応しい誇りを持って対応した。
ゲーテのような人道と平和を愛した人でさえナポレオンには興奮するという。
その実行力といい活動力といい、あることを成し遂げていく力に感嘆する。

君の精神の眼を一度この広大な眺めの上に投げ
その遥かな流れの中に異人とか英雄とか呼ばれている人々を眺め直してみたなら
どんなことに気づくだろうか

人類の歴史は大河のよう。この流れとともに行かないと滅びてしまう。
偉人や英雄で本当に尊敬ができるのは人類の進歩に役立った人だけ。
真に値打ちがあるのはただこの流れに沿った事業だけ。

◆六、雪の日の出来事

雪合戦してたコペルくんが前にいて、北見くんと水谷くんが追いかけた。
上級生が北見くん、水谷くんを捕まえた。そこへ浦川くんは名乗り出た。
「他にもいるか!」という問いかけにコペルくんは怖くて出れなかった。
コペルくん以外のみんなボコボコにされて、3人で帰っていった

◆七、石段の思い出
その後、コペルくんは熱が出て寝込んだ。もう悔しさでたまらなかった。
おじさんに打ち明けた。手紙をかくことにした。
お母さんは石段を登る老婆の手伝いをなかなか出来ず、老婆が登り切ってしまったことを教えてくれた。

けどそれがきっかけでその後は優しくなれたとも教えてくれた。
つまり悪いことばかりではない。
人は過去の経験から学ぶことができる、ということを。

・人間の悩みと、過ちと、偉大さについて おじさんのノート
自分が取り返しのつかない過ちをしてしまったという意識。
道義からくる”しまった”ほど辛いものはない。
正しい理性に従って行動するだけの力があるからこそ、悔恨の思いに打たれる。

過ちをつらく感じる中に人間としての立派さがある
「王位を失った国王でなければ誰が王位にいないことを悲しむものがあろう」
この苦しい思いの中からいつも新たな自信を汲み出してゆこうではないか。

正しい道に従って歩いていく力があるからこそこんな苦しむのだと。

◆八、凱旋
手紙を出した後、3人が家に来てくれた。そこには水谷くんのお姉さんも。

◆九、水仙の芽とガンダーラの仏像
水仙の芽のようにぐんぐん伸びているものがある。
伸びて来ずにはいられなかった力はそこかしこにある。

◆十、春の朝

コペルくんは消費専門だけど一人のいい人間を世の中に生み出すことはできる
そのつもりにさえなればこれ以上のものを生み出せる人間にもなれる
立派な人間になってもらいたいという父の言葉を忘れない

良い友達を持っている幸福が胸に蘇る

全ての人がお互いに友達になるような世の中が来る
それに役立つような人間になろうと思う

君たちはどう生きるか

◾️アクション

立派な人になろう。なろうとしよう。

◾️読みやすさ


★★

◾️ハッシュタグ


#君たちはどう生きるか
#吉野 源三郎
#コペルくん


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