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#110 自分で考え見つけた答えは、一生忘れない。【書評】嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか


◾️はじめに

今月は4回全部、スポーツについての本でいこうと思います。(仮)
1週目は落合監督、の本ではなく落合監督の時代の中日について書いた本です。
あの頃は強かったな〜。

◾️要約

勝つために常にゼロから考えた。
自分が個人事業主として必死に戦ってきた経験もある。
選手のコンディションは個人情報とし、予告先発も嫌がった。
常識とは一線を画し、悪者になる。その発言は常に深く、投げかけを含んでいる。
そんな指揮官に率いられたチームは個人が自ら考える最強の集団になっていった。

◾️感想

面白い。そりゃ嫌われるわ。
煙にまくし、喜ばれることをしてくれるわけはなく、むしろ嫌がることばかり。

自身は
・何も欲しがらなかった男だった。が愛する人に導かれ、成功を収める。
・稲尾、星野、長嶋と請われ三冠王を三度、とてつもない成績。
・その波乱に満ちた経験をした人は通常の人とは違ったものの考え方をする監督だった。

人気と結果。両立は難しい。そのやり方は星野監督と対比される。

熱気-冷酷
人間性-非情
全体主義-個人主義

野球というスポーツに対する価値観の違いがここまで違うものなのかと思った。
そして天才(超一流)は見えているものが違うと感じた。
成功へのアプローチは1つではない。

これはマネジメントの本だと思う。
組織を戦う集団に変える方法は感情剥き出しのモチベーションを高めまくる、これだけではない。

◾️要約(詳細)

◆2004 第1章 川崎憲次郎 スポットライト
FAで入団以降、3年間肩の怪我に苦しみ登板機会のなかった川崎にその年就任した落合は開幕投手を任せる。
それは死に場所を与えることだった。
最後にあのマウンドで投げることで諦めがついた。
落合はまるで見透かしたように大抜擢し、翌年の解雇を伝える。
就任一年目、内部で誰が信用できるか見極めていた一年目の出来事。
これ以降、落合は選手と距離を置く。

※この年の日本シリーズで立浪と谷繁の案を尊重し続投させ、敗北。
これを機に周りから孤立していくように見えた。。。
「リーダーの仮面」にも繋がる考え。

◆2005 第2章 森野将彦 奪うか、奪われるか
高校新卒からレギュラーへ。
押しも押されぬ大スターからポジションを奪うことにのる森野。
それはプロ野球選手としての覚悟をつくりあげることだった。
渇望し、守るために必死、そういう場で生きていくということ。
どこか必死さが足りなかった森野の転機となった。

※さあこれから開幕だ、というときに骨折。
「何やってんだよ」と言われる。
そして復帰後に立浪からポジションを奪う。
いいことばっかではない、が続けていればたどり着く。

◆2006 第3章 福留孝介 二つの涙
熱いものを求めてプロの世界に踏み込んだ福留は落合とは感情の部分は割り切って対応していた。
ただ技術の向上のためにー。
この一点でのみ共鳴した二人。
周囲を寄せ付けない監督と孤高のスラッガーが互いを認め合い、勝ち得た結果。
ただシンプルに。
前田を見とけと言われ真摯に見て学んだ。

※熱いものがなくとも落合の言葉には素直に従う福留。
天才前田は見習うべき存在だった。
いまだに現役だからなー(2022時点)すごい。

◆2007 第4章 宇野勝 ロマンか勝利か
バッティングにロマンを求めていたが、指揮官はそうではなかった。
打率より確実性の高い守備を求めた。
ただただ勝利を求めた監督は一方でストレート勝負をした藤川の気持ちも分かっているようだった。

※ウッズ対藤川。名勝負すぎる。YouTubeからどうぞ。

◆2007 第5章 岡本真也 味方なき決断
勝ちにこだわるようになったのは選手の意見を聞いて自分を続投させた後悔があるから。
その当人は2007日本シリーズでの完全試合において驚きを与えられる。
投手だったら絶対に交代させない、一方で悲願の日本一のため、指揮官は非常とも言える決断をし、結果を出す。

※伝説の完全試合リレーを岡本の視点から語る。

◆2008 第6章 中田宗男 時代の逆風
将来を見据えた選手をー。
という考えと即戦力。
指揮官に言われれば何もできないがそれで本当にいいのか、自問自答は続いた。
勝つために即戦力を求めた指揮官とスカウトの乖離は埋まることはなかった。

※スカウトって未来を見るわけだからすごい。
それが目の前の勝利だけでいい、となったら。。。やるせないわな。
強いチームでい続けることはかくも難しい。

◆2009 第7章 吉見一起 エースの条件
エースとは何か。
ただ投げるだけではたどり着けないところに指揮官は言葉少なに導いてくれた。
生きる道を求め、自らのスタイルを確立したエース。
常に上を求められて階段を上がることができた。

※結果を背負う。何球なげたって一つのミスで帳消しになる。
チームを勝たせるピッチングを求められる辛さ、だからこそのやりがい。

◆2010 第8章 和田一浩 逃げ場のない地獄
怪我してたとしても出るか出ないか決めるのは自分。
空けてあるんだ、その席は。
自分から降りると言わなきゃ空けておく。
ただし、降りたら二度と戻れないぞ。次のやつが降りますと言わない限り。
そういうとこで戦ってるんだと指揮官は示す。
それは楽しいというより苦しい。

※38歳でリーグMVPて凄い〜

◆2011 第9章 小林正人 2というカード
松坂と同期で剛腕に憧れてたが、自分の生きる道を投手コーチと監督から与えられる。
何億ものスタープレーヤーと勝負する130キロそこそこのピッチャー。
逃げたくなるが実は相手が嫌がってることを知り、自信を持つように。
たとえ剛腕バリバリでなくともときに最強のコマにー。

※自分の生き様!

◆2011 第10章 井出峻 グラウンド外の戦い
東大卒で初めてドラフトにかかり、フロントで上り詰めた井出は選手時代に落合の論理に触れていた。
だから落合に任せておけば大丈夫と会議で言えた。
だがそことは違う次元で物事は進む。
人気のなさに加えて勝利による年俸高騰。
そして一つの時代が終わりに向かっていく。

※東大卒の人がフロント支えてたんだーと驚き。

◆2011 第11章 トニ・ブランコ 真の渇望
アメリカに渡ったが結果を残せなかった真面目なドミニカンは指揮官との距離も苦にならなかった。
それどころか契約の縛りのみでボーナスのために必死に頑張り静かに見守ってくれる監督に信頼を置いていた。
契約は自分の力で勝ち取るものと知っていた。

※外国人に信頼される監督、誰でもいい関係を築けるというものではない

◆2011 第12章 荒木雅博 内面に生まれたもの
自分に自信が持てなかったハズレのハズレのドラフト1位は、落合のノックで覚醒した。
足が使えることが誰よりもずば抜けていた。
ショートへのコンバートにより失策は増えたが、それより指揮官から信頼を失うことの方が怖かった。
そしてその指揮官がいなくなることがわかったとき、いつも通りに自分の結果を出すプロフェッショナルは、禁じられていたヘッドスライディングを自分の判断で実施した。
そして優勝を確実にし、指揮官からは大丈夫だったかと初めて心配の言葉をかけられた。

※こちらも、YouTubeから。

◆エピローグ 清冽な青
最後、日本シリーズは最終戦までもつれた。
そして中日は敗者となった。
それが落合監督との別れとなった。
そこには指揮官は冷徹、非情と言われながらも勝ち続けた集団がおり、皆がプロとして自立していた。
感傷に浸ることなんてないと思いながら皆が涙をこらえている。
そこには熱い絆が生まれていた。
苦しく、辛い日々は実は最も真剣に野球に取り組んだ楽しい日々だったかもしれない。

◾️アクション

ただその人を思って指示してあげるのが本当にいいのか、考えた上で口にしよう。

◾️読みやすさ

★★

◾️ハッシュタグ

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