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解毒丸 (09/15) 【幸蔵の旅】

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あらすじ:姉を人質にされて幸蔵こうぞうが捕まる

「他の村人をどうなる!」

 人を消して妖怪だけにすれば争いは無くなる、それが妖怪の理想の世界だ。みなが一緒ならば争うことも無い。人を消すために、村を襲って尸鬼しきを増やしていた。

 幸蔵こうぞうは、このまま連れて行かれて妖怪なるよりも死を選ぶか? とも考えたが幸蔵こうぞうの姉のせんしずかを見捨てる事になる。幸蔵は、その狻猊さんげいを倒せないか考えたが難しい。

「なんじゃ土蜘蛛つちぐもに捕まっておったか」

 仙人の老人が空に浮かんでいる、その足の下は雲がたなびいていた。隣に、しずかもいた。村から飛んできたようだ。

 仙人が手に持っているこぶだらけの木の杖を土蜘蛛つちぐもに向けた、とたんに蜘蛛くもの動きがとまる。とてつもない大きな力で土蜘蛛つちぐもの動きを止めた。そして土蜘蛛つちぐもの体を押し潰す、土蜘蛛つちぐもの体からミシミシと音がすると叫び声を出した。

「ギェエエエエエエエエエ」

 土蜘蛛つちぐもは慌てて土埃つちぼこりを上げながら地中に逃げ帰る。仙人がゆっくりと地上に降りると、仙人が持っているヒョウタンの水を幸蔵の蜘蛛くもの糸にかける。

「助かっただ」

 幸蔵こうぞうにからみついた糸は溶けて消えていた。幸蔵こうぞうは仙人に姉のせんを助けてくれと頼むが仙人は首をふる。

半妖はんようから戻った人はおらぬ」

 絶望から幸蔵は地面に手をついて涙を流す。泣いている幸蔵にしずかが声をかけた。

「西国の島で鬼が守っている解毒丸げどくまるという丸薬がんやくがあります、万病に効くと聞きました」

#昔話
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