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SS 肝試し美人化 #毎週ショートショートnoteの応募用

「こわいよ…」
姉は僕の手を引っ張る。廃墟探検に行こうと誘ったのは姉だ。来年は中学生になる姉は僕からすれば大人に見える。昔から学校の怪談や怖い映画を喜んで見ていた。でも僕は怖がりで無理。

「お化けなんていないわ」
好きな癖に居ないと断言をする。信じていないから平気なのかと思う。近所の廃屋を見ようと強引に連れ出された。

平屋の一軒屋は入るとすぐに何も無いと判る。内側の壁すらない。がらんとした家に踏み込むと背後から声がした。

「ここに来てはダメよ…」
美しい黒髪の女性が居る。僕は一目惚れをする。運命だ。まるで宇宙が爆発したみたい衝撃が走る。あまりの興奮で僕は座りこんだ。

「あなたは…」
姉の言葉が続かない。彼女は消えていた。それからは姉は怖い話も映画も見なくなる。

俺は大学生になると全国を回るようになる。民俗学の研究という名目で廃墟を回り彼女を探している。趣味が肝試し。

「あなたは肝試し美人化してるのね」
姉はそれが恋だと笑う。

A beautiful Japanese woman with dark hair stands forlornly,up, hand drown line art, --ar 3:2 --q 0.5 --v 4


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