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雑多なSF設定

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SF設定の小説を集めます ・ケモナーワールド ・ジェリービーンズ ・猫探偵
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2023年3月の記事一覧

SS 反撃の時間 猫探偵11

あらすじ  奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘のニーナを助けると猫探偵のロイは家で飼う事にする。ニーナが生きていると障害に感じる親族は彼女の命を狙う。捕縛されたロイはカラス男に尋問されている最中に、思考戦車に救出される。 「奴らが必死だ、暗殺命令も発令されている」  どれほど金持ちでも、ここまで大げさに騒ぐ理由が判らない。金で懐柔する方法もあるのに、ニーナの殺害を選択する。所長が操る思考戦車が、地下室から出ると銃撃が始まる。所長が自分

SS 過去の自分 猫探偵10

あらすじ  奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘のニーナを助けると猫探偵のロイは家で飼う事にする。ニーナが生きていると障害に感じる親族は彼女の命を狙う。婚約者がニーナを助けたいと接触をするが現場に来たのはカラス男だた、ロイはカラス男に昏倒させられた。  目が覚めると清潔なベッドの上だ、起き上がり腕を伸ばす。五本の指がある、俺は人だ。 「ロイ、コーヒーは熱くする?」 「ああ、そうだな……」  クロミがすらりとしたスラックス姿で現れる、仕

SS 人男子 #爪毛の挑戦状

「召喚失敗です」  弟子が悲しそうにしている、私は中脚で頭部をなでた。王から人間の力を借りるために召喚をしてくれと頼まれている。だが遙か数億年前に絶滅している生物だ。我々と意思疎通が出来るのだろうか?  反陽子コンピュータの計算により、次元転移を行い過去へのゲートを作れる数式を生み出せた。数式を人工知能に与えれば自動的にマシンを作れる。これは人間が作ったモノだ。 「私達には必要な事だ」  王と王妃が同時にうなずく。我々の世界の存続に関係する。 「王様は人間を食べるのです

SS 星屑ドライブ #毎週ショートショートnoteの応募用

 学校の帰り道に、僕はぼんやりと夜空を見ると、星が笑っている。 「錯覚? 」 「天体オタク!」  いじめっ子が僕を突き飛ばす。天文ファンの雑誌が落ちる。悲しいよりも天文が好きな事を否定される方がキツイ。親から馬鹿にするみたいに、学者にでもなるの?と言われた。 「なんで星を嫌うのかな?」 「星はいいよね」  ふりむくと同い年の男の子が立っていた。彼も星が好きなのかな?話をしていると、星雲の事や木星の衛星の事を詳しく知っている。 「じゃあ僕はここで帰るね」  楽しい時間はす

SS だんだん高くなるドライブ #毎週ショートショートnoteの応募用

「スタンバイ開始」  俺は操縦桿を握る、狭いコクピットの周囲は計測機器で充満して身動きは取れない。人類初めてのハイパードライブの実験開始だ。無我の境地、動物実験では肉体的に問題が無い事は立証されている、そして人体実験が始まる。俺は志願をして選ばれた。 「始動!」  宇宙船の外側がワープバブルで包まれる。物理法則で光速を越えるために無限大のエネルギーが必要になるが、空間を分離すれば可能だ、宇宙は今でも光速を越えて空間が広がっている。  体に感じる負荷は無い、無いが意識が変わ

SS ダウンロードファーストクラス #毎週ショートショートnoteの応募用

「これをダウンロードして下さい」  現代は金で知識を得られる。人は学習をしない、ダウンロードで知識を得る。俺は高額な金を払って『ダウンロードファーストクラス』に登録して仕事や趣味で利用する。人間の脊髄に電脳プラグを取り付けて、脳内に情報を流し込める。 「この案件は多次元シーケンス図を利用します」  矢印だらけのUML図を見せながら、高機能のインターフェイスの流れを顧客に提示をする。もちろんクライアントも案件の知識をダウンロード済みだ。昔は、客が自分の仕事の内容を把握して

SS 愛する人 猫探偵09

あらすじ  奇妙な機械が歩き回る都市では動物と人間が会話しながら生活していた。人間の娘のニーナを助けると猫探偵のロイは家で飼う事にする。ニーナが生きていると障害と考えた親族は彼女の命を狙う。犯人は祖母のメリル・エリザベス・ウッドだった。 「ニーナの婚約者のマッテオからメールが来てた」  俺は元恋人兼ハッカーのクロミの部屋を訪れる。雑居ビルの用具室には床掃除の道具が積まれている。そこに電子ロックの扉があり、その中がクロミの居場所だ、狭いし最低限の設備しかない。ニーナと一緒に