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窓辺の少女

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学校の怪談物です。ヒロインの玲子が様々な怪異を解決するゆるい学園物にする予定です。
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登場人物の設定 窓辺の少女

窓辺の少女の設定を用意します 主人公の氷室玲子(ひむろ れいこ) 心霊現象を塩で解決するパワー系 転入生の衣羽舞子(きぬは まいこ) 実家の蔵には神具が大量にある 氷室愛優(ひむろ あゆ) 玲子の妹で憑依体質 美成(みなり) 神社に住む巫女 霊能者 敬一 主人公の知り合いで、姉を亡くしている、メンタルは強い 天之宮武雄(あまのみや たけお) 玲子の従兄妹で霊能力者  八重(やえ) 舞子の親戚 憑きもの筋 綾瀬(あやせ) キリスト教系の学校に通っている、弟が美人

ヒエラルキー#3(4/15)【鴨川洋子の事件簿】

設定 前話 次話 「早く助けないと!」  三浦洋子が、不良達に連れて行かれると鴨川洋子は、麻焼尚人の顔を見る。彼はそしらぬ顔で、帰ろうとしていた。 「まって」 「なんですか?」 「助けないの?」 「助ける意味があるのですか?」  無表情な麻焼尚人は、興味を失ったように平静な態度で鴨川洋子を見つめる。 「だって……三浦さんが……」 「彼女は、御門君が好きなんですよ? 告白までして愛を誓ったのに、体を捧げるのは当然の義務ですよ」 「義務って……彼女は騙されてるの!」 「

ヒエラルキー#2(3/15)【鴨川洋子の事件簿】

設定 前話 次話 「死神……不幸な事が起きるんじゃ?」 「確かに不吉だけど、決意の意味もあるんだ」 「死ぬ事が?」 「死はリセットの意味もある、再生も象徴しているんだ」  麻焼尚人の端正な顔を、うっとりと見つめている三浦洋子は、彼の言うことならなんでも信じてしまいそうだ。 「じゃあ、思い切って告白してみます」 「そうだね、でも告白は失敗する事もある………」 「……」 「これを君に渡そう」 「これは何ですか……」 「君の思いが届かない時の貴重なアイテムだ」 「アイテム……

ヒエラルキー#1(2/15)【鴨川洋子の事件簿】

設定 前話 次話 「鴨川さん、どいて」  きつい眼を向けるのは、クラスカースト上位の三浦洋子だ。私が教室から出て行こうとドアをあけると、彼女がにらんで立っている。あわてて横にどいた。 (……さすが学内成績上位ね)  常に十位以内で頑張っている三浦洋子には、逆らえない雰囲気がある。美人で頭が良くて両親は政治家だ。 (なまいきよね) (何様のつもり?)  三浦洋子は一部の不良っぽい子たちには、評判が悪い。見下されていると感じる。やはり私たちのような、頭のよくない子には

彼が来た(1/15)【鴨川洋子の事件簿】

設定 次話 「望みはないのか」  黒い背広の男は、鴨川洋子を品定めをするように見つめている。黒髪でハンサムな男は反社にも感じる。 「あなたは誰……」 「呼ばれた、こんなゴミゴミした無機質な街は、ひさしぶりだ」 「私はあなたの事を知らない……」  眼鏡をした女子高校生は、おびえたように大人の男から距離を取ろうとしていた。 マンションに住んでいる住人? 母の知り合い? 親戚の男性? 人見知りで臆病な彼女は彼の事を覚えていない。 「怖がらなくてもいい、まだ契約もしていない

傀儡の終わり (15/15)【橙狐は見た】最終回

設定 前話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。神社の巫女すら躊躇する悪呪鬼来迎、橙狐は自由と引き換えに愛優を裏切れと迫られる。  私は愛優を助けるために、頭を高速回転させる。母親が今の状況を作り上げているならば勝機があるかもしれない。  力を入れて飛ぶ、母親の凪にぶつかって気絶させる。  しかし巨大な腕が目の前にあらわれると、私は横殴りにして壁に激突させた。深大寺真の体が変化していた。代わりに凶悪な赤黒い鬼

式神の裏切り (14/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。神社の巫女すら躊躇する悪呪鬼来迎、愛優を助けるために橙狐が飛ぶ。  「なんだ小娘の式神がまだいるのか?」  首根っこをつかまれると、私は深大寺真に吊り下げられた。そのまま居間につれていかれると、愛優が倒れている。まだ愛優には、黒いシミがない。  ぽんと放り投げられると、私は人の形に変化する。 「愛優ちゃんに何するの!」 「この娘は、贄としてとても優秀だ」

悪呪鬼来迎 (13/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。愛優は、深大寺真に囚われる。  神社に到着すると巫女の美成を見つける。 「美成さん、愛優ちゃんの居場所がわかりました」  暗い顔をした美成は黙っている。 「早く行きましょう、愛優ちゃんを助けないと」  悲しそうな顔をしている。私は嫌な予感がする。 「なにかありましたか?」 「悪呪鬼来迎よ……」  黄泉の国から鬼を呼び出す。禁忌の力はどんな望みでもかなえ

決戦の時 (12/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。深大寺真がクラスを乗っ取る。  愛優の姉が通っている高校へ飛んでいく、早く知らせないと焦りながら高校に到着すると、玲子を探す。ノンキに授業中に居眠りしていた。私は窓を透きとおって教室に侵入した。 「玲子さん、大変です」  私があわてて教室に飛び込んだから目を丸くしている。話を聞くと天之宮武雄にも、目配せした。 「すぐ行くからまってて」  やおら立ち上がる

助けを求めて (11/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。深大寺真がクラスを乗っ取る。  私は逃げる事しかできない。愛優を助けるだけの力がない。教室を飛び出すと空を飛んで神社に向かった。神社に居る美成に助けを求める。  神社の結界に入ると一息ついた。自分のふがいなさに悲しくなる。式神なのに悲しく感じるのは不思議だが、彼女を守れない事で心が痛い。  巫女を探して屋内を探すが居ない。私は裏に回ると彼女がいた。いつもの

はじまりのきょうしつ (10/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。行方不明になったクラスメイトは自宅で見つかる。 「みんな無事で良かったですね」  愛優は、前方を見つめたままうなずいた。遠足の帰りで行方不明になったクラスメイトは無傷で自室や居間で見つかる。彼らは眠っていたので判らないと異口同音で答えていた。 「おはよう」  クラスに入ると静かだった。子供達が椅子に座ったまま正面を向いている。  この世代の子供達がじっと

消えた子供 (09/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。行方不明になったクラスメイトを探すために深大寺真の家へ向かう。 「居場所がわかったのか?」  霊能力者の天之宮武雄が姉の氷室玲子に質問をしている。玲子は嫌そうな顔だ。彼を嫌ってるわけじゃないと思うが苦手なのかもしれない。 「お姉ちゃんはツンデレなのよ」  愛優が、ませた口調で教えてくれる。ツンデレとは普段は素っ気ないけど人が居ない所ではイチャイチャするら

捜索開始 (08/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。深大寺には、他の子供と違う暗い影がある。 「その深深大寺君って子供が、霊視能力を持っているのね?」 「犬神さんが危険だと騒いでます」  神社の神主で神通力を持つ美成が、子狐の私を見ている。遠足で山に登った後でクラスメイトが消えてしまった。今は大騒ぎで失踪事件が報道されていた。 「犬神は何と言ってるの?」  氷室玲子が、妹の氷室愛優に話を聞いている。愛優はゆ

失踪するクラスメイト (07/15)【橙狐は見た】

設定 前話 次話 あらすじ  氷室愛優は、玲子の妹で憑依体質を持つ。危険な式神を二体を封印した彼女を橙狐が見守る。深大寺には、他の子供と違う暗い影がある。 (私が見えている)  深大寺は、私の横顔を見ながら薄く笑う。霊視能力がある。それもかなり場慣れしている、彼は成人しているかのように落ち着いて見えた。 「そうね、私は変わってるかも?」  愛優が生真面目そうな顔をする。じわりと冷えるような気味の悪い空気に変わる。のっそりと犬神が顕現した。 (こいつはやばいぞ、喰った