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傷つきました

車に轢かれそうになりました。
22時頃、信号機のない横断歩道を渡ろうとしたときのこと。
左右から車が来ないことを確認して歩き出した途端、左から小型トラックが走ってくるのが見えました。夜とはいえ、見通しのよい道路でしたし、片側1車線のあまり広くない道路幅です。私は横断歩道の半分まで来ていたのに、トラックは一向に減速する様子を見せず、どんどん加速してきます。
怖くなった私が足を止めると、トラックは私の前をサイドミラーがぶつかりそうな距離で走っていきました。しかも、走り去りながら煽るようにクラクションを鳴らしてきます。
頭にきた私は、必死でトラックのナンバーを覚えました。すぐに写真を取れればよかったのですが、残念ながら携帯電話はカバンの中。ナンバーをブツブツと繰り返しながら、大きなトートバッグの中から携帯を探し、メモ入力しようと画面を開いた途端、今まで必死で覚えていたナンバーが飛んでしまったのです。頭の中にも口の中にも数字ひとつすら残っていません。分かるのは白い小型の軽トラックだったことだけ。
私は自分の記憶力に愕然としました。もう少し若い時なら覚えられたはずだし、数字1つも出てこないということはなかったはず。忘れないように何度も呪文のように唱えていたのに…、もうすでに轢かれそうになったことはどうでもよくなり、自分の記憶力低下へのショックで立ちすくむのみです。
身体はどこもケガしなかったけれど、心に大きな傷を負った出来事でした。

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