開けた時点でDeath or Die

右手には逆さまのお椀。
お椀の中身はカサカサする黒光りのアイツ。
「退治してやるから開けろ」
「何を言ってるんですか!?
これは開けてはならないパンドラの箱なんです!
開けた時点でDeath or Dieです!!」

ぼくのスキなアニメの1シーンです。
『日常』ってやつです。
結構前のヤツです。
セリフはたぶん正確ではありませんが、こんな感じだったはずです。

Death or Die というのは、かなりヤバいですね。
「死」か「死ぬ」か。
どっちでも氏ぬやんけ。

アニメを真面目な話に繋げるのはアレかもしれませんが。
この思考、いわゆる「白黒思考」とか「オール・オア・ナッシング」とか呼ばれる考え方です。

別にGを解放したところで本当に死ぬわけではないですし、仮に死ぬとしても回避できるかもしれない。
でも、彼女は言います。
「Death or Die」と。

ぼくもかつて、いや、今でもついついやってしまいがちになるんですが、似たような考え方をしていたことがあります。

それは完璧主義。
「完璧にできないと失敗」は「Death or Die」に似ています。
似てますよね?

完璧主義って、いい面もあります。
出来上がるものは、いい加減に作られたものよりも遥かにいいものであることが多いですし、そういう人の仕事は大抵期限だって守られてます。

しかし、いいことばかりではありません。
完璧を求めるあまり、わずかなミスさえ許されない。
高い品質を維持しながら納期を守ろうとするため、基本的に過重労働ぎみ。
長時間の集中が求められる上、ときには休むことさえ忌み嫌われる。

もっとも厄介なのは、このような異常な取り組みを自分で自分に課すことさえある、という点です。
ドMだねぇ!

もうね、完璧主義には「ほどほど」という概念がないのがヤバい。
完璧じゃなかったら、全部失敗になっちゃう。
ほんとヤバいです。

こういった偏った考え方は、うつ病では「認知の歪み」なんて呼ばれていたりします。
そして「完璧主義」や「Death or Die」のような考え方は、「認知の歪み」の代表的な例のひとつとされているのです。

じゃあ完璧主義は悪なのかというと、行き過ぎなければいいのかなぁ、と個人的には思います。
マインドに悪影響を及ぼすくらいに、もはや脅迫的とも思えるほどに完璧を求めていたり、「失敗するくらいならやらないほうがいい」なんて極端な考え方をしてしまうのがマズイ感じです。

「普通もアリ」と認められるくらいでいた方が、心に余裕をもたせることができますし、物事を判断するという意味でも、「成功か失敗か」よりも「成功か失敗か、途中までは成功か」くらい幅広く現実的に対応することができるかと思います。

人間なんですから、調子の善し悪しがあるのは当たり前。
常に完璧なんて、どだい無理な話なんです。
もっと自分に優しくしてあげましょう。

ぼくも気を付けます。

ーおしまいー

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