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少しずつ、進んでいる


数年前の夢

数年前、まだ会社員だった頃のこと。会社の帰り道の車の中で、私は「なりたい自分像」について考えていた。

その時のイメージはこんな感じだった。

「今の彼氏と結婚して、自然豊かで静かな場所に移り住んで、毎日彼と一緒に温かな生活をすると同時に窓辺でハーブティーを飲みながら原稿を書く優雅な生活を送っている私」

さらに同時にこんなことも思っていた。

「執筆の仕事、自分の好きな仕事で年収1000万円になりたい」

別に年収1000万円が具体的にどんなものなのか、当時も今も知っているわけではない。ただ漠然とした、「とりあえず豊かな生活ができる金額」というイメージがあるだけだった。

数年前の出会い

その後私はその会社を辞めて、自分のやりたいと思っていた仕事を始めた。しかしなかなか収入を軌道に乗せることができず、思うように稼げなかった。

そんな中でも上記のライフスタイルと収入に関するイメージを抱き続けていた。

2017年3月、私が27歳になろうとしている頃、一人の女性にたまたま出会った。その人は今までに何百人もの人のコンサルを行ってきたという人だった。だからぱっと会った人の成長予想をすることも得意としている人だった。

私はその人になりたい自分のイメージを伝えた。

「今から全力で人に会うことを意識していけば、30歳になるまでに年収1000万円になれる」

その人はそう言ってくれた。

でも、結局当時27歳の私は具体的に人と会うための行動をできなかった。どうしてもお金のことが不安で、人に会うための経済的、そして精神的な余裕がなかったのだ。

結局私が本気で人と会うことを意識するようになったのは、28歳の秋頃だった。その人からアドバイスをもらってから、1年半後ということになってしまう。

今思うとその人に対して申し訳ない気持ちになる。

これからの夢

27歳でイメージの中での「今の彼氏」である夫とついに結婚した。

結婚後激しく喧嘩をしたこともあったが、結婚したことによって二人のこれからのビジョンが見えるようにもなった。

「詩織がそこまで自分の仕事を頑張りたいのであれば、そしてそこまで仕事が好きなのであれば、俺を主夫にしてくれ。そして一緒に北海道に移住しよう。そのためのサポートを俺はする」

夫はそう言ってくれた。

そしてこの夫のセリフは、私が数年前会社の帰り道で思い描いていたイメージとも非常に近い。私一人のイメージだったのが、夫婦共通のイメージになったということでもある。

二人の夢

それから少しずつ夫と北海道移住の話をするようになった。北海道に行ったらどんな生活をしているのかといったことや、そのためにはどれくらい私が頑張る必要があるのかといったことまで。

この3月、ついに私の仕事での収入がリクナビの就活サイトに掲載されていた初任給(実際に支給された初任給ではない)を超えた。しかも大幅に。

少し時間がかかりすぎた印象を持つ人もいるかもしれない。でも、自分のやりたい仕事、夢の仕事でこれだけの金額が稼げたというのは、私にはとても嬉しかった。

そして夫も一緒に喜んでくれた。

さらにこの日曜日は思い切って住宅展示場に足を運んだ。家を建てるということに関しては本当に無知で、まだ本気で家を建てようとも思っていない、しかも建てるとしたら北海道に家を建てるなどと考えている私たちが、展示場に行き営業の人に話しかけるとは、半ば冷やかしに近いものだったのかもしれない。

でも、かなりの収穫があった。だいたいの予算感や、スケジュール感、ハウスメーカー選びのコツなどが多少は分かった。

そして予算感の話を聞いたところ、「私が仕事をして夫が主夫になる」というビジョンが決して不可能ではないということも分かった。

数年前に思い描いたライフスタイルに、今着実に近づいている感覚がある。何かと不安になってしまいがちな私だが、ちゃんと進んでいる。

進んでいる実感を、もっと噛み締めたらいい。

そうしていたら27歳の時に会った人に言われた、「30歳になる頃には年収1000万円になっている」というのも、割と近い形で実現するのではないだろうか。

スタートが28歳秋になったので、31歳ごろには……?


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