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プロ野球の運営会社はどんな会社?♯ 9 株式会社 中日新聞社

 プロ野球12球団の中で読売ジャイアンツ、阪神タイガースに次いで長い歴史を持つ中日ドラゴンズ。中日ドラゴンズという名前を知っている人はたくさんいると思いますが、中日という企業は東海以外の地域に住んでいる人からすると、あまり馴染みがない企業かもしれません。中日ドラゴンズを運営する株式会社 中日新聞社とはどのようは企業なのか、今回は調べてみました。

◯中日新聞社の歴史

 1888年に創刊された新愛知新聞、1906年に創刊された名古屋新聞、この2つの新聞社が合併して、1942年に株式会社 中部日本新聞社が創立されました。1951年、中部日本放送(CBC)が日本初の民放ラジオの放送を開始しました。1954年に中日スポーツ、1956年に東京中日新聞を創刊、同じ年に中部日本放送(CBC)がテレビ放送を開始しました。1958年に東海テレビ放送がテレビ放送を開始、1959年には東海ラジオが設立され、放送を開始しました。1つの新聞社が複数のテレビ局やラジオ局に携わっている(クロスオーナーシップ)のは全国的にも珍しいです。1963年に東京新聞の経営に参加、1965年に中部日本新聞を中日新聞、1970年に東京中日新聞を東京中日スポーツに改題、1971年に社名を株式会社・中日新聞社に変更しました。

◯中日新聞はどれくらいの規模があるのか

 私は大阪の出身なのですが、正直、中日新聞は馴染みがなく、他社と比べてどれくらいの規模があるのかイメージが湧かなかったため、大手新聞社の発行部数を調べてみました。以下は2022年上半期の1日の平均発行部数です。

読売新聞 約686万部
朝日新聞 約430万部
毎日新聞 約193万部
中日新聞 約193万部
日本経済新聞 約175万部
産経新聞 約102万部

 日本の新聞は読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞が全国紙に分類されますが、中日新聞は毎日新聞と同じくらいの発行部数があり、発行部数だけで考えると全国紙に負けない規模があります。

 中日新聞社が発行する新聞として、他には東京新聞(約39万部)、北陸中日新聞(約8万部)、日刊県民福井(約3万部)などがあり、この4紙だけで合計で約243万部を毎日発行しています。

◯中日新聞社のグループ企業、関連団体

 中日新聞社のグループ企業、関連団体の多くが新聞に関するもので、新聞の販売、印刷、広告、折込関係のものが多いです。他の事業では中日ドラゴンズの本拠地であるバンテリンドームナゴヤ(株式会社ナゴヤドーム)が中日新聞社のグループ企業であり、2022年には開設されたジブリパークの運営会社が中日新聞社とスタジオジブリの共同出資によって設立されました。

◯中日ドラゴンズが閉鎖的な雰囲気になっている理由

 中日ドラゴンズを見ていると、どこか閉鎖的な雰囲気があり、意見の通りにくさ、ファンの声が届いていないと感じることがあります。その理由として、中日新聞社が非上場企業だということがあると思います。非上場企業は一般投資家が株を購入することが難しく、ドラゴンズファンが中日新聞社の株を買って、株主総会で意見を出すことは困難な状況です。タイガースファンの株主が阪急阪急ホールディングスの株主総会でタイガースに関する質問ばかりをして、それがニュースになることがありますが、上場企業が運営をしている球団に関しては意見を直接伝えられる環境があるのです。

 また、非上場企業は財務状況を報告する義務がないため、財務状況の分かりにくさから、実態がよく分からない部分があります。中日新聞社に関しては2023年3月期、つまり2022年4月1日からの1年間で約25億円の純利益があることが公表されていますが、中日ドラゴンズに関しては決算情報が公開されておらず、どれくらいの利益があるのか分からない状況になっています。このような点もドラゴンズに閉鎖的な空気があり、風通しの悪さを感じる要因になっているのかもしれません。

 私は球団側がファンの意見を何でも取り入れることには反対ですが、多くのファンが不満に思っていることに取り組まないことに関しては球団側に問題があると思います。星野仙一さんや落合博満さんは球団側に意見をしっかり伝えたり、物事を動かす政治力がありましたが、最近のドラゴンズは星野さんや落合さんのような求心力がある監督が減っており、それがドラゴンズの閉鎖的な雰囲気に拍車をかけているのだと思います。


◯出典
・会社案内/中日新聞社 2023年11月10日
https://www.chunichi.co.jp/info

・中日新聞社 社史・沿革 2023年11月10日
https://www.chunichi.co.jp/info/enkaku

・文化通信 ABC協会 新聞発行社レポート 配信 2022年9月6日
https://www.bunkanews.jp/article/285391/

・文化通信 中日新聞社 23年3月期決算は減収減益に 配信 2023年6月19日
https://www.bunkanews.jp/article/334715/


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