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銃・病原菌・鉄 ジャレド ダイアモンド (著)

このマガジンでは、文学編集者兼プロデューサーのジョンが読んで面白いと感じた書籍を紹介しています。今回は、「銃・病原菌・鉄」について取り上げます。

「銃・病原菌・鉄」は、人間の能力や特性についての科学的根拠がないことから、人種や民族による能力の差異は存在しないと訴えかけてくる一冊でした。

この本は、なぜヨーロッパ人が他の文明に先んじて世界を支配することができたのかを解明するために書かれている歴史の解説本の体裁です。


ダイアモンドは、その理由を単に「地理的要因」としています。


すなわち、ヨーロッパには他の文明にはなかった肥沃な土壌や多様な気候、さらには多くの種類の家畜が存在したことが、ヨーロッパ人が農耕や家畜飼育を始めることを可能にした。
一方で、他の地域では病原菌や気候の影響が強かったことから、農耕や家畜飼育がうまくいかず、文明の発展につながらなかったとしている。
ヨーロッパには鉄鉱石が豊富に存在したことも、他の文明よりも発展を促した要因の一つであったと。

地理的な要因や歴史的な偶然が文明の発展に影響を与えることを示し、自分たちの文化や歴史、環境を理解することで、より良い社会を築くことができるということを示しています。

「人間が生まれながらにして平等である」

ことを直接的に語ることなく、2冊の歴史の描写を通して読者悟らせる面白さがあります。

この本の理解があれば、私たちは、人間種に対する偏見や固定観念を払拭し、多様な人々と協力し、より良い社会に近づくのではないかと思わせられます。

10年近く前の古典のジャンルとなっていましたが、2冊一気読み不可避です。Audible版も出ているのでまだ読まれていない方は、ぜひ手にとって見てください。


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