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年収で仕事を選ぶとなぜ失敗するのか

年収で仕事を選ぶと成功する人と失敗する人がいますがどのような背景や要因があるのでしょうか。
今日はそれについて考えてみたいと思います。



職業選択の価値観

まずは主要な先進国の職業選択の価値観などを一般的な論評で比較してみましょう。


  1. アメリカ:

    • 職業選択の価値観: 個人の自由と選択の重視。キャリアの成功は努力と実績に基づくという信念。

    • 教育: 多様性と選択の自由を重視。大学進学を奨励し、多くの専門職への道が大学教育を必要とする。

  2. カナダ:

    • 職業選択の価値観: 多文化主義と平等の重視。職業の選択は個人の興味や能力に基づく。

    • 教育: 公立学校の質が高く、多様性を尊重する教育方針。

  3. イギリス:

    • 職業選択の価値観: 伝統と階級意識が影響。しかし、近年は多様性と平等が重視されるように。

    • 教育: A-levelsやGCSEなどの試験制度。大学進学を奨励。

  4. フランス:

    • 職業選択の価値観: 文化と伝統の重視。公務員や大企業への就職が高く評価される。

    • 教育: 厳格なカリキュラムと試験制度。グランゼコールなどのエリート教育機関が存在。

  5. ドイツ:

    • 職業選択の価値観: 職業教育と実務経験の重視。技術職や職人の地位が高い。

    • 教育: デュアルシステムと呼ばれる職業教育制度。実務経験と学校教育を組み合わせる。

  6. イタリア:

    • 職業選択の価値観: 家族や地域の伝統が影響。小規模企業や家族経営のビジネスが多い。

    • 教育: 大学進学を奨励。芸術やデザインの教育が評価される。

  7. 日本:

    • 職業選択の価値観: 安定と終身雇用の重視。大企業への就職が目指されることが多い。

    • 教育: 受験戦争と呼ばれる競争的な教育環境。大学名がキャリアに影響。

  8. ロシア:

    • 職業選択の価値観: 国家や公共の利益を重視。公務員や研究職が評価される。

    • 教育: 厳格なカリキュラム。科学や技術の教育が強化されている。


よく日本の職業選択における価値観で比較されるのはドイツですが、日本とは全く異なる価値観で職業を選択しています。
ここではドイツに着目してみましょう。


ドイツの職業の価値観と教育

デュアル教育とデュアル学習は、特にドイツで非常に一般的な教育・訓練システムです。以下に、その導入の背景、結果の是非、および他国との比較に関する情報をまとめました。

デュアル教育とデュアル学習の導入背景:

  1. 実践的なスキルの習得: デュアル教育は、学生が実際の職場での経験を積むことを重視しています。これにより、学生は理論的な知識だけでなく、実践的なスキルも習得することができます。

  2. 雇用の機会: このシステムは、学生が卒業後すぐに就職する機会を高めることを目的としています。実際の職場での経験があるため、雇用者はこれらの学生を採用することを好む傾向があります。

  3. 経済のニーズに応じた教育: デュアル教育は、経済のニーズに応じて教育プログラムを調整することができるため、労働市場の変動に迅速に対応することができます。

結果の是非:

  • 肯定的な結果: デュアル教育の受講生は、卒業後の雇用率が高いとされています。また、実践的なスキルの習得により、職場での即戦力としての価値が高まります。

  • 否定的な結果: 一部の批評家は、デュアル教育が学生を特定の職業に限定する可能性があると指摘しています。また、学業と実務のバランスを取るのが難しいという意見もあります。

他国との比較:

  • デュアル教育は、特にドイツやスイスなどの国で非常に評価されています。これらの国では、このシステムが労働市場の安定と経済の成長に寄与していると考えられています。

  • 他国からの評価も高く、多くの国がドイツのデュアル教育システムを参考にして自国の教育システムを改革しようとしています。

総じて、デュアル教育とデュアル学習は、学生に実践的なスキルを提供し、労働市場のニーズに応じた教育を提供するための有効な手段として広く認識されています。


日本以外の職業における価値観や教育面

先進国における職業選択の価値観や教育面でのアプローチについて、一般論としては以下のような論調です。

  1. 職業選択の価値観:

    • 先進国では、個人の興味や能力、価値観を基に職業選択がなされることが一般的です。キャリアカウンセリングやキャリア教育が行われ、個人が自分の適性や興味を理解し、それに基づいて職業を選択するサポートが提供されます。

    • 経済的な安定や社会的地位を重視する人もいますが、自己実現や仕事の満足度を重視する人も増えてきています。特にミレニアル世代やZ世代は、仕事の意義や価値観の一致を重視する傾向があります。

    • ワークライフバランスの重視も増えてきており、柔軟な勤務形態やリモートワークの導入が進められています。

  2. 教育面でのアプローチ:

    • 先進国の多くでは、生徒や学生の興味や適性を重視した教育が行われています。例えば、プロジェクトベースの学習や実践的な学習が取り入れられることが増えています。

    • 教育の初期段階からキャリア教育や職業体験が取り入れられ、生徒や学生が将来のキャリアを意識的に考える機会が増えています。

    • テクノロジーの進化に伴い、デジタルリテラシーやプログラミング教育も重視されるようになってきました。これにより、21世紀のスキルとして求められる問題解決能力やクリティカルシンキングの育成が進められています。


仕事選びの基準

1. 個人の特性と仕事選び

  • 個性や適正: 人はそれぞれ異なる個性や適正を持っており、これが仕事の適性に大きく影響する。

  • 人間性や性格: 仕事の内容だけでなく、職場の雰囲気やチームの関係性にも影響を及ぼす。

  • 得意・不得意: 自分の得意分野を活かす仕事を選ぶことで、より効率的に業務を進めることができる。

2. ドイツの職業選びの仕組み 

  • 早期のキャリアガイダンス: ドイツでは、子供のころから職業に関するガイダンスが行われる。

  • 職業訓練: 実際の職場での研修や学校での専門教育を組み合わせたデュアルシステムが採用されている。

  • キャリアの多様性: ドイツのシステムは、多様なキャリアパスを提供し、個人の適性や興味に合わせた職業選びをサポートしている。

3. 日本の仕事選びの現状

  • 年収重視の風潮: 日本では、高収入の仕事を選ぶ傾向が強いが、これが必ずしも幸福感や満足度に繋がるわけではない。

  • キャリア教育の必要性: ドイツのような早期からのキャリア教育やガイダンスが日本でも求められている。

4. 仕事選びの基準とは

  • 自分の価値観を知る: 仕事選びの基準は、自分の価値観やライフスタイルに合わせて設定することが重要。

  • 長期的な視点: 短期的な利益や収入だけでなく、長期的なキャリアの展望や成長の可能性を考慮する。

  • 情報収集: さまざまな職業や業界の情報を収集し、自分に合った仕事を見つけるためのリサーチを行う。


論評

日本では自分がやりたい仕事や自分に向いている仕事を選ぶよりもただ単に高収入の仕事を選ぶ傾向が強く、自分自身の本当に興味がある内容や自分自身に適した能力、自分自身の信念や価値観などを踏まえた職業を選択する風土が希薄です。

本来は教育として小さい頃からキャリアカウンセリングやキャリア教育が行われ、個人が自分の適性や興味を理解し、それに基づいて職業を選択する流れには一定のメリットがあります。

自分に向いている仕事をしていると、精神的にも満足感や安心感なども得られる機会が多くなり結果的にSNSなどで他人の生活水準や収入モデルと自分を比較するという無意味な焦燥感の場も減ります。

もちろん収入が多い方が喜ばしいことですが、本質的に人生が幸せだと感じることが出来る生活や家族や家庭で精神的に不安定な環境を過ごすよりは自分に適切な収入で適切な範囲での幸せを理解することの方が結果的には後悔や精神的負荷は少ないケースが考えられます。

年収だけで仕事を選ばない重要性を日本でも小中高から大学も含めて、教育機関では真剣に取り組む必要性が生じ始めています。
それと同時に大学に入る意義や意味の是非なども政府を含めた国全体として望ましい方向に正していく必要性も併せて不可欠です。

まずは自分の家庭で子供にそういった人生の幸せとは何なのかという価値観を教えていくところから大事にしていきたいですね。

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