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【映画】31年目の夫婦げんか

※この記事は映画レビューを含むため、ネタバレやあらすじが途中出てきますのでご注意ください。


恋愛要素    ★★★★★
面白さ     ★★★★☆
深い話     ★★★★★
2013年7月公開


マンネリ化した関係性、夫婦という関係の曖昧さ

この映画は非常に深い話だった。

夫婦という関係性が長引くと、ただの同居人となってしまう事が少なくない。

お互い好きで付き合い出して結婚したはずなのに、互いの日々の生活に無関心だったり仕事や育児をきっかけに夫婦の生活リズムが変わって一緒にいるのに疎遠になったり、パートナーが太りすぎてイビキがうるさくて寝室が別になってしまったり。

生活を共にすればするほど、ただの同居人のような、何故一緒にいるのか すら理解不明になる人間関係になってしまったりもする。
しかし、法的手続きの上で夫婦となっているので 恋人のようにホイホイと終わらせることもできない。だから大きな問題がないのだけれど、気が付けばダラダラと何年も連れ立っていたりもする。

この映画は、そんな何処にでもある夫婦関係に切り込んだ話で お互いのスキンシップの状況から果てはセックスに関することや嗜好に関する事まで切り込んで展開されていく。
何とか仲良くなりたい奥さんと、そんなの今更興味がないと突き放す夫。
それにショックを受ける女性の心の動きや、家を出て行ってしまう展開に慌てる男性。

この映画の通りのような現実がある。
気恥ずかしさや、ほんのすれ違いから疎遠になってしまっただけなのに、その理由もわからず悲しむパートナー。自分に魅力がないのだと悲しむことも含めてリアルだと思う。

一度でもパートナーと長く暮らした人ほど共感がしやすい作品。
しかし、万年仲良くしている夫婦からしたら驚きの事かもしれない。
こんな形の夫婦がそれなりに多いと思う。

多分に漏れず、感想を書いている私自身、この映画のように元夫とはすれ違いの上破局しているから。映画のようにカウンセリングすることはなかったし、残念な結果となったけども、この映画のように話ができていれば、また違う未来もあったのかなぁと思ったりもする。

分かり合う事の難しさを描いていて、それに対してユーモアも混ざって展開されていく作品。

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