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ヘタレの私でも働きやすい職場をギリギリまで追求することに決めた(4)

ご無沙汰しております。ノーンです。
(3)で5月からお試しフリーランスになると書いたとおり、11年の時を経て、私は再びフリーランスになりました。

2度目のフリーランスを1か月やってみて、感じることを書きたいと思います。

私は今、現状ベスト of ベストの環境にいる

分母の「ベスト」は、フリーランスそのものの「自宅で時間拘束がなく好きな仕事をできる。自分の都合で予定を組み変えることができる」という特性を指します。

分子の「ベスト」は「一度目にフリーランスに失敗した時と違う部分」を指します。

私は、11年ほど前に一度フリーランスに失敗しています。
当時、今と違ったところ。それは「前回は常にお金の心配をしている状態だった」こと。

現在も、もちろん充分足りているわけではありませんが、毎月ある程度仕事があり、前回のようにお金の心配で気が狂っている状態ではありません。収入は決して多くはないのに、休むことに罪悪感を感じることもありません。この違いは何なのでしょう。

愛猫の具合が悪くてもすぐに様子を見に行ける

ヘタレの働き方』や下記の記事にも書きましたが、私の仕事観を変えたできごとがあります。

それは、故・愛猫コッペが闘病していた頃、当時勤めていた会社の上司達が多大な理解と気遣いをしてくれたこと。

家族同然の猫たちの具合が悪く、それでも仕事に行かねばならない時の不安は言葉になりません。私にとって「これがベストな環境だ」という大きな要因のひとつは、自宅で時間拘束されずに働いていることで、愛猫の具合が悪くてもいつでも様子を見て対応できること。

猫の一生は人間よりずっと短い。少しでも長く彼らと一緒にいるために、私は自宅で働きたいと願っていました。

フリーランス1日目は、講師デビュー

実は、フリーランス1日目は講師デビューでした。
4月23日が最終勤務日。その翌日24日は、ライター仲間たちが運営する「さい塾」にて、「提案交渉できる私達」講座を開催。この講座は脚本家であり電子出版プロデューサーの永妻優一さんとのコラボで行い、多くの受講生さんに喜んでいただくことが出来ました。

→主宰のさいはなさんが、ブログにレポートをまとめてくれました!

現在のお仕事の状況

現在のお仕事の状況はこんな感じ。

現在抱えている案件はイラストとデザインがメイン。月に10件弱で、同時進行は時により3〜5件程度。
件数は電子書籍の表紙が最も多く、その他にキャラクターデザイン案件、加えて電子書籍の印税で収入が構成されています。
その他、LINEスタンプや以前作っていたグッズの在庫をちまちま販売しつづけていますが、こちらは微々たるもの。

今ある程度のお仕事をいただけているとはいえ、どの案件も単発案件であり、今たまたまあるだけ。
今後のために、水面下で色々なことを始めています。

また、1年近くお世話になったライティングの継続案件を終了。実績に使えないこと、あまりライティングのスキルアップに繋がらない内容であることなどから、モヤモヤしながらも続けていたものでした。

卒制のかるたを電子書籍に!

水面下で始めていることのひとつに、新しい電子書籍に関する取り組みがあります。

【抜粋】かるたファイル_表紙

デザイン学校卒業制作の相撲かるたを電子書籍化したいと以前から思っていたのですが、ついに着手しました。

クリエイティブな仕事をしている方は何となくわかるかもしれませんが、正直なところ私は過去の作品を褒められてもピンときません。それは、私が少しずつレベルアップしているから。

しかしこのかるただけは、イラストレーションとライティング、デザインを全て自分が手がけた大作で、少し別ものの自信作なのです。何度か展示された以降ずっと眠っている作品にとうとう日の目を見せられる日が近づきました。

電子書籍は、その他の媒体と違い権利関係が特殊です。例えばフォント。商用利用OKのフォントでも、電子書籍では利用NGなものが大変多いなど……。

相撲かるたには、相撲の番付で使われるフォントを使っていますが、卒制に使ったフォントは電子書籍への使用はNG。

諦めずに探したところ、ひとつだけ電子書籍に使用できる相撲体フォントが見つかりました。あとは、私が動くだけです。

よりによってこんな時にフリーランス?

さて、現在私は、家庭にいくつかの問題を抱えています。家族の病気や障がい、そして、身内の瑕疵による完全なとばっちりで、これまで私が積み重ねてきたこと全てが無に帰すかもしれないというところまで行きました。

これについては何とかなりそうなのですが、今ほど複数のことについて事態がひっ迫し、家庭全体に経済的余裕がない時もなかなかありません。

我ながら、なぜこんな時にフリーランスになったのか?不思議です。

しかしこれが、宇宙の采配だったなぁと思うのです。

なぜ私は決断できたのでしょう。

これは「決断」ですらなかった

あまりに自然な流れすぎて、それは「決断」ですらなかったのです。

前回の(3)で書いたとおり「こんなにいい環境の職場でもこんなに苦しい、こんなに私は会社勤めが向いていないのか」そう実感すると同時に個人の仕事が軌道に乗り、派遣契約が自らの意志とは無関係に終了。

川が流れるかのようでした。

一度失敗したことがあるから分かった「手応え」の違い

しかしそれだけでは、過去の私だったらまだ「急いで派遣を探さなきゃ」としか思わなかったでしょう。

今回は、手応えが違ったのです。

前述したとおり、私は一度独立に失敗しています。

当時と今とでは、全く手応えが違うのです。

クライアントの喜び方、評価、リピート率、自分から見た作品の出来、そして何より仕事に取り組む時の楽しさ。全てが前回とは全く別ものです。

これは一度失敗しているからこそ分かること。過去の手痛い失敗は、11年を経て私の道しるべとなりました。

ヘタレの働き方』にも書いた「宇宙に応援されるの法則」がここでまた体現されている気がします。

言い訳も保険もやめよ

そんなこんなで、私はすんっとフリーランスになりました。

私の目の前には「週2から4の派遣が見つかるまでフリーランス」という建前のようなものがあり、かつ、失敗した時のために保険をかけて「お試しフリーランス」などと話していましたが。

ある時、SNSに書いていたその表記を取っ払いました。

「お試しフリーランス」などと言いながら内心では「このまま永久フリーランスになれたらどんなにいいか」そう思っていたのです。

ある時覚悟ができ「個人の仕事だけでは足りなくなって、やっぱり少し派遣をやろうとなったらそれでいいじゃないか!恥ずかしいことなどない。そこで私の価値が決まるわけではない。」そう思えたのです。

少しずつペースがつかめてきた

現在家族が入院していることもあり、緊急なことがあっても仕事に影響しないよう全ての業務にかなり余裕を持たせてスケジューリングしています。

その中でも「できる限り早く終わらせて余裕を持たせよう」という意識が働いたのか「かなり巻いた状態で仕事をしていたところ、とても余裕ができて思いのほか休めた!」ということが何度もありました。

派遣をやっていた頃に比べて収入は下がっていますが、同じ労力で働いても今の方が率がいいと体感しています。

もっと案件が入ったら受け止めることができ、今ぐらいの仕事量だとしても、ある程度休みながらでも何とかやっていける。そんな感じのバランスの取れた働き方ができるようになってきた気がしています。

今後の見通し

さて、今後はどんな感じかと言いますと、6月は現在同様一定の案件が決まっており、フリーランスを継続予定。7月以降は決定している案件がまだ少ないため、入り口を広げるために水面下で様々なことを始めています。

新しい試みとしては、4月までの派遣先で使ったドロップシッピングサイトがとてもよかったので、オリジナルグッズのお店を再びオープン予定です。

『ヘタレの働き方』にも書きましたが、グッズを作ることそのものが目的ではないのにグッズが一人歩きしてしまった過去の経験から、私は新規のグッズ制作を止めていました。

しかし在庫を持たなくていいシステムに乗せれば、リスクも労力も最小限におさえてお店を開くことができます。

ライティングのお仕事に関する新たな勉強も始めています。

会社勤めの時代に「ベストな環境を見つける!」という決意から始まったこのシリーズ。 フリーランスになっても引き続き続編を更新していきたいと思っています。

  



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