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【追悼】山崎さんの魂の叫びを聞いて考える「人生をカモられないために必要なこと」とは?

おはようございます、ひらっちです。2024年が始まったばかりですが、いきなりの3連休。皆さんはいかがお過ごしですか?

僕は年末年始にやり切れなかった大掃除をしています。特にPC周り。デスクトップ画面がえらいことになっていたので整理整頓しています。これで少しは作業効率がアップするかな?

<いつものように簡単な自己紹介です>

僕は、地方国立大学を卒業後、ブラック企業で営業マンを経験。その後、フリーランスのライターとして独立開業、さらに数年後、新規就農して農業をスタートさせ、2024年現在、好きな仕事を選びながら人生を謳歌する「ほぼセミリタイア生活」を実践しているアラフォーです。

このnoteでは、特に20・30代のビジネスパーソンの皆さんに、僕の経験に基づいた「人生を楽しく過ごすための技術」を提供し、少しでもたくさんの方に「幸せな毎日」を掴んで欲しいと考えています。どうかお付き合いください。

現在、『マイナビ農業』で不定期連載中。農業に興味をお持ちの方はぜひご覧下さい。

■色々と勉強させていただいた山崎元さんがお亡くなりになりました。

あらためまして、ひらっちです。今日は「投資」「人生」あたりをテーマに書いてみたいと思います。

2024年は本当に大変な幕開けとなりましたが、先週5日にはまた一つ、悲しい知らせが届きました。

このnoteでもたびたびご著書を取り上げていた山崎元さんが、元旦にお亡くなりになったそうです。享年65歳。これからまだまだ色んな情報を発信してくださると思っていただけに本当に残念でなりません。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

昨年5月にも、最近読んでいる本の1冊として著書をご紹介させていただきました。今日は山崎さんへの追悼の意味を込めて、過去の記事を改めてリライトして掲載したうえで、最近YouTubeにアップされていた対談動画を見た感想を書いてみたいと思います。よろしければお付き合いください。

【過去の記事はこちら】※今回の原稿の元ネタです。

■今回は過去の記事をリライトして改めて掲載します。

みなさんは最近、本を読んでいますか? 

僕はライターとして本づくりに携わる立場ですから、多分にポジショントークが含まれていると思いますが、やっぱり読書はいいですね。できればずっと本を読んで過ごす日々を送ってみたいものです。…うーん、それはそれで、飽きそうな気もしますけど笑

このnoteでも以前に書いたと思いますが、最もコスパのいい自己投資は、やっぱり「読書」だと思います。だいたい1500円前後、高くても3000円くらいで専門家のノウハウや思考法を学べるツールって、他にはなかなかないと思います。

本を作る立場になってみるとよーく分かりますが、1500円の本を1冊作るためには、たくさんの人が関わり、大変な労力がかかっています。正直、本業でありながら「こりゃ、割に合わんな…」と思うこともしばしば笑。

逆に言えば、読者の方にとっては得できるケースが多いわけで、読書量の多い人に成功者が多いのも納得、といったところでしょうかね。

さて、そんな読書ですが、お金関連の本ですと、最近はこの2冊が売れているし、投資初心者~中級者向けにはお勧めかなと思っています。

まず一冊目は『ジェイソン流お金の増やし方』です。改めて語るまでもないですが、IT業界で仕事をしながらお笑い芸人としても活躍する「厚切りジェイソン」さんの著書です。

僕のスタンスとしては、ジェイソンさんがお勧めする「米国株一択」というのは、分散という観点で「やや偏りがあるんじゃない?」という気もしますが、「まずは支出を抑える」といった考え方には全面的に賛同します。

節約の項目では「歩け」「ジムは公共施設を」というアドバイスがありますが、このあたりは、僕でいうと「畑でトレーニング+食費節約」といった感じになるでしょうかね。なかなか都会では難しいと思いますが、トレーニングに固定費を支出している人にこそ、畑作業はメリットが大きいと思います。僕も家庭菜園を始めた時は、運動不足の解消がテーマの1つでしたから(^^♪

もう1冊はこちらです。以前にもちらっと紹介した『全面改訂 第3版 ほったらかし投資術』です。このnoteでもおなじみの山崎元さん、水瀬ケンイチさんによる共著で、1・2版の内容を最新情報を踏まえて大幅に改定したものになっています。

僕はもちろん1・2版を読ませていただいていて、特に1版の内容は、今の僕の投資スタイルの下地になっています。当時は「日本株・海外株をほぼ半々」というスタンスでしたが、今回は潔く「全世界株1本」に絞ったところが改定の1番のポイントだと思います。

ただ、読者の大半はサラリーマンだと思います。そのため、この内容は「フリーランス」を前提にした時には「ちょっと違うかな?」と思う部分もあります。本業でリスクを取っている分、もう少し手持ち資金を厚くしたり、iDeCoは最終手段にしたり、といったカスタマイズが必要だと感じます。

というわけで今日は、ほったらかし投資術の実行マニュアルを見ながら、「ほったらかし投資術」のフリーランス版を考えてみたいと思います!

■ほったらかし投資術をフリーランス目線で分析してみた

では、さっそくまいりましょう。「ほったらかし投資術」で紹介されている全6項目の実行マニュアルについて、フリーランス視点で順番に解説していきますね(^^♪

【1】
概ね3カ月~6カ月分の生活資金を確保して、普通預金に置く。それ以外のお金を「運用資金」と呼ぶ。

これはよく「生活防衛資金」と言われる部分ですね。借金をするような事態に陥ったら、躊躇なく運用資金を取りくずせばいいですけど、ピンチの時は株価が暴落しているケースだと思うので、安値のタイミングで売ることになり、長期投資の意味が薄れてしまいます。そこで嵐に耐えてちゃんとコツコツ投資を続けていけるだけの余裕資金を持ちましょうね、ということです。

サラリーマンの場合、会社が倒産したりしない限り、いきなり給与が出なくなることはないでしょう。失業したとしても失業保険が給付されますし、病気やケガの時の補償も手厚い。一方、フリーランスはそういうわけにはいきません。

いきなり売上がガクンと下がり、ゼロに近い状況に追い込まれる可能性もある。なので僕は、もう少し厚めに生活資金を手元に確保しておいてもいいんじゃないかなと思います。後述する「無リスク資産」と合わせて、2年分くらいは確保しておくのが安心だと思っています。

【2】
運用資金の中から、リスクを取って運用してもいいと考える「リスク資産」の保有額を決定する。リスク資産の額は「最悪の場合1年後に3分の1程度損をするかもしれないが、同程度の確率で4割くらい儲かる場合もあり、平均的には年率5%程度の収益率が見込める資産をいくら持つか」と自問して決める。「運用資産」から「リスク資産」を差し引いた残りを「無リスク資産」と呼ぶ。

このあたりの説明の仕方が「いかにも山崎さんらしい文章表現だな」と思います(笑)。

「リスク」とは詰まるところ「振れ幅」「ブレ」のことを意味していて、「上振れすることもあれば、下振れすることもあるよ」ということを言っています。上の文章をかみ砕くと「平均的には5%くらいのリターンが見込めるけれど、一時的にガクンと下がることも想定されるので、その時あなたは平静でいられる?」ということを聞いています。いわゆる「リスク許容度(=どれくらいまでのリスクを許せるの?)」を尋ねているわけです。

このあたりは「個人の許容度による」としか言いようがないし、家族がいるのか、子どもが小さいのか、住宅ローンなどの借金があるのかどうか、など、取り巻く状況によって全然変わってくるかと思います。

ただ、サラリーマンという「業務」が「ローリスク・ローリターン」であるのに対し、フリーランスという「業務」は「ミドルリスク・ミドルリターン」であることを考えると、すでに本業で大きめのリスクを取っている分、やや控えめにリスク資産を考えておくほうが賢明だと思います。

【3】
「無リスク資産」は、「個人向け国債変動金利10年満期」又は銀行預金(1人1行1000万円の範囲内を守ること)で持つ。

いわゆる元本保証型の資産をどれだけ持っておくか?ということですね。もちろん円建ての預金を持つことは、現在のような円安が起きた時に不利ですし、「個人向け国債・銀行預金=無リスク」というわけではありません。でも、日本で円を使って暮らしていくことを前提にするなら、リスクはそこまで高くないと個人的には思います。

フリーランスであれば、【1】でも触れた通り、生活防衛資金+無リスク資産をある程度多めに見積もっておくといいと思います。

僕は、この「無リスク資産」を、実行マニュアルの通り、個人向け国債10年と銀行預金で持ってきました。先日10年物の国債が償還されましたが、ぶっちゃけ得られたリターンは微々たるものでした。インフレヘッジができる点が10年物の利点ですが、この期間ずっと金利が最低にへばりついた状況で、結果的にはあんまり意味がなかったかなと思います。

今後はどうなるか分かりませんが、比較的時間に余裕のあるフリーランサーであれば、国債にぶっこんでほったらかすのではなく、ネット銀行の定期でいい利率のところを探して預けるのもいいかもしれません。資金額によりますが、人によっては年間数万円は違ってきそうです。

現時点(2024年1月)では、0.3~0.35%くらいの金利はつくようなので、以下のサイトなどを参考に探してみるのも悪くないかなと。ただ、数十万円程度では大した金額にならないので、まとまったお金を預けることができ、多少の手間を惜しまない方向けにはなりますけどね。

あと、1行1000万円は必ず守ってくださいね。いわゆるペイオフと言うやつで、もしも銀行がつぶれた時、1000万円以上のお金は返ってこない可能性があります。

実は僕、日本で初のペイオフ発動を経験した人のひとりです。2010年に破綻した「日本振興銀行」の定期預金に預けておりまして、その後無事に利息付きで戻ってきましたが、店舗数をかなり絞った銀行だったこともあって、いろいろと手続きに時間がかかったことをよく覚えています。

【4】
「リスク資産」は全て、全世界の株式に投資するローコストな(手数料の安い)インデックス・ファンド(「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」など)に投資する。

僕も以前はいろんなファンドを組み合わせていましたが、現在はほぼオルカン1本です。めっちゃ楽ですもんね。サラリーマンの方も投資に時間を割くよりは本業に精を出した方がいいですが、フリーランスの場合はなおさらそうです。

投資にかまけているくらいなら、本業で稼ぎましょう。もちろん本業の勉強として投資をするのであればいいと思いますけどね。ちなみに僕も、お金の勉強がライターの仕事にかなりプラスになっています。

【5】
iDeCo(個人型確定拠出年金)、NISA、つみたてNISAなどの税制上有利な運用口座を最大限に利用する。これらの口座の運用商品選択は全世界株式のインデックス・ファンドとする。(※一部内容を省略しました)

個人事業主であるフリーランスなら、合法的な節税をするのは当然のこと。所得控除になる「iDeCo」を積極的に使いたいところですが、iDeCoは老後資金を貯めることが目的の制度で、よほどのことがない限り60歳まで引き出すことができません。

「自己破産しても取り崩されない」というのをメリットとして謳っている文章を見たりもしますが、まとまったお金がそこまでがっちり拘束されてしまうのは、浮き沈みが大きい自営業者にとっては、結構なリスクなのでは?と思ってしまいます。

まずはいつでも取り崩せるNISAをマックスで使っておき、相当な余裕が出てきてからiDeCoを検討してみるのがいいと思います。節税をしたいのであれば、廃業すれば戻ってくる「小規模企業共済」の方がまだ使い勝手がいいかな?と個人的には思いますね。いざという時には低金利で借り入れもできますし。

個人的には、【1】まずは「小規模企業共済」→【2】儲かった時には「経営セーフティ共済」検討→【3】NISA→【4】付加年金→【5】かなり余裕が出てから「iDeCo」、という順番で考えていけばいいんじゃないかなと思います。あくまで個人の考え方次第ですけど。

【6】
税制上有利な運用口座を活用しつつ、適宜積立投資で投資を追加するのも良い。

【5】の内容とかぶりますが、まあ、フリーランスの場合は、とにかく本業で稼ぐことを考えて、本当に余裕が出てきたら考えていけばいい気がします。

…というのが前回の原稿でしたが、今年からは皆さんもご承知の通り、「新NISA」が登場することになりました。一人1800万円、ご夫婦なら3600万円が非課税で運用できる非常にすぐれた制度になっているので、これを最大限活用すれば、老後の不安はこれだけで解消するくらいのインパクトがあります。

特にフリーランスで、上述のように「iDecoで長期間資金が拘束されるのは、不測の事態に備えるという点で嫌だな~」という場合にはとても利用価値が高いと思います。もちろん無理はダメだけどね。

■まとめ(山崎さんの話を聞いて)

僕がnoteで書くようになったのも、山崎さんの影響が少なからずあると思っています。投資に関する師匠の一人といっても過言ではないかもしれません。著書のほとんどを読んでいますしね。それだけに、末期がんに侵されながらも懸命に動画で発信を続けている姿に胸を打たれました。

【YouTubeの対談動画】

山崎さんは、最近ご出演されていた何かの動画の中で「シンプルなものを複雑化して売るのが金融業界の人たちの仕事だ」といった趣旨のことをおっしゃっていました。

「なるほどなぁ~」と思う一方で、個人的には「これは何も金融業界に限った話ではなく、広く世間一般に見られる現象なのかな」とも感じました。

あえて僕なりの言葉で端的に表現するなら、こんな感じでしょうか?

世の中の仕事の多くは、本当はシンプルなことを、もっともらしく複雑化して、そこから手数料をせしめようとする所業

もちろん、上記に当てはまらない仕事もたくさんありますけどね。

皆さんもご承知の通り、僕は農業をしています。世間ではよく「食べるために仕事をしなければ!」と言ったりしますが、シンプルに考えるなら、自分の労働で直接食べ物を生産すればそれで事足りる。「自分で食物を育てる→食べる」というシンプルな行為で十分なわけです。

では、現代人の暮らしは一体どうなっているでしょうか。

仕事をする→お金をかせぐ→税金を払う(所得税・住民税)→野菜を買う→税金を払う(消費税)→食べる

…といった、ものすごーく複雑化したサイクルにどっぷり浸かっています。

「野菜」の価値を分解すると、こんな式になりますかね。

野菜の価格=野菜本体の価格+肥料+資材+農機具+人件費+卸業者の利益+スーパーの利益…

どうでしょう。ものすごく複雑化されていると思いませんか? 

自分で野菜を作るのは、実はそれほど難しくはない。それを、もっともらしい形で複雑化することで利益を上げている。そう言うこともできそうです。山崎さんの指摘は、いわば資本主義の本質的な問題といえるかもしれません。

僕らの世界は、良くも悪くも「資本主義」というルールのうえで成り立っています。「シンプルなことを複雑化して稼ぐ」という側面があることを頭に入れておくと、この世界でもう少しスマートに戦い続けられるようになるかもしれません。

何事もシンプルに生きたいものですね(^^♪

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