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【中1の娘に伝えたいお金の授業】007/老後資金プランニング

【中1の娘に伝えたいお金の授業 ~プロローグ~】

●●、今日から、中学校では教えてくれない「お金の授業」をしていこうと思います。

今後、社会人になるうえで、絶対に身に付けておいた方がいいのが「お金の知識」なんだ。でも、中学校ではほとんど教えてもらえない。だから、学校の先生に代わって、パパが授業をしようと思います。

今すぐ全部を覚える必要はないよ。学校の勉強も忙しいからね。でも、お金のことで困った時、ぜひこのnoteの存在を覚えておいて欲しい。人生につまずきそうになった時、きっと役立つことが詰まっているはずだから。

【第7回】~リタイアメントプランニング~

※前回のおさらいはこちら

今日でお金の授業も7回目。どうかな? ●●も、少しはお金について興味が湧いてきたかな? 

普段、何気なく使っているお金だけど、どんな知識が必要なのかを知ることで、きっとお金との付き合い方も変わってくるはず。すべてを覚える必要はないけれど、ざっくりと「どんな仕組みになっているのか?」と頭に入れておくことが大事だよ。グーグルさんはいろんなことを知っているけど、あくまで調べる道具であって、「何を検索すればいいのか?」までは教えてくれないからね。

■リタイアメントプランニングとは

さて、今日は、人生の3大支出の一つである「老後資金」について詳しく解説していくよ。

ちょっと前に「年金2000万円問題」が話題になったことは知っているかな?   「老後に満足な生活をするためには、年金のお金だけじゃ足りない」という報告書を出したところ、みんなが大騒ぎしたんだ。

実際の報告書を見てみると、それほど驚くことが書いてあるわけじゃなかったんだけど、とにかく大勢の人が「年金で暮らせないなんておかしい!」と言い出したんだよね。

実は、老後を豊かに暮らそうとすると、年金のお金だけでは難しいことが多いんだ。学校を卒業してからコツコツと働き、いよいよ年金が支給されることになっても、それだけでは暮らせない可能性が高い。これが今の日本の現実なんだ。

中学1年の●●が、おばあさんになる頃には、もっと厳しい状況が待っているかもしれないんだ。なので、若いうちから老後生活の準備をしておく必要がある。こうして退職後や老後の生活設計について考えることを「リタイアメントプランニング」っていうんだ。

■老後生活資金

老後生活の主な資金は、退職金、年金(公的年金、企業年金)、貯蓄の3つになるんだ。

リタイアメントプランニングでは、この3つの資金(収入)と、老後の生活費(支出)を計算する。そして、もし足りなくなるようであれば、不足分を準備する方法を考えていくわけだね。

■老後の生活費の計算方法

老後の生活費を計算…と言われても、実際に老後を迎えてみないと、なかなかイメージがしづらいよね。そこで、以下の数字を目安に計算するのが一般的なんだ。

■夫婦とも健在の場合・・・退職前の月の生活費×0.7
■夫or妻のみの場合・・・退職前の月の生活費×0.5

上記の計算式を使えば、月間の生活費が出てくる。なので、これに12を掛け、さらに退職時から死ぬまでの年数を掛ければ、老後の必要な生活費の総額を出すことができるわけだ。

 例:月の生活費/10万円  退職/65歳 ※80歳で死亡と仮定した場合

 年間生活費120万円×15年=老後生活費の総額:1800万円

こうやって計算してみると、かなりのお金が必要だってことが分かるよね。まずは老後に対して漠然を不安を抱くのではなく、「どれだけのお金が必要か?」を計算することが大事なんだ。そうすれば、早い段階で「どう対策を練ればいいか」を考えることができるからね。

ちなみに、生命保険文化センターによる2019年度の調査では、夫婦2人の老後の最低生活費は月額22万1000円、ゆとりのある暮らしのための生活費は月額36万1000円という結果が出ているよ。ちょっと金額が盛られている気もするけど、一つの参考にはなるかもしれないね。

■パパからのアドバイス

どうだったかな? 老後の生活費の多さにビックリしたかもしれないね。でも、老後までに絶対このお金を貯めないといけないかというと、決してそういうわけじゃない。年金が足りないとしても、その分、働く期間を長くすれば、貯金や年金が少ない分を十分カバーすることができるんだ。

「人生100年時代」という言葉は、聞いたことがあるかな? 人類の寿命はこれからもどんどんと延びて、日本では「2007年に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きる」という研究結果があるんだ。多くの人が100歳まで生きる時代になる、というわけだね。

そうなると、今のように65歳くらいで引退するというのは、かなり早いと言わざるを得ない。だって、働かずに年金と貯金で暮らす時間が35年以上も続くなんて、どう考えても現実的じゃないからね。

●●には、こうした時代の変化に対応しながら、好きな仕事をできるだけ長く続け、生きがいを持ちながらお金に困らない老後をエンジョイしてほしい。今はまださすがに早すぎるけど、「若いうちから老後を考えておくことが大事」ということだけは覚えておいてくれると嬉しいな。

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