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作品リスト

 これまでに書いた作品のリスト。長編は目次記事へリンクしています。 長編『ライト・ブリンガー 蒼光』 『魔動戦騎 救国のアルザード』 短編 その他

    • 魔動戦騎 救国のアルザード あとがき

       今回の作品でやりたかったことは、簡単に言えば「リアル寄り作風の世界観の中でスーパー系のオーバースペック機体を開発する話」でした。  作中世界観と設定でそれらしく理屈を捏ね回し、一人の天才と一人の規格外によるオーバースペックロボットを開発していくその風景と課程をメインに描きたかったわけです。  今作のベースとなった短編では、開発風景と初出撃時のみにスポットを当てて書いたのですが、比較対象の不在(普及している他のロボットやエース級と新型の差)だとか、戦時状況の描写不足などを指摘

      • 魔動戦騎 救国のアルザード 設定資料「特殊機体解説」

        ◎《イクスキャリヴル》  アルフレイン王国のエクター・ニムエ・メーリン一級技術騎士(当時)の主導により開発された世界初の「魔動騎士」。  「超越騎兵」を意味する命名は騎手であるアルザード・エン・ラグナ上等騎士(当時)によるもの。  従来の魔動機兵を凌駕し「単機で戦局を覆す機体」を目指して設計された。  オーロラルドライブと名付けられた新型動力機関を搭載し、構造上不可能な場所を除きほぼ全てにミスリル素材を使用したコスト度外視の機体として完成した。  稼動時にはエーテル排液を垂れ

        • 魔動戦騎 救国のアルザード 設定資料「魔動機兵解説」

          ◎魔動機兵概略  「魔動機兵」とは、魔力増幅機構「プリズマドライブ」を用いた人型兵器を指す。  プリズマドライブは、魔素含有率の極めて高い半透明鉱物「プリズマ鉱石」を研磨・精錬することで精製される透明なクリスタル状の「プリズマ結晶」に複数の魔術式を用いて、入力された魔力を増幅して出力する装置である。  増幅された魔力は、魔素を多く含む金属「ミスリル金属」を使用した魔術回路で魔動機兵の各部に送られ、稼動部を動かすことで魔動機兵が動作する。  従って、理論上「燃料」のような概念は

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          魔動戦騎 救国のアルザード 設定資料 「アルフレイン王国騎士階級概要」

           アルフレイン王国における軍事組織は「騎士団」として存在する。  その階級はまず、大きく四つの位に分類され、各階位に等級が設定されており、細分化されている。  一覧としては下記の通り。 ◎主位騎士 ……制服の基本カラーは「銀」  ・総騎士長  ・正騎士長  ・騎士長 ◎高位騎士 ……制服の基本カラーは「青」  ・特級正騎士  ・上級正騎士  ・正騎士 ◎中位騎士 ……制服の基本カラーは「赤」  ・一級騎士  ・二級騎士  ・三級騎士 ◎低位騎士 ……制服の基本カラーは「緑」

          魔動戦騎 救国のアルザード 設定資料 「アルフレイン王国騎士階級概要」

          魔動戦騎 救国のアルザード 終章

           全世界が中継を通して見つめる中、《魔動要塞ハヴナル》は《イクスキャリヴル》によって跡形もなく破壊された。  最大戦力であり、今後の要でもあった《魔動要塞ハヴナル》を失ったノルキモは、戦いが集結した直後にベクティアの侵攻を受けて敗北、併合されることになった。  ベクティアはノルキモとセギマを吸収し、新たに得た領地を治めることを優先するという名目でアルフレイン王国とは敵対しない意向を示した。  これによりアルフレイン王国に戦争を仕掛けてきた三つの国家は事実上すべて消失した。 「

          魔動戦騎 救国のアルザード 終章

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十五章 「救国のアルザード」

          「では、ブリーフィングといこうか」  正式に護剣騎士団の移動指揮所として整備された専用魔動車両の一室で、エクターは椅子に座る面々を見渡してそう告げた。  セギマが《魔動要塞》によって陥落し、ノルキモ領となったのは《イクスキャリヴル》での応戦が決議されてから間もなくのことだった。  侵攻されたセギマ首都は蹂躙され壊滅状態となり、その場に残っていた首脳陣もほとんどが命を落とした。《魔動要塞》の移動速度が遅かったため、民間人の多くは避難できたようだが、それでもなお《魔動要塞》の進路

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十五章 「救国のアルザード」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十四章 「魔動要塞」

           捕虜救出作戦もといアジール制圧から三ヶ月が経つ頃には、アルフレイン王国の情勢も安定に向かいつつあった。  アンジアの全面降伏は実質的に三ヵ国連合の敗北を意味し、セギマも連合の離脱を決めて停戦を持ちかけていたため、残るノルキモだけではアルフレイン王国を攻めるには戦力不足であり、争乱の収束も現実味を帯びてきた。  安定に向かっているとはいえ、アンジアを併合するほどの余裕はアルフレイン王国にはまだなく、ひとまず属国扱いにして今回の戦争で王国が受けた被害の賠償請求をする形となった。

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十四章 「魔動要塞」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十三章 「護剣騎士団」

           ニムエ技術研究所の執務室で、アルザードはエクターと共にドアを開けて入ってきた来訪者を出迎えた。 「久しぶり、ってのも変か」  軽い調子で言ったのはグリフレットだ。 「そんなに時間は経ってないはずだけれど」  共に部屋へ入ってきたサフィールが薄く笑う。 「色々、あったせいかな」  アルザードは二人を見て、笑みとも苦笑いともつかない表情を浮かべた。  グリフレットは右腕を上腕の半ばほどから、サフィールは右足を太腿の半ばほどから先を失っていた。  報告書によれば、捕虜となっていた

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十三章 「護剣騎士団」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十二章 「反撃の光」

           シュライフナールの切っ先を僅かに持ち上げ、送る魔力を絞って推力を落とす。減速をかけつつ着地に意識を集中させる。大通りの一点に狙いをつければ、《イクスキャリヴル》はそれに応じるようにシュライフナールの角度を制御してくれる。  ヒルトを握る手に力を込め、地に足が着く瞬間を見極める。  接地。膝を折り曲げ衝撃と勢いを殺す。ミスリル素材の装甲が淡く光を帯びて、発生する負荷を捻じ伏せる。  シュライフナールは大きく前方に振り回すようにして、後部が地面にぶつかるのを避けつつ慣性を逃がし

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十二章 「反撃の光」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十一章 「夜明けを告げる流星」

           捕虜の一覧が一巡したところで、会議場には重苦しい空気が流れていた。 「《イクスキャリヴル》の開発責任者としての見解を聞かせてもらえないだろうか」  沈黙を破ったのはアルトリウス王だった。  エクターを見つめ、アンジアの要求に対する意見を求める。 「そうですね……仮に《イクスキャリヴル》を明け渡したところで、アンジアは持て余すでしょう。アンジアの戦力や技術力に対し即座にプラスには成り得ない、とは断言しましょう」  エクターは涼しい顔のまま、説明を始めた。 「ふむ」  ざわつき

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十一章 「夜明けを告げる流星」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十章 「繋いだ明日と」

           気が付くと、白い天井があった。  清潔な病室のベッドの上で、アルザードは目を覚ました。 「アル!」  声がした方へ目を向けると、ベッド脇に一人の女性がいる。 「マリア……?」  少し驚いて許婚の彼女の名を呼ぶ。 「アルが目を覚ましたわ! 先生を呼んできて!」  彼女は病室のドアから上半身を廊下に出して声を張り上げた。  相変わらず良く通る声だ。  体を起こそうとして、出来なかった。動かそうとすると、痺れているような感覚に襲われて上手く体を動かせない。全身の神経回路が捩れてし

          魔動戦騎 救国のアルザード 第十章 「繋いだ明日と」

          魔動戦騎 救国のアルザード アウトサイドエピソード 三獣士「狙躍の狡兎」

           木々に紛れるようにして、魔動機兵の部隊は山岳部から続く森の中を進んでいた。  目立たぬように森林迷彩を施した布で機体を覆い、周囲を警戒しながら少しずつ前進する。その歩みは決して速いとは言えず、隠密行動に重点が置かれている。  部隊の中央にいる《ノルムキス・ハイク》の操縦席で、レイヴィ・バーナーは苛立ちを抑えながら進軍していた。  部下たちに愚痴の一つでも言いたいところだったが、隠密行動のために無駄な通信は許可されていない。通信の魔術信号を探知される危険性がある以上、部隊内で

          魔動戦騎 救国のアルザード アウトサイドエピソード 三獣士「狙躍の狡兎」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第九章 「白銀の騎士」

           日が昇るのと時を同じくして、音が聞こえた。  遠くから、何かが爆発したか、炸裂したか、轟音のような、前線にいた時に聞き慣れた音が。  方角は王都の西側だ。  アルザードの予想は的中した。西方から、敵が王都に攻め込んできたのだ。  恐らく本隊ではない。ベルナリア防衛線を突破した三ヵ国連合の大部隊が王都に辿り着く前の陽動や、時間稼ぎ、あるいは牽制か。いずれにせよ近衛の消耗を狙った奇襲というところだろう。  少ししてから、戦場の音がまた聞こえてきた。近衛部隊が応戦を始めたのだろう

          魔動戦騎 救国のアルザード 第九章 「白銀の騎士」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第八章 「タイムリミット」

           ベクティアの工作員であることが発覚したヴィヴィアンは独房に入れられた。全てを見抜いているかのようなエクターに対し抵抗する様子はなく、彼女はただ無言で拘束された。  その翌日に行われた新型脚部の稼動試験は、問題なく終了した。 「あの程度で良かったのか?」  エクターが書いた資料の束を抱えながら、アルザードは問う。結果的に、彼女が担っていた雑用の多くをアルザードが代わりにこなすことになった。とはいえこの書類も、エクターの細工によって技術資料としては無価値なものに成り下がっている

          魔動戦騎 救国のアルザード 第八章 「タイムリミット」

          魔動戦騎 救国のアルザード 第七章 「実験と進展」

           結局、新型の動力システムは設計からの見直しを余儀なくされた。  試作品に搭載されていたプリズマ結晶はものの見事に全て砕け散っていた。得られたエネルギー総量はエクターが当初計算していたものを上回り、それでいてまだアルザードの限界には達していない。  当然ながら、あの魔力量を常時込めながら機体を動かすわけではない。普段はもっと抑えて、言ってみれば息切れしない程度の速度で走るような力加減をすることにはなる。  だが、その新型に求められる力を考えれば、アルザードの限界出力をもってし

          魔動戦騎 救国のアルザード 第七章 「実験と進展」