【第一回】小説オンラインイベント開催しました!
同じテーマで小説を書き合う、第一回オンラインイベントを開催しましたー!
2名の方に参加いただき、『春の訪れ』をテーマにそれぞれ小説を書き合いました。30分間という定められた時間で、決まったテーマの作品を作り上げるので、「どう切り出そうかな?」「どんな内容にしようかな?」と普段の小説作りとは異なる楽しさが得られました。
今回は『春の訪れ』をテーマに執筆しました!
みなさんの作品を順番に紹介していこうと思います。
まずは、主催者である私の作品から
「辛い冬とのお別れ」
「ああ、もう嫌だ。何もかもが面倒くさい。こんなことなら、もう明日なんて来なければいいのに」
私は手袋のした手で、首にしっかりと巻き付けたマフラーを力強く握りしめた。まるで自分で自分の首をしめているかのようで、笑えてくる。気づけば肩や腕に変な力が入っていて、帰って来た頃には馬鹿みたいに筋肉痛になっている。
翌日になっても、鬱々とした気分は変わらなかった。残念ながら、誰がどう願おうとも嫌な明日はやってきてしまうからだ。
ガチガチに強張ってしまった体をなんとか動かしながら、私は今日も日々を過ごしている。
家にいる時だけが唯一、私にとっての幸せな時間だった。だけど、その場所ももう私を和ませてくれる場所ではなくなってしまった。
「ここだって、私の居場所じゃないんだね」
温かくて、そこにいるだけで幸せな場所。だけど、扉を開けてしまうと、まるでそんな幸せはすべて幻であったかのように、現実に引き戻されてしまう。幸せを感じていた私の心と体は、その現実を知った途端に冷めきってしまう。
「はあ、辛い」
そんなため息をつきながら、なんとか眠りにつく。すべての感情を断ち切るのに必死になりながら…。だけど、朝起きるだけで私にとっては大勝負だ。どうして朝から戦わなければならないのだろうか。私はただ平和に、安心して過ごしたいだけなのに。そんな暮らしをし続けて、もう3ヶ月は経っただろうか?私の心は荒んでいくばかりだ。
「もう、限界だよ…」
諦めたように呟いて家を出た途端、私はこれまでとは違う太陽の輝き、空気の暖かさを感じた。バカみたいに身にまとっていた手袋やマフラーを外して、私は外に駆け出した。
さっきまでの憂鬱な気分が嘘のようだ。ガチガチに固まってしまっていた体は、すっかりと溶け切っている。
「遅いよ。やっと、来てくれたんだね!」
私はさんさんと輝いている太陽に、とびきりの笑顔を向けた。今日から楽しい毎日が待っている。子どもみたいにスキップをしながらいつもの道を歩いていたら、枝だけだった木にピンクの蕾がついていた。今日から春が始まる。
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このような形で、時間内でテーマ作品を作りました!参加いただいた二人の作品は、また別記事でそれぞれ紹介しますね。
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